コインロッカー・ベイビーズ 村上龍

産まれてすぐ、母親からコインロッカーに捨てられた2人の少年の話。

この本を読んで頭に浮かんだのは、反抗という文字。
コインロッカーに捨てられ、運良く助けられた2人は兄弟のように施設や里親などに育てられるが、
都会のスラムや、汚い大人などに騙され、引き離されていく。

最初の設定がすごいが、実際にそういう事件はニュースなどで流れたり、知っていたはずなのに、一過性のものとして捉えてしまっているから、こういう世界があることを小説で読むまで、知らなかった。
というか、知らないふりをしていたんだと思う。

物語の中で、呪文として唱えられる「ダチュラ」という言葉がある。
最後にこのダチュラが出てくるのだが、何というか圧倒されて読んでしまった。
特に後半は集中していないと、話がよくわからないまま終わってしまう。
あと何度か読むとさらに面白さがわかってきそうな作品。

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