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「ワンドロ→完成まで描く」を1週間続けてみた話

最近寒いですね。
皆様はワンドロはご存知でしょうか?元々東方の界隈で流行った絵描きの間での遊びです。夜22時から一斉に描き始め1時間で作品を完成させて投稿するというもので、「#深夜の真剣お絵描き60分1本勝負」というタグなんかで親しまれています。

今回ワンドロ実施しつつ、それからその日中に作品を完成まで持っていき完成までの時間を測るというのを1週間やってみました。

なぜこの練習をやろうと思ったのか

私は絵を描くにあたって自分の筆の遅さにとても悩んでいました。最近絵を描くにも1枚に半月程度かかってしまい、描きたいものが溜まるばかりで気持ちと更新頻度が合わずに焦る気持ちが増していました。
そんなある時にとある方のツイートを見かけました。その方はとても絵が上手い方で、1年間でこれだけ成長したという成長記録と共に、自分はこういう練習をしたとメモ帳のスクリーンショットを添付しておりました。その中に筆を速くする方法に「ワンドロ→完成を1週間やることで少し改善された」と書かれていたため、自分もやってみようと思い実践してみました。
該当ツイートですが、他にも色々いい事が書かれていたのにいいねをし忘れていて埋もれてしまったので、どなたか探せる方がいましたら教えてください…。

実施にためのルール

このような練習は闇雲にやっても仕方ないので、少しばかり自分の中でルールを決めました。

1. 素体ラフと資料集めは開始前にやってもよい

これは描き始めてから構図に悩む時間を減らすためです。ある程度描く絵を決めてからでないとこの構図はダメだとなりやり直しになる可能性が生まれます。また、最悪私のやり方だと構図決めで1時間近くかかってしまうこも多いため、この時間だけは計算から除外しました。

2. 1~3時間で終わる構図にすること

平日夜の自由時間がその程度しかないため、その日中に必ず終わらせる構図を選ぶようにしました。

3. 描いたことのないキャラは描かない

描いたことのないキャラはそのデザインを把握するのに時間がかかるため除外しました。

完成した絵を順番に紹介

それでは実践した結果を1日目から順番に紹介していきます。

【1日目】とりあえずやってみる

完成
作業時間:3時間

初回ということでとりあえずやってみようと描いた一枚です。
うちの子にイメージカラーのインク垂らすのってかっこいいのではってくらいの感覚で描きました。

事前に手の写真を撮っておいたので、手は短時間で綺麗に描けてよかったです。ですが、顔だけなのに真面目に描くと3時間かかるんだなと少しばかりショックを受けました…。

初日の感覚としては1時間集中してそれから引き続き完成させるというのは結構大変だなと感じました…。
1時間経過したときの状態を残すのを忘れていたのですが2日目以降はそちらも載せます。

【2日目】人数を増やしてみる

1時間経過
完成
作業時間:2.5時間

人数を増やしてみたらどれくらいで描けるのかと思い、うちの子二人を描いてみました。
やはり1時間だとカラーラフまでしか終わらず、大体完了まで3時間程度かかるなという感じがします。

難しい構図だったのですが、今月人体の勉強をしていただけあり、描いた時間の割に違和感が少なく済んでよかったと感じました。
しかし、構図を考える時点でポーズまでしか考えていなかったので、絵として微妙な出来になってしまいました。練習とはいえ完成させるものなので、なあなあに描いているのはよくないと感じました。次は構図に意味を持たせることも考えようと思います。

【3日目】インプットをしてから描いてみる

1時間経過
完成
作業時間:2.5時間

11/25はいい笑顔の日ということで、笑顔のお姉ちゃんを描いてみました。
1日目の絵で髪の塗りが微妙だなと感じたので、好きな絵師さんの絵の髪の部分だけ模写してからワンドロに挑んでみました。また、髪の塗りを試したかったので髪の面積が多くなる俯瞰の構図にしてみました。
髪の塗りがよくなったことで画面に密度が出て見栄えが良くなりました。事前にインプットをするといい練習になるのかも。

【4日目】体力との闘い

1時間経過
完成
作業時間:3時間

実は4日目は金曜日で、週2日の出社日に当たる日でした。(それ以外の日はリモートで仕事をしています)そのため通勤の必要があり、作業に取り掛かる時間が遅くなったのと通勤に体力を持っていかれたのであまりの眠気に襲われ、その日は作業は1時間で切り上げました。幸い次の日が土曜日で休みだったので、その後の仕上げはちゃんと次の日にやりました。(もちろん土曜日の分はずらさずに土曜日に仕上げました)

仕事をしながらというのもあるので仕方ない部分はありますが、このあたりからどことなく仕上げるのが目的になってきてしまい練習としてどうなの?という疑問が湧いてきました。それでもやりきらないと分からないこともあるなと思い、一週間は頑張ってみることにしました。

【5日目】アイデアとの闘い

1時間経過
完成
作業時間:4時間

正直このあたりから絵のネタがなくなってきていました。描きたい絵はあるのですが、ワンドロ→完成という流れを完遂できる構図という縛りがあるため、その縛りの中でアイデアを出すのに限界を感じていました。ワンドロ実施前、アイデア出しのためにピンタレストを漁るのですが、うーんとうなりながらあまり描かないうちの子を描こうと思いこの子を描きました。名前はAsterisk、通称Aris(アリス)といいます。
今回納得行かない構図でスタートをしてしまったため、いい絵にならないなという思いを抱えながら進めてしまいました。そのため、塗り終わってから構図の調整やライティングの調整に時間をたくさんかけてしまい、想定以上の時間がかかってしまいました。ラフの段階でもう少し構図を詰めるべきだったと反省しています。

5日目というのもあり、構図のネタが減ってきたのと考える力が減ってきたなという感想です。疲れは取らないといい絵は描けないですね…。

【6日目】最高いいね更新

1時間経過
完成
作業時間:3.5時間

以前から作っていたうちの子の新しい衣装の草案を使ってうちの子を描いてみました。本来はできてからちゃんとした一枚絵を描いて投稿しようと思っていたのですがネタがなかったもので…。
ちなみに新衣装はこれに決めるつもりはなく、今後色々足したり削ったりしながら詰めていく予定です。

今回こちらの絵を投稿したところ200を超えたいいねをいただき、一次創作での最高いいね記録を更新しました。
自分の好きな雰囲気に描けたものが評価されたため、とてもとても嬉しい気持ちでした。今後もっとデザインを詰めて改めてちゃんとした一枚絵にしたときにまたこの記録を上回ってくれたら嬉しいです。

一つ気付きとしては、顔のみの場合と全身の場合と描く時間はそこまで大きく影響しないなと感じました。顔が大半を占める構図では、キャラクターお表情が重要になってくるため顔の調整や髪の毛の塗りなど、密度がないと画面が映えません。それに対して全身が入るイラストは描くパーツは多いものの、一つ一つの密度は少なくていいので楽だなと感じます。

【7日目】最後の力を振り絞ってゴール

1時間経過
完成
4.5時間

最後の日です。最終日ということもあり大きな挑戦をしてみようかと考えていたのですが、最終日が4日目と同じ出社日に当たる日だったので、自分の体力と相談して今まで通りにやろうと決めました。
実際連日の投稿と仕事で疲れがひどかったので、4日目と同じくワンドロだけその日に済ませ、翌日に仕上げにかかりました。

最終日の絵はロリータを着たうちの子です。
今までの中で一番時間がかかっているのですが、これは5日目と同じく仕上がりが微妙で何度も修正を重ねた結果です。
ロリータを着たうちの子という程度のテーマで始めてしまったのですが、ただうちの子が可愛い服を着てるだけの絵になってしまい、面白みがなく結構な時間悩んでしまいました。最終的に、表情を恥ずかしそうにして、影を差してみたらいい感じの雰囲気になったので、まとまってよかったなあと思いました。
この子はおとなしい性格で、自分を表に出さないので、こんなかわいい服を着せたら恥ずかしがるだろうなあと(親ばか)

5日目の反省を全く活かせなかったことは素直に反省なのですが、正直疲れが酷くて頭が回らなかったというのが大きかったです。

やってみてどうだったか

筆は早くなったのか

この練習を通して筆が早くなったかというと、実際早くなってないです笑
ですが、毎日時間を意識して描いたことで自分がどの作業に大体どれくらいの時間がかかるのかという目安が分かりました。自分の所感だと、キャラクターイラストであればカラーラフが1時間、線画が1時間、色塗りが1〜2時間、1時間で仕上げという感じですね。背景が入ったり、描きなれていないものがあったりするとこれにプラスしていく形になりますし、描く量が少ない場合はもっと少ない時間になりますね。
大体の作業時間が分かると、これくらいの時間があればここまで描けるという予定が立てやすく、作業がとてもしやすいです。

ただ、一つどうしても作業時間の目安がつけれない作業があります。それが「構図を決める」という作業です。
今回一週間毎日描いていて、一番大変だったのがそこでした。後半になるにつれ、ワンドロを始める前の構図決めの時間が段々伸びていき、最終日などは構図や描くものを決めるだけで2時間近くかかっていた気もします。ですが、この構図決めをさぼってしまうと絵の仕上がりが微妙になってしまったり、没になってしまったりします。絵の肝となる作業ですね。
そのため、構図決めにはいっぱい時間を使ってもいいことにして、他の作業をもっと短縮できるようになりたいなと思いました。そのためにツールの見直しや、枚数をこなして描画速度を上げるなどの練習も行いたいですね。描けるものを増やすのも大事だなと思いました。

自分の描けるものがわかった

自分が筆が遅い理由の一つとして、常に新しいものを描いているからだということに気が付きました。そりゃ絵は同じものや構図を描く機会なんて殆どなく、常に違うキャラクター、構図、背景などを描きます。その度に資料を調べ、違和感のないように配置し、形を取り、などをやっているとどうしても時間がかかりますね。これは常にインプットをしながら絵を描いていることになります。
今回ワンドロは1〜3時間で描ける構図を選んだため、必然的に自分で描けるものしか選択しませんでした。そのため、自分で選択したものは自信を持ってある程度描けて、あえて選ばなかったものは素早く描くのに自信がないことが分かりました。しかも自信を持って描けないものが意外と多く、長く絵を描いてきているつもりですが自分が描けないものって多いんだなと実感させられました…つらい…。
これからはもっと色んな構図やもの、背景にチャレンジして描けるものをたくさん増やしていきたいなと思いました。

この練習法をおすすめできるか

筆の速さよりも、自分の今の実力の確認ができる練習だなと思いました。ワンドロにしなくても、毎日一枚時間を測って描くというのでもいいですね。
ですが、一週間毎日一枚投稿するというのはかなり疲れるので、正直5日くらいでいいかなあと感じます。
でも、1〜2ヶ月程度に一回やると、定期的に自分の実力が測れていいと思うので、月末とか目処にやってみたいなと思います。今月は年末年始なので来月になるかなと思いますが…。

最後に

ぶっちゃけ、このような一定期間でも毎日継続する練習というのはいつも続かないので、一週間やりきれたことに自分でも驚いています。少し自分の自信につながりました。
毎日ちゃんと絵を描いて投稿するというのはめちゃくちゃ大変で、(しかも仕事をしながら)これを100日間やったモ誰さんにはほんとに尊敬しかないです。
たくさんの気づきや得られたものがあったので、やってよかったなと感じました。
現在はこの練習が終わってからは背景の勉強をしているので、近いうちにまた一つ進化した私の絵を皆様にお届けできるかと思います。
楽しみにしていてください。

では、ここまで読んでいただきありとうございました。

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