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高須克弥院長について

2020年6月17日

2019年3月19日にTweetした内容です。

高須克弥氏は、 ホロコーストを否定しておきながら、杉原千畝を褒め称えます。
またヒットラーを賞賛しておきながら、BTSがナチス の扮装をしているとして、ユダヤ人権団体SWCに告発をしています。
常識では理解し難い矛盾した言動を繰り返しています。
一方、たった1本のプロパガンダ映画を見て、子供のように興奮し、ヒットラー とナチスを賞賛しています。

私には彼の姿が、麻原彰晃の空中浮遊の写真を見てオウム思想にはまって行った、若い信者達の姿と重なります。
このように彼の言動は、行き当たりばったりで短絡的、深い考えに根ざした公共の正義や、弱者と被害者へのいたわりを欠いたものであることが分かります。
さらに、アポロ11号の月面着陸が嘘であるという陰謀論を簡単に信じてしまうなど、彼の認知能力にも疑問を感じざるを得ません。

但しこれまで述べたことは、今までの彼の多くの社会貢献と善行を全面的に否定するものではありません。
たとえ権威と力を行使することの快感に酔いしれているとしても、それ自体は罪ではありません。

ただ高須克弥氏の言動が罪深いのは、彼が大きな影響力と社会的信用力を持つが故に、多くの人を極右思想と排外主義に向かわせることです。
それは日本をますます間違った方向へ導きます。
日本社会から正義を奪い、先人達が苦労して築いてきた国際社会からの信用を大きく毀損するのです。
ニュージーランドの痛ましい銃乱射事件 や英国のブレグジットを見れば、極右思想と排外主義の蔓延がどういう結果をもたらすのかが分かります。
悪い思想は、ガン細胞のように増殖を続け社会を蝕むのです。

これを見ても我々は、高須克弥氏 の言動を見過ごして良いのでしょうか。
正義を守るための言行は、時として極端で冷静さや思慮を欠いたものに映ります。
公正を守ろうとすれば、中立的立場や傍観者になりがちです。
しかし時には、極右思想と排外主義にはっきりとしたNOという態度を自らの言行によって示すことが求められます。今がその時です。

ーー
2020年6月25日のTW
私は高須院長のネトウヨ発言を初めて見たとき驚いた。それまで彼が美容病院を広く展開している成功者であることは知っていたし、私は現在の彼の恋人西原恵理子の漫画に一時期ハマっていたので、彼女の漫画に出てくるユーモラスだが知識人で人格者でもある彼の姿も知っていた。
だからナチス礼賛やホロコースト否定などのネトウヨ発言をする高須院長の姿がそれまで私が知っていた彼とあまりにかけ離れていて驚いたのだ。

先に紹介した私のブログ(note)にも書いたが、彼のネトウヨ発言の論拠は実に稚拙なもので、例えばナチスのプロパガンダ映画を見て子供のように感激してしまう幼児性は、私に彼の認知機能に問題があるのではないかと疑わせるほどだった。
彼の最近のネトウヨ発言に「日本はそろそろ韓国を切り捨てる決断を」というのがあるが、これなども実に幼児的な意見と言える。
彼は高等教育を受けた医者であり実業家でもある。wikiを見れば、かつては韓国国内で美容医療の普及に尽力したとある。それであれば、韓国が日本にとって大事な貿易相手国であり、日本企業が韓国国内に進出して大きな売上げをあげていること、さらには韓国からやって来る大勢の訪日客が日本国内のインバウンド市場の貴重な顧客であることも彼は知っているはずだ。

対韓国ビジネスの内容(2018年)
 日本からの輸出額 5.8兆円(輸入額 3.5兆円)
 現地日本法人売上高 5.7兆円
 訪日客消費額 0.6兆円
 合計 12.1兆円

それにも関わらず彼がネトウヨ発言を繰返すのは、彼が他者承認要求が強い人間だからではないだろうか。

西原恵理子の漫画の中にこんなエピソードがあった。高須院長が手塚治虫の漫画「ブラックジャック」を見て、漫画の中で描かれている医療技術が現実のものとは違っていて矛盾する点をムキになって指摘し続け、いつまでもそれを止めずに西原を呆れされるというものだ。
西原とて漫画家なのだから、ブラックジャックがフィクションであり、それが医療教育などを目的としたものでないことは当然知っている。しかし未来の恋人に自分の専門技術を披露し西原からの尊敬と歓心を勝ち取ろうとして、なりふり構わぬ幼児性を露呈してしまうほど、他者承認要求が強いのだろう。

彼の一連のネトウヨ発言にしても、子飼いのネトウヨからの尊敬と承認を集めたいが為に、たとえ自分の言っていることに矛盾を感じていても、それを止めることができないのだろう。たびたび炎上騒ぎを起こすので西原からSNSを止めるように言われたが、結局止めることが出来なかったという話も聞くからここでも私の推量は合点がいく。
彼は1945年の終戦の年の生まれだ。私が最近つくづく感じるのは、戦前戦中教育を受け戦後復興とその後の日本の繁栄をリードした戦後レジェンドたちと違い、自分の世代を含め戦後教育を受けた人間の中に心から尊敬できる人物がいないことだ。

高須院長を例にとれば、影響力の強い彼の発言が若い世代を誤った国粋主義と排外主義に走らせ、彼ら自身と国の未来に悪影響を与えるということを顧みずに、自分の他者承認要求を満たそうとしてしてしまう点にある。
言わば公(おおやけ)の利益よりも、個人の欲求を優先してしまうのである。

癌で闘病中であるという彼には、そのことを反省していただき、せっかくこれまで彼が行ってきた社会貢献を台無しにしてしまうような言行は慎んでいただき、晩節を汚すことのないようにしてもらいたいものである。