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カリフォルニアワインのこと

2020年5月18日

渡邊裕子(@ywny)さんのTW(https://twitter.com/ywny/status/1262167040414138376?s=20) へのリツイートとして書き始めましたが長くなったのでnoteにしました。
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私は家に1人でいる時はあまり酒を飲まないのですが、客が来た時とか、出かける時の土産にするために家にワインを常備しています。しかし日本で手頃な価格で飲める美味しいワインを見つけるのはなかなか難しく、やっと見つけたお気に入りの銘柄のものをネットショップでケース買いしてます。

ワインの美味しさに目覚めたのは、2003-2004年にシリコンバレーに出向したときです。それまで日本でワインを飲むことはあっても特段美味しいと思ったことはありませんでした。でもあちらで最初にカリフォルニアワインを飲んだとき、飲み終わったしばらく後までワインの良い芳香が鼻の奥に残っているような感覚を味わい、これがワインの美味しさなんだと気づいたのでした。そしてあちらのスーパーで買う当時5-6ドルのカリフォルニアワインでも、日本で買う2,000円のワインよりずっと美味しいと感じました。お気に入りは当時20ドルくらいで買えたNapa産のRobert Mondavi。それからスパークリングワインのMumm。Opus Oneも大好きだったけど、そうそうは買えませんね。

日本へお土産として持ち帰ったカリフォルニアワインを飲んだ、海よりも山よりも夫よりもユーミンと酒が好きな奥さんも、これにどハマリしました。
そしてその後はいかに多くのカリフォルニアワインを日本にいる奥さんのために持ち帰るかが、私の出張時の至上命題になりました。出張でやってくる度に仕事より熱心にワインの買い付けに走る私のことを現地の同僚たちは、ワインの輸入業者(Importer)と呼んでいました。

何しろワインは重いし割れるし、それをハンドキャリーで運ぶのでなかなか大変です。英語力と財力がないので送ることは考えませんでした。日本ーアメリカ間のフライトのエコノミークラスでは、23kgまでの荷物を2個まで運んでくれます。これは助かります。またワインの税金は3本までが無税で4本目から1本あたり200円程度と安いです。
最初はボトルを衣類に包むなどしてスーツケースに入れていたのですが、だんだんと本物の輸入業者っぽくなってきて、日本から持って行ったエアキャップに包んで会社から貰ってきた段ボール箱に詰めるようになり、最終的にはU-Haulという運搬用トラックレンタル会社でワイン運搬専用の段ボール箱を見つけ出しこれを愛用するようになりました。この段ボール箱は優れもので瓶が割れないよう発砲スチロールで区切られた箱に1ダース12本のワインを詰めることが出来ました。大抵それに加えて3-5本のボトルをスーツケースにも詰め込んだので、合計で15-17本のワインを輸入していたということですね。もう立派な業者ですね。

ワインのことを書いていたらワインが飲みたくなりました。日本ではNapa産Robert Mondaviは5,000円くらいします。とても買えませんから、いつものリーズナブルなチリワインを開けることにします。1人の時は17:00過ぎたら酒を飲んで良いというのがマイルールで今時計を見たら16:57です。素晴らしいタイミングでこのnoteを書き終えようとしています。

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この文の中で何度か奥さんのことが出てきますが、私のワインの思い出はほとんど全て前の奥さんとの思い出につながっています。
タイトル写真を選ぶために昔のデジタルアルバムをあさりました。いきおいUSAで撮った大量の奥さんとの思い出写真を見ることになり、女々しくもまたメソメソと泣いてしまいました。朝に続いて今日2回目です。最近奥さんを思い出して泣くこともずいぶんと少なくなり、1日に2回泣くというのはめずらしいことです。少し前は奥さんのことを思い出すこと自体が辛くてたまりませんでした。それに比べると今はずいぶんその辛さが和らいできたように思います。これまで私に関わってくれた全ての人の優しさが辛さを少しずつ懐かしいものに変えてくれているのだと思います。こうやって少しずつ過去が本当に過去として感じられるようになって行くのかなあと思っています。