見出し画像

【過去の社内メッセージより】Makeを創るということ

2010年より、SHIFTの社内向けブログにさまざまなメッセージを書いてきました。そのメッセージをより多くの方たちに読んでいただきたいと思い、noteに転載したいと思います。

(SHIFTの社内向けブログ2012年12月8日)
********************************

今週の金曜日に、あのクリス・アンダーソンの講演に行きます。

IT革命が、とうとう物理領域にやってきたということで。

もともと出身が機械系ということもあり、前職は金型の会社に就職。とても貴重な経験をさせていただきましたが、すべてが物理領域での仕事で、人間のアイデアを形にする所で、どうしても大きなギャップが生まれ、そこにさらに分業化された近代社会での問題もあり、伝達のロスが生まれ、意図しないものが出来る。

ソフトウェアも同じモノづくり、お客様がリンゴと言って頼んだモノは
実はブランコだったという笑い話は有名だ。

なんで前職では、ドラッグ&ドロップでソフトウェアができるツールを開発した。でも、前職は金型屋だった。だから創業者に否定された。

だから、モノづくりは難しい。創業はできるだけ、資金がかからないモノからはじめようとなる。僕もそうした。

著名なVCも、最小コストは食事代だということで、最初の資金は創業者の食費くらいのものだ。

それはおいといて、スタートアップブームで、さまざまなVCが立ち上がり、資金やネットの世界の起業は、敷居が下がった。そして、資金はクラウドファンディングでも手に入り、プログラミングはクラウドソーシングで手に入り、アイデアは街に溢れている。

弊社の『着パフ』も、これでつくりました。でも、足りないのは最初の1歩を踏み出す人。なのでシフトはアスリート塾をやっていますが、笑。

今日の日経新聞に、3Dプリンターの記事。前職が日本で20年以上前にはじめたことなので、いまさらかとちょっと吹き出しそうになるが、まだまだそんな所。クリス・アンダーソンのいうMAKERSの世界が革命を興すには、まだまだ地盤が整っていない気がする。

足りないのは、全体を統括できるアントレプレナーを育てることが必要だと思うし、ブログでも書いたように、儲かる仕組みを考えれる人。人を巻き込むには、これが必須だと思う。

自分でThe Makeの世界を経験して思った。具体的には、量産までもっていける経験と技術。そして、その商品を世の中に知ってもらうためのバズ力。量産に至っては、中国に業者が腐るほどあるが、正直ピンキリ過ぎるし、目利きができる人がいない。

先日、とある社長さんにも、金型のことで相談された。200億円もやっているモノづくりメーカーですら、知らない。

そして、バズ力。どんなに良いモノをつくっても、右脳を刺激し、欲しいと思わせないと、はじまらない。

ある人気の飲食店をプロデュースした方は、講演で「モノをプロデュースするには、ストーリーが大切だ」と言っていた。それで売れるかどうか決まると。

ここは、糸井重里のコピーライトの世界かもしれない。そして、それを伝える映像能力。

正直、ここが悩ましい。コピーライトは訓練したので僕もそこそこできるが、ストーリーづくりと映像能力はまったくない。産業革命が起きて、金と土地が資産であった1700年代に、新たに知的財産が資産として認められ、誰でもその上でビジネスができるようになった。そして、爆発的に知財が利用され、生産性があがり、10倍もの経済成長、人口増をもたらした。

いまのIT革命はまだ、リアルの1/5に過ぎない。

お金のシェア、知財のシェア、モノづくりのシェアができるようになったいま足りないのは、以下のシェアだと思う。

・ビジネスモデルのシェア
・プロデュース能力
(コピーライト、ストーリーづくり、映像)のシェア
・量産工場のシェア

ここまでできたら、後は「やるか、やらないか」というアントレプレナー力だと思う。

今日も、単に思ったことを書いてみた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?