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家族法勉強会実行委員会主催の院内勉強会(2023年2月3日)での嘉田由紀子氏の発言

 法制審家族法制部会は2022年11月15日、「家族法制の見直しに関する中間試案」を公表し、同年12月6日よりパブリックコメントが実施されていました(2023年2月18日まで)。
 そのようなタイミングで、2023年2月3日、衆議院議員会館で開催された「院内勉強会・原則共同親権で救う子供の幸福とDVを考える!」に国会議員として参加した嘉田由紀子氏が4分ほどの挨拶を行った動画がありましたので、文字起こしをしました。
 主催団体は家族法勉強会実行委員会とありますが詳細情報不明で、協賛団体として一般社団法人 Children’s Rights Watch Japanが挙がっており、同法人Webサイトでも告知されています。

 この動画は、「日本の家族を守る会」という団体のYouTubeチャンネルにアップされていました。以下、同じ院内勉強会での発言者毎に同会チャンネルの動画へリンクを張っておきます。

 嘉田由紀子氏は、法制審家族法制部会について、「特定の思想性を持った人が極めて多」く、「バランスを欠い」ており、「お手盛り」で、議論が歪だと非難しています。その典型例として、直近に開催された2023年1月24日の法制審議会家族法制部会第22回会議を挙げ、「 DV 被害者の声しか上がってない」と強い口調で非難しました。
 
この日の部会では、それぞれ①DV被害者支援の拡充を求める立場、②離婚等係争中の同居親の立場、③離婚を経験した同居親の立場、④DV被害者かつ別居親の立場から、4人のヒアリングが行われていました。第22回はDV被害者や支援者からヒアリングを行うための回だったわけで、何が問題で「歪んで」いるのか全く理解できません。
 法制審議会家族法制部会委員等名簿をみても「特定の思想性を持った人が極めて多」いようには思われません。むしろこの院内勉強会のメイン講師である高橋史朗氏のような人物こそ、一般的には「特定の思想性を持った」と評されるのではないでしょうか。
 このような場で、このような発言をする議員に一票を投じてしまったことを心から恥じ入るばかりです。


嘉田由紀子氏の発言文字起こし(全体)

 今日は皆さん、ご準備いただいてありがとうございました。本当に、私が知りたいと思うことを、専門的に、弁護の現場から、研究者の現場から、そして今日は、館山の市議会議員の方が、「データでみる共同親権の重要性」ということで、これもう見事です。日本の今の法制審の議論がいかに歪であるか
 私は3年前に参議院に、共同親権の実現をしたいと思って参議院に寄せていただきました。法務委員会で45回、この件だけで質問してきました。
森法務大臣。その後、上川法務大臣。その後、古川法務大臣。45 回質問をしてきたんですけど、ようやく法制審が動くと、上川大臣が。期待をしたんですが、その法制審一つずつ議事録も見て、資料も見て。
 例えば最新のは (2023年)1 月 24 日です。1 月 24 日の法制審の中身見てください。もう DV 被害者の声しか上がってないんです。こ~んなに歪な法制審を国家が審議会として生み出しているっておかしいですよ。私は「この法制審はお手盛り法制審だ」と上川大臣に申し上げました。「行政の中の人が入っている。それから特定の思想性を持った人が極めて多い。バランスを欠いている委員会のメンバーだ」と。
 実は委員会メンバーは、言うまでもなく、それを作る法務省が選べるんです。私は滋賀県の知事をしていた時に、必ずいろんな審議会だと相談があります。知事このメンバーでいいでしょうか?と、まあ言うたら 2~3割は反対、7~8割はある方向。最初から決まっている。審議会が。それが予想通りというか、予想以上にひどい審議会です。ですから、この審議会が出してきたあの意見書(※1)、わかりますか?A、B、αβγ、ほ~んとにこんなのを賢い官僚が出すって日本の国のレベルを疑います。恥ずかしいです。
 一方で、共同養育議連の方は、先ほど柴山(昌彦)さんが言っていただきましたように本当に超党派。自民から、私は無所属ですけど、超党派で議連の方は一生懸命やっていただきましたし、そこの動きが今、今日、本当に衛藤(晟一)議員がお越しいただいて心強いなと思うんですけれども、これは超党派です。右も左もありません。日本の子供たちがこの後、戦後 70 年間苦しめられてきた単独親権に対して、きちんと両親と共に両親に愛される、その仕組みができるかどうかのまさに分岐点です。それは日本の子供の未来だけではなくて、日本国の未来に関わります。子育て国難って言ってる。不幸な子供ばっかり毎年 20万人も片親ロスの子ども、民法を改正できなくて、作り出したら本当にこれは国会の、立法府の責任になりますので、衛藤議員、どうか自民党さんの方でよろしくお願いいたします。演説になりましたけれども、この問題にいわば議員生命をかけてきた参議院の嘉田由紀子でございました。今日ご準備いただいた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。


※1 「家族法制の見直しに関する中間試案」(2022年11月15日)のことを指すと思われる。




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