【不思議の国の菅叶和】かんかん初の個人イベがあまりにも良かった
2024年6月30日、声優、菅叶和さん初の単独イベントとなる「不思議の国の菅叶和」が北海道札幌市にて行われた。
彼女の人柄をまっすぐに表したような、非常にアットホームな雰囲気で、笑いの絶えない素敵なイベントだった。
あの場所の雰囲気や、あの瞬間を楽しんだみんなの声が少しでも形として残るよう、この記事を記したい。
「不思議の国の菅叶和」とは
「不思議の国の菅叶和」は、北海道、札幌を中心にイベントの企画・運営・制作を行っている団体である「LunaField」さんより、声優である菅叶和さんをゲストに招いて実施されたイベントだ。
2024年3月に予告され、2024年6月30日に昼・夜二部構成で開催された。
会場は札幌市南区にある「北海道青少年会館Compass」
その音楽ホールが使用された。
座席数は652席。実際に訪れた印象としてはレトロな映画館といった趣だ。
ホール以外には体育館や温水プールがあるほか、合宿所としても使われるようで宿泊も可能だった。
「イベント現地宿泊」という贅沢な体験をした参加者も少なからずいたらしい。窓際にグッズが置かれている部屋をいくつか見かけた。
なお、一度会場の変更が行われている。
変更前の会場は200席ほどだったが、昼夜両部合わせて応募が1000を超えており、なんとか広い会場を……と探した結果がこの場所とのこと。
時期が近づいてからの会場確保はかなり大変であろう中、対応してくださったLunaFieldさんには感謝の言葉もない。
余談だが、「ギリギリに大きな会場を探そうとすると札幌中心から離れていく」そうで、実際のところ端的に言って山奥だった。そのため道中で鹿に遭遇した参加者もいたようだ。
北海道とかんかんの間に特別強い縁があったわけではなく、初のイベントが北海道になったのは「偶然と巡り合わせ」とのこと。
また「配信や映像の販売を行わない」という契約のもと実施されたイベントだったとのことで、非常に残念ながらアーカイブは残っていない。
とはいえ、映像に残らないからこそフリーダムにやれた……という側面もあったようだ。
かんかんのやりたいことが詰まった、とても楽しいイベントだったことは、参加者の誰に聞いても頷きが返ってくるだろう。
イベントは童話『ふしぎの国のアリス』『鏡の国のアリス』をモチーフにしたクイズや、イベント参加者からのお便りに沿って回答するコーナーを軸に進行した。
コーナーの一部を抜粋すると以下のような感じ。
ズームアウトしていく拡大写真に写っている物を当てるクイズ(昼の部)
イベント参加者と一緒に解くなぞなぞ(昼の部)
鏡写しの画像を用いた間違い探し(夜の部)
かんかんの指揮で行う手拍子やコール&レスポンス(夜の部)
お便りに書かれた、かんかんへの質問に答えるコーナー(昼夜両部)
お便りに書かれた「決めてほしいこと!」に答えるコーナー(昼夜両部)
サイン色紙抽選会・サインしながらの雑談(昼夜両部)
具体的なイベントの流れについては、LunaFieldさんがイベント翌日に行った反省会配信が詳しい。アーカイブも残っているため、こちらを参照してもらえればと思う。
なかなか貴重なお話が連発されるほか、イベント運営に携わってくださった方々の気さくな人柄や、コメントにある参加者たちの興奮冷めやらぬ感想から、その熱の一端が感じ取れるはずだ。
ここが良かった!「不思議の国の菅叶和」
(物理的に)距離がめちゃくちゃ近い
会場について「レトロな映画館といった趣」と記したが、ホール全体のサイズ感もそれを想像してもらえれば大きくイメージにズレはないだろう。
要するに、めちゃくちゃ距離が近かった。後ろの席でもちゃんと見える。近い席は本当に近い。仕草とか全部目に入ってくる。
しかも距離が近いのはそれだけではなく、なんとかんかん、昼の部は入場のときに、夜の部は退場のときに、会場の通路を全て回っている。
このイベントが全席神席だった所以である。
私は運良く昼の部を前の方の席で見ることができたのだが、司会の方の合図に合わせて、参加者全員で「かんかーん!!」と呼び込んでから数秒後。
背後から「はーーーーい!」という返事とどよめき、歓声、悲鳴が飛び込んできた。
慌てて振り返ると、水色のワンピースという可愛らしいお洋服のかんかんが、客席の通路を全力疾走しているのだ。あの瞬間の衝撃は忘れられない。
イベント中にもなかなかクイズが解けず「ちょっと(スクリーンが)近すぎるからわかんないのかも。15秒だけ後ろ行っていいですか?」と舞台を降りて中央の広い通路まで歩いていく場面が見られた。(もちろん15秒では済まなかった)
しかも昼夜両部でやっている。心臓がもたない。最高。
(精神的にも)距離感がめちゃくちゃ近い
衝撃のスタートから始まったイベントだが、近いのは物理的な距離だけではなかった。
かんかんの「来てくれた人と直接コミュニケーションを取りたい!」という希望が、その話しぶりの距離感にもありありと表れていたのだ。
具体的なエピソードとして、質問コーナーではその質問を書いた人を探し出して、会話を交わしながら答えていた。
「これ書いた人いるーっ?」とお便りの送り主を探すところまではわかる。そこから自然な流れで本人に質問の補足を求めるのだ。びっくりした。
クイズコーナーでも、参加者に積極的にヒントを出してもらったり、答えを教えてもらったりと、かんかんに声を届けるチャンスがそこかしこにあった。
最初はおっかなびっくりといった様子で手を上げていた参加者たちが、途中からすべてを理解して「自分やれます!!」「任せろ!!」と大声でアピールしてはかんかんのゲラ笑いを呼び起こしていたのが印象的だった。
昼の部ではLunaFieldさんより北海道限定のドリンクがたびたび差し入れられたのだが、飲んでいる最中に「美味しいー!?」と大声で聞くせいでかんかんがむせかけていた。ぜひやめてあげてほしい。
しかもこの参加者たち、いざ指名されると驚きのあまりバグるのである。「飛んだーっ!!(率直)」
(間違い探しで)「右のほうが画質が悪い!」
(これまた間違い探しで)「明らかにっ……(二秒間の思考)右のほうが美味しそう!」
など、ヤケクソになった回答にかんかんが「ちょおっとぉーっ!!」とツッコミを入れて会場が笑いに包まれることが何度もあった。
かんかんが回答者を指名するときには、「後ろの方の席の人指したいなー!」「女の子! 女の子いますかーっ?」「まだ答えてないよって人!」といった感じで、とにかくたくさんの人とお話できるように、と気を配ってくださっていたのが印象深い。
とにかく、かんかんは客席の参加者みんなに寄り添っていた。隣で話しているような距離感の近さは、このイベントを語るうえで欠かせないだろう。
なんか同じようなことをカンじろの#1でもやっていたような気がする。
お洋服や髪型がとってもかわいい
もうこの2ツイートで伝わってほしいのだが、はちゃめちゃにかわいかった。
昼の部は水色のワンピースを基調に下ろしたロングヘアにリボンがたくさんついたヘアアクセという、不思議の国にふさわしいメルヘンなお洋服。
夜の部はアレンジが加えられたイベントTシャツをベースに、髪型もポニーテールでどこかアクティブな印象のお洋服。
どっちも!!!! かわいい!!!!!!
席が前の方だったこともあり、私の中では昼の部のお洋服の印象が強い。いやでもポニテめちゃくちゃかわいかったんだよな……。かんかんの元気な印象が際立つのは夜の部のお洋服だけど昼の部はギャップがあっていいという話もあるし甲乙つけがたいわけでして。
あと、昼の部はワンピースの下に黒のショートパンツを履いていたのだけど、スマホをそのパンツのポケットに入れていたらしくワンピースを捲って取り出すものだから超目のやり場に困った。懺悔。
常に120%素のかんかんが出てる
ここまでのエピソードで十分にお察しいただけていると思うが、イベントだからいつもよりお行儀のいいかんかんが見られたかというと、まったくそんなことはない。
いつも通りわちゃわちゃしていたし、それが見たかった。
まず、雑談をしていると本当に話題が二転三転する。
「あ、そういえば話したいことがあって~」からの話題転換、10000回くらい聞いた。進研ゼミでやったやつだ!
はっと我に返って「時間大丈夫ですか……?」とスタッフさんに確認するまでがワンセット。正直一生聞いてたかった。
そして本当によく笑う。客席もずっと笑っていたけど、かんかんも負けないくらいずっと笑っていた。
ほかにも、昼の部ではクイズの正解がわかったときのために早押しボタンが渡されていたのだが、まあすごい頻度で間違えて押す。
クイズが始まった瞬間に押してしまって「あっ違う!」となるのは日常茶飯事で、誰かしらに「OK!」「お願いします!」と言うと同時にピンポーンと音が鳴り響くことも多々。そのたびにひと笑い起きていた。
果てはイベントの最後のサイン色紙抽選会、抽選に当たった人が宛名をメモってスタッフさんに渡し、その宛名をかんかんが書く……という流れだったのだが。
「わたし話しながら書いたりとかできないんだよねー……」と言いながらも参加者に質問を求め、案の定サインを書いてる間は言葉が止まり、喋っているとサインが進まない。
宛名を口に出してしまい「あっ、本名言っちゃったかも。いや違うよね! 偽名だよね!」と慌てる(昼・夜両部でやった。昼の部では本人が「偽名ーっ! 本名◯◯◯◯ー!!」と大声で返事していた。何してんだ)
宛名の漢字を間違える(「園」の字だったと思う)
宛名にさんをつけ忘れる
などなど、ぐっちゃぐちゃの様相だった。当然楽しかったしめちゃくちゃ笑えた。
(彼は夜の部当選者。宛名を公開された一人だが、本名は叫んでいない)
ちなみに、夜の部の入場時にはリアルタイムでTwitter(X)のツイートにいいねをして、おまけに読み上げていた。
開演ギリギリのツイートにいいねが来て困惑するツイートも残っている。
かんかんの愛と信頼とこだわりが嬉しすぎる
……と、まあ本当に楽しいイベントだった。
そのせいだろう。終演後の帰り道ですでに「終わってしまった……」とロス気味になっていたのだ。
しかし、このイベントはあの日だけでは終わらなかった。
翌日に行われた反省会配信で、たくさんの裏話を聞くことができた。
入退場ですべての通路を回ったのはかんかん本人の強い希望によるものであることや、参加者全員へのプレゼント(”カン”バッジとメッセージカード)もかんかんの発案であることが語られた。
また、会場が非常に暑かったため熱中症になってしまった方が休んでいる部屋に、かんかん自ら扇風機を持っていっていた、というエピソードも明かされていた。
菩薩かなにかだろうか? 神様仏様菅叶和様である。
極めつけは、さらにその翌日にかんかん本人がポストしたこのツイートだ。画像のALTテキストに、たくさんの言葉が綴られている。ぜひ読んでみてほしい。
……もう、多くを語るのは野暮に思えてしまう。
距離の近さも、たくさん交わされた会話も、かわいらしいお洋服も、すべてかんかんのこだわりが結実したものだったのだ。
来てくれた人に、一人残らず「楽しかった! 素敵な思い出になった!」と思ってもらいたい。
そんなかんかんの欲張りで優しい、特大の愛を存分に感じられるイベントだった。
今はただただ、このイベントに関わったすべての人に「ありがとう」と伝えたい。
細かな記憶はあいまいになっている中、(主にかんかんがいいねしたことでおすすめ欄に流れてきた)レポや感想のツイートは執筆を大いに支えてくれた。
特にかんかんと直に話すことができた幸運な(もしくは主張の強い)諸兄のツイートはどれも「あの時のアレ、お前か!!」と笑みを浮かべながら読ませてもらっている。この人とか筆頭。
そして、どの感想にも「そうだったよね!」と共感できたのだ。そのことがとにかく嬉しい。
イベントが終わって一週間が過ぎた今も、素敵な感想がTLに流れてくる。参加者の一人として、私もその言葉に共感している。
その事実が、かんかんの希望が実ったことをこれ以上なく証明していると思うのだ。
「楽しかった」という感想を胸いっぱいに抱いてイベントを終えることができたこと。
終わってしまって寂しい気持ちを、イベントに関わった方々への感謝で上書きすることができたこと。
かんかんのまっすぐな姿勢、LunaFieldさんのお力添え、そして参加者全員の「楽しもう!」「かんかんが大好き!」という気持ち、どれか一つでも欠けていたら、実現できなかったことだと思うのだ。
この記事が、映像に残らないこのイベントの魅力を新たに感じ取ったり、あるいは少しでも鮮明に思い返すための一助となってくれることを願ってやまない。
なにせ、あの場所に立ち会えた幸運に報いるためにできることが、これくらいしか思いつかないのだ。
菅叶和さん、そしてLunaFieldさん。本当にお疲れさまでした。そして最高に素敵なイベントをありがとうございました。
またお会いできる日を、心から楽しみにしています。
めでたしめでたし。
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