ヒュウガ・ウイルス 村上龍

新年から一気に村上龍を読んだので、続いて5分後の世界の続編を紹介する。

この本は前作の5分後の世界のまま、日本が戦闘ゲリラとしてアメリカや中国などと戦争をしている。
そして、その日本にヒュウガウイルスと呼ばれる全身が痙攣し、血を吹き出して最後は死ぬウイルス性の病気が流行してしまう。
これを止めるために、日本のゲリラ部隊に要請が行くが、日本はアメリカ、ソ連、中国、イギリスなどに分割占領されているため、各国との戦闘や諍いを乗り越えて鎮圧しにいく。

前作とは主人公や舞台も違っているが、この本が面白かったところは、海外記者が語る目線で書かれているところ。
確かに、分割占領された日本で普通に暮らしている人(この本では非国民と呼ばれている)とは、思想が違うし、
このゲリラ軍の内からの目線だと、いまいち全貌が見えなかったりするから、海外記者の取材という目線はよく思いつくなと思った。

ヒュウガウイルスのヒュウガはおそらく、宮崎県の日向で感染が確認されたために、そう呼ばれるようになったのだと思う。
前作の5分後の世界よりも、個人的には好きな作品だった。

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