個人事業主(フリーランス)の節税対策と無駄な費用をかけない青色申告の方法を徹底解説!
こんにちは、しちゃうおじさん(以下「しちゃおじ」)です。
この記事は、会社を辞めて "個人事業主(フリーランス・自営業)" になった皆さまや、アルバイト感覚でウーバーイーツの配達パートナーをはじめたら、いつの間にか ”個人事業主” になっていた皆さまのために書きました。
もちろん『会社が倒産しそうなので副業をがんばっている!』という方や『個人事業の売上が急に伸びてきたので税金や保険料のことが心配…』という方にも大変参考にしていただける内容となっています。
この記事で書いている内容の一部を抜き出すと、例えば以下になります。
つまり、この記事に目を通すことで、個人事業主のありとあらゆる節税対策のこと、複雑過ぎて頭の中が混乱してしまいやすい税金や保険料のこと、難しくて面倒だと思われがちな仕訳や複式簿記のこと、税理士さんや会計事務所に頼らない自力での青色申告のコツなどを横断的に知ることができます。
ちなみに「しちゃおじ」は、年初にクラウド会計ソフトを使って、
と、上記の3ステップで青色申告を完了しています。
小箱に貯めておいた丸1年分の領収書とレシートを一気に仕訳して、e-Tax(イータックス)から送信完了するまで半日ほどで済んでしまいます。
なんと、令和2年分の青色申告にかかった年間費用は 0円 です。
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とは言っても、いきなり『3ステップで青色申告が完了!』と聞かされたところで『やっぱり確定申告って、なんだかとても面倒くさいですよね?』
しかも、充分な準備期間もなく何かしらの事情で個人事業主になった場合、無知なままに白色申告か青色申告をしなくてはいけませんし、突然に『複式簿記で帳簿を作成してください』と言われても困ってしまいます。
はい。実は「しちゃおじ」もずっとこんな風に、何年間も思っていました。
それどころか、いつからか確定申告という存在を記憶から抹殺して過ごしていたところ、ついには地元の税務署からお呼び出しがかかり、過去5年間にさかのぼって ”みっちり” と税務調査を受ける緊急事態となりました。
その結果、無申告加算税と延滞税を含めた追徴課税と、未納分の国民健康保険料などを合わせて、およそ1,000万円を納付する形となったのです。
税務調査についてはプロフィール記事にも書きましたが、このときの貴重な経験からたくさんのことを学びました。
例えば、以下のようなことです。
きっとあなたも、この記事を横目に実際に青色申告をやってみたら『えっ! うそ? これで終わり!?』と拍子抜けしてしまうこと請け合いです。
ホント当時の「しちゃおじ」に、この記事を熱心に紹介したいくらいです(だって、一体どれだけのお金を手元に残せていたことか...)。
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さて、この記事をオススメしたいのは、以下のような方になります。
反対に、この記事をオススメしないのは、以下のような方になります。
以下の記事は、「しちゃおじ」がnoteを書きはじめて間もない頃にこの記事をお買い求めいただいたマヨコンヌさんがご厚意で書いてくれたもので、マヨコンヌさん曰く『ほぼほぼどういう青色申告の解説書にも載ってない手法で【青色申告ソフトでの帳簿入力を超簡単にするハック】と【完全に合法なこれ以上ないくらい丁寧な節税ハック】のふたつが両方ともメチャクチャ濃厚に効率的に網羅されている』とのことでして、あまりにも内容が濃すぎるので、『まずは目次の (9) (10)だけ読めばいいわ...』らしいです🐤=3
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なお、こういった「節税」や「確定申告」などのテーマは、毎年法改正によるルール変更が顕著ですので、それに伴う ”会計ソフト” や ”e-Tax(イータックス)” 等のシステムにも変更が及びます。
この記事では、そういった毎年のルール変更にイチ早く対応をして、例年の確定申告開始時期である2/16までに、追記や修正を行って常に最新の内容に更新しています。
ですので、「今後も節税対策をして青色申告を行う予定のある方」や「毎年のように領収書やレシートと格闘しながら青色申告を行っている方」などは、この記事をブックマークしておいてくださいね!
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(1) こんなに違う!年間収入600万円のモデルケースで納めるべき金額を比較してみる
まず、以下のモデルケースにて納めるべき金額の比較をしたいと思います。
「納めるべき金額」には、税金の他に保険料も含めています。
比較しやすいように、両ケース共に令和1年度の年間収入は0円、令和2年度の年間収入は50万円 × 12ヶ月 = 600万円とします。
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① 節税対策を一切していない都内在住の年収600万円30歳独身サラリーマン
まずケース1として、{節税対策を一切していない都内在住の年収600万円30歳独身サラリーマン}の場合です。
給与収入の方は、「ふるさとチョイス」の控除上限額シミュレーションのページがわかりやすくて便利です。
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上記では、「ふるさと納税」をする際の控除上限額を知ることができるのですが、「所得税額」や「住民税額」も表示してくれるので重宝します。
まず、「あなたの給与収入」の欄に6,000,000円と入力してみます(独身で節税対策を一切していないケースですので、他の項目への記入は不要です)。
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すると、ページ下部に「あなたの控除上限額(目安)」として114,244円が表示されます。
この金額までふるさと納税をしても、実質負担2,000円で返礼品を受け取れることがわかります。
仮に110,000円をふるさと納税した場合、選択した110,000円分の返礼品がもらえるうえに、108,000円が「所得税」と「住民税」から控除されます。
ふるさと納税については、目次「① 寄付金控除:ふるさと納税」の項で詳しく触れますが、ここでは画面をスクロールして「詳細を見る ∨ 」をクリックしてください。
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結果下部の方に、「実際の所得税額(寄付金適用前)」と「住民税所得割額」が表示されています。
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「実際の所得税額(寄付金適用前)」は355,800円と表示されていますが、これは「所得税」の348,500円と「復興特別所得税」の7,318円を足して100円未満を切り捨てた金額です。
「住民税所得割額」は390,500円と表示されていますが、これは住民税の「課税所得金額」3,930,000円に10%を掛けた393,000円から、「調整控除」の2,500円を差し引いた金額です。
なお、住民税には「所得割額」の他に「均等割額」が加算されます。
「均等割額」には地域差があり、都民の場合は「個人都民税」の1,500 円と「個人区市町村民税」の3,500 円を足した5,000円になります。
この「所得税額」と「住民税額(所得割・均等割)」を合計すると751,300円になりますが、忘れてはいけないのが「健康保険(医療保険)」「厚生年金保険(年金保険)」「雇用保険」の社会保険料です。
まず、全国健康保険協会(協会けんぽ)の「令和2年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」より、「健康保険(医療保険)」と「厚生年金保険(年金保険)」を確認してみましょう。
こちらもお住まいの地域によって「健康保険料額」に多少の差異がありますが、ここではモデルケースの東京都を見てみます。
まず、「健康保険(医療保険)」です。
月額報酬が50万円ですので、健康保険の等級は「30」になります。
モデルケースは30歳ですので「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」の9.87%に該当し49,350円になります。
それを労使折半しますので、「健康保険料」の月額は24,675円です。
したがいまして、24,675円×12ヶ月で「健康保険(医療保険)」の年額負担は、296,100円になります。
次に、「厚生年金保険(年金保険)」です。
月額報酬が50万円ですので厚生年金保険の等級は「27」で、厚生年金保険料は91,500円になりまして、それを労使折半しますので、厚生年金保険料の月額は45,750円です。
したがいまして、45,750円×12ヶ月で「厚生年金保険(年金保険)」の年額負担は、549,000円になります。
最後に、「雇用保険」です。
雇用保険料率は0.9%で、このうち「使用者負担0.6%」で「労働者負担0.3%」です。
月額報酬50万円の雇用保険の月額は「500,000 × 0.3% = 1,500円」となり、年額負担は「1,500円 × 12ヶ月 = 18,000円」になります。
さて、先の「所得税」「住民税」に「健康保険(医療保険)」「厚生年金保険(年金保険)」「雇用保険」の社会保険料を合算してみましょう。
納付するべき金額は、「所得税355,800円」+「住民税395,500円」+「健康保険料(医療保険)296,100円」+「厚生年金保険料(年金保険)549,000円」+「雇用保険料18,000円」= 合計1,611,400円となりました。
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{節税対策を一切していない都内在住の年収600万円30歳独身サラリーマン}の場合、「所得税」「住民性」「社会保険料(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)」だけで、給与収入の1/4以上に当たる約26.8%を税金と保険料で持っていかれてしまうことがわかります。
ここから食費や家賃などの生活費、公共料金や通信費などの固定費、それに突発的な医療費などの出費が重なってくるわけですから、なかなか手元にお金が残らないわけです。
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② 節税術を駆使した都内在住の年間配達報酬600万円30歳独身Uber Eats配達員
次にケース2として、{節税術を駆使した都内在住の年間配達報酬600万円30歳独身Uber Eats配達員}の場合です。
まず、Uber Eats配達員は ”個人事業主” になりますが、ここが最大のポイントになっています。
個人事業主は、給与や賞与から所得税を源泉徴収されてしまう会社員とは異なり、ありとあらゆる節税方法を用いて納税額を抑えることが可能です。
個人事業主ですので「給与所得控除」はありませんが、事業に関わる費用を「必要経費」として「事業収入」から差し引くことができます。
誰もが思いつくUber Eats配達員の必要経費としては、原付バイク・ヘルメット・グローブ・スマホホルダー・自賠責保険・任意保険・盗難保険・スマホ利用料金・ガソリン代・オイル交換代・修理代・軽自動車税などがあるでしょう。
目次「(3) 必要経費」の節で詳しくご紹介しますが、必要経費とは上記のような事業に直接関わるものに限りませんので、「経費の本質」をしっかりと理解することで必要経費の範囲は間接的に広がっていきます。
ここではわかりやすいように、10万円 × 12ヶ月 = 120万円を「必要経費」として計算していきます。
その他、節税のための各種控除を可能な限り適用させて、それでも「課税所得」が残る部分には「経営セーフティ共済」の掛金で相殺します。
すると、以下のような形になります。
ここでは詳細については気にしないで、結論だけ把握してください。
「事業収入」の①から「必要経費」の②⑦と各種控除の③④⑤⑥を差し引くと、「課税所得」は約15万円の赤字となりますので、令和3年に納めるべき金額は以下になります。
納付するべき金額は、「所得税0円」+「住民税5,000円」+「国民健康保険料184,320円」+「国民年金保険料195,780円」+「個人事業税0円」+「消費税0円」= 合計385,100円となりました。
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節税対策を一切していないケース1(会社員)での税金・保険料は1,611,400円で、節税術を駆使したケース2(個人事業主)での税金・保険料は385,100円ですので、なんと122万円を超える納税額の差がついています。
年間収入における税金・保険料の割合は、ケース1(会社員)の26.8%に比べて、ケース2(個人事業主)ではたったの6.4%です。
金額としては年間122万円の差が出ていますが、この試算は決して机上の空論ではなく「しちゃおじ」が実践している節税方法そのままでもあります。
あなたが個人事業主になって「諸々の節税対策 + 自力での青色申告」を行うことで、例え年間収入が600万円あったとしても、ケース2のように税金と保険料を減らすことが可能です。
同じフードデリバリーの仕事であっても、パートやアルバイトの雇用契約ではこういった節税対策を活用することができませんが、Uber Eats配達員のように ”個人事業主” だからこそ有効に機能する方法になっています。
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それでは、ここから本編に入っていきます。
本編は【PART1】【PART2】【PART3】に分かれています。
【PART1:節税の方法】では、各種税額を算出する際の基礎となる「課税所得」を減らすための「必要経費」「所得控除」「税額控除」の重要なポイントについて詳しく解説しています。
どこにでも書いてあるような、各種控除の基本的な概要を記載しているのではありません。
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【PART2:税金と計算方法】では、個人事業主が納めるべき税金と保険料の種類と複雑でわかりにくい計算方法を簡潔に解説しています。
個人事業主になると『どんな税金や保険料が、いつ頃に、いくらほど納付しないといけないのか?』を把握することができます。
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【PART3:青色申告の方法】では、「税理士さんも会計事務所も不要!年間0円 or 1,280円で青色申告をおこなう方法」をご紹介いたします。
例えば、税理士さんに毎月3,000円の記帳代行費用と年1回30,000円の確定申告費用を支払っている場合、年間費用は66,000円になります。
しかしながら、この章を読んでいただくことで税理士さんや会計事務所は不要となる可能性が高いため、今後は自力で青色申告を行っていくことで確定申告にかかる年間費用を 0円 or 1,280円 に抑えることができてきます。
また【PART3】には、おまけとして「コラム」を2本つけました。
「コラム1」は、税務調査が怖くなくなる「売上」と「経費」のポイント解説です。
結局のところ、税務会計でしっかりと意識するべきポイントはたったの1つであることがわかります。
「コラム2」は、個人事業から法人成りへの最大のメリット・デメリットを解説します。
これは「しちゃおじ」が8期の法人経営の現場から得た知見であり、おそらく一般書籍やネット記事を探し回っても、どこにも書いていない内容です。
この「コラム2」を読まれることで、『なるほど事業者とサラリーマンは、こんなにも住む世界が違うのか?』と驚かれるかと思います。
それでは、【PART1:節税の方法】から本編をお楽しみください。
【PART1】【PART2】【PART3】と順番に読み進めていただくことで、より内容が理解しやすい構成になっています。
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【PART1:節税の方法】
(2) 事業収入 - 必要経費 - 所得控除 = 課税所得
それでは、まず各種納付額を算出する際の基礎でもある「所得税」の計算式から見ていきましょう。
この計算式をしっかりと理解することが、節税対策の第一歩です。
【PART1】【PART2】【PART3】と本編が続いていきますが、以下①~④計算式の『どの部分について話をしているのか?』を常に把握しながら本文を読み進めてください。
でないと、文章の意味が ”ちんぷんかんぷん” になってしまいます。
上記の計算式を見ていただいた通り、「事業収入」に対して「必要経費」と「所得控除」が大きければ大きいほどに「課税所得」は小さくなります。
「課税所得」を小さく抑えることができれば、累進課税方式である「所得税率」は小さくなり、納付するべき「所得税」「住民税」も小さくなります。
「課税所得」が0円を下回りマイナス(赤字)になれば、「所得税」「住民税」は無税(※減免制度のない自治体においては赤字であっても「住民税」の均等割が課税)になります。
では、まず「必要経費」から見ていきましょう。
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(3) 必要経費
源泉徴収をされている会社員には、経費の代わりとして「給与所得控除」があります。
個人事業主は会社員ではありませんので給与所得控除はありませんが、「必要経費」を計上することができます。
必要経費とは、事業に直接的・間接的に関わる費用のことで、あなたの事業に関わっている費用であれば「必要経費」と成り得ます。
ところが世間では『○○は経費になるが、〇〇は経費にならない!』といったように、「必要経費」を第三者の視点から言及している情報で溢れかえっています。
市販の書籍を買い漁ってみても同様で、差し障りのないような内容か過去の判例を元に、あくまで第三者の視点で「必要経費」を説明しています。
ところがあなたの事業目的や事業内容を、あなた以外の人間が正確に把握することは不可能です。
つまり、税理士さんも税務調査官も、あなたの事業に関する「必要経費」を決定することはできません。
『そうは言っても、以前に国税庁から7,500万円の申告漏れを指摘された元野球選手がいましたよ! カツラは経費になるけど、植毛は経費にならないって!』
はい。まずはこのあたりの例に触れながら、「経費の本質」について述べていきたいと思います。
本当に「カツラは経費になって、植毛は経費にならない」のでしょうか?
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