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韓国社会とネトウヨ

2020年7月24日

1990年代の終わりに仕事で韓国を頻繁に訪れていた時に現地の人に聞かされたことは、「韓国は日本の良い面も悪い面も注視している。そしてそれらを時に教師に、時に反面教師にして社会に反映している」ということだった。
かつて焦土の中から奇跡の戦後復興を果たし、1980年代には経済不振に悩むアメリカ、イギリス他の欧米先進国を尻目に、世界で唯一無二の繁栄を誇っていた日本が、何故今のような状態になってしまったのか。韓国の人たちはそれを精査し、そこから自国の未来のための教訓を得ようとしているのだ。

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ネトウヨの心の底にあるのは未来に対する怯えです。現在の生活は決して満足できるものではないが、それでも取りあえず仕事と衣食住は確保されている。
しかし社会に変化が起きた場合、このささやかな生活すら壊れてしまうかもしれない。それが恐ろしくてたまらない。
そのため、彼ら彼女らは、既存の社会秩序、権力機構、価値観を必死になって守ろうとするのです。

従軍慰安婦や徴用工問題で日本国内にたびたび論議を起こす韓国は、怯えから神経症(不安障害)となったネトウヨたちにとっては、恐ろしい脅威なのです。
やがて神経症によって歪んだ彼ら彼女らの認知は「韓国こそが日本を悪くしている元凶であり、韓国を排除しさえすれば、日本の未来は薔薇色に輝く」というものに変わります。

これは現政権が権力基盤を固めるために、メディアや保守論客たちを使って行ったプロパガンダの成果でもあります。
「無知で愚かな大衆を扇動するには、彼らに満足な生活と正しい情報を与えず、不安と混乱の状態に置き、共通の敵を見つけてやること」、これはヒットラーその他の独裁者たちが、国をまとめ、自らの権力を維持するために行ってきた方法そのものです。