悪と呪い

家族にあたしの悩みを打ち明けられる人は
いない。
どんなに優しい笑みで接しようが、
私を構わず暴言の渦に投げ捨てる。
楽器だって簡単に捨てられる。
だから油断しちゃいけない。

いつも常識から外れてしまう。
だめだって本能が騒いでる方へ進む。
深い闇に自分から飲み込まれてる気さえする。

誰かに話を聞いて欲しかった。
小さい頃からそれは今も変わらない。
心が幼いんだ。
見かけばかり大きく見せて
空洞に愛を詰め込められない。
作り続けてきた幻覚を暴かれるのが怖くて
またひとつ大きめに自分を見せる。
薄っぺらくて温かみのない自分を。

楽しくなんてなれないよ。

心が寂しいから。どうやったの?
どう抜け出した?
どうしてそんなに賑やかにできるの?
うるさいなぁ、耳障りなんだよ。
あたしの前から消えてくれ。

成長するため、次に進むため。
そう言い聞かせてきた。
まだまだやれる、腐っちゃダメだ。
あたしは負けない。
そう言い続けた自分が1番ペテン師。

いつか、
ヒーローみたいにかっこいいことしてさ、
限界突破して、己の弱さに勝って、
仲間を助けるんだろう?って思ってた。
あたしなら出来るって。

できないんだよ!

頑張ってる。
ちがうあたしがやりたいことはこれじゃない。
頭の中で描いたとおりに文字を、歌を、
ギターをかき鳴らせない!
なんで?どうしてなの?経験?歳が足りない?若いから?ちがう。
きっとあたしがあたしをバカにしてるからだ。あたしがやられて嫌なことわかってるから、
そうやってわかっててまたいじめる。
バカにしてる。恥ずかしいって思ってる。
へんてこな歌詞を書いたこと。
自分で自分の首を絞めてること。
言わなきゃよかった言葉を言ってしまったせいで今更後悔してること。
戻らない関係を見つめて途方に暮れてること。

深い傷になってる。
あたし傷ついてんの。
普通に戻されたぐらいじゃ物足りないのよ。
癒えないから腐ったのよ。
誰かのせいにして逃げてしまいたい。
あたしは今日も被害者ぶってる。