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【「創作らくご」福笑が創作でトリ!7月15日(月祝)14:00~16:00春風一刀 柳亭信楽 弁財亭和泉 笑福亭福笑 #シブラク】

文:とも朕 Twitter https://twitter.com/sowaka2020 (ともちん。シンガポール育ち、帰国子女。映画、海外ドラマ、落語、読書が大好き!映画などの感想レビューもポストしてます)

7月15日(月)14:00〜16:00
「渋谷らくご」

大阪弁で語られる陽気な上方落語が大好きです。天神天満繁昌亭に行ってみたいものだ、と思っていたら、何と今日は上方から福笑師匠が登場!しかも、創作しばりの会で楽しそう。

古典も良いけれど、今を生きる落語家さん達が創るお噺は、共感できたりして面白いですよね。

東京勢からは、創作らくご大賞受賞の信楽さん、鋭い人間観察力がハンパない和泉師匠など豪華メンバー。春風一刀さんは初めまして、です。どんな噺家さんなんだろう?楽しみです!

春風一刀(はるかぜ いっとう)「聖職者/存在感」

柳亭信楽(りゅうてい しがらき)「めぐみさん」

弁財亭和泉(べんざいてい いずみ)「夏の顔色」

笑福亭福笑(しょうふくてい ふくしょう)「コスプレ」
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春風一刀さん「聖職者/存在感」

中華料理で一杯やるのが大好き、という一刀さん。「今日は豪華メンバー、私は前菜。前菜はピータンとクラゲ、二品あった方がいいでしょ?」ということで、今日は短編二本立て。

前半は、先輩教師が新米教師を「え、え、知らないのぉ?ないない、ないわ~」と、ひたすらディスる、ゆる~いお噺「聖職者」。

おはぎのつぶあんとこしあん、こしあんからの(ケビン)コスナー?で、ボディーガードのホイットニー・ヒューストン、映画の話になり金曜ロードショーに日曜日洋画劇場、水野晴郎、高島忠夫、 淀川長治と続きます。ここまで、ほとんどが故人、若い人は当然知らないですよね。一刀さん、まだ30代なのにシブいー。

後半は、飲み会にいるのに誰も気付かないほど、存在感の薄い同僚·地味くん。話してみると結構面白い人だと判明。タバコはエコー、お酒はホッピー、大学は東大卒、実家は千代田区で今は千歳船橋住み、と次々と明かされる彼の情報。「気になりますぅ〜?僕はねぇ〜」と上目使いで展開する不思議な会話。なんか独特なテンポと世界感で、「セトウツミ」みたい。

「一刀」という勇ましいお名前でも、実は癒し系なんですね。

柳亭信楽さん「めぐみさん」

温泉宿に投宿し集中して創作を行うという、文豪みたいな信楽さん。

今日は夏にピッタリ、怪談です。
肝試し配信のため、山に来たユーチューバーの二人組。そこは「めぐみさん」という女性が殺され埋められた場所。配信中に幽霊は現れなかったものの、帰宅後に「。。私、めぐみ。今、駅に着いた。。」と怪しい電話が!このまま、幽霊は家に来てしまうのか?取り憑かれてしまうのか?

ハラハラしてしまう展開ですが、この幽霊のめぐみさん、道に迷ってしまったりするのが笑いのポイント。

このままのオトボケで終わるのか?と思ったら、最後はしっかり怖かった!

笑いあり、ホラーあり、引き込まれる感じが「実話怪談」風で面白かったです!

弁財亭和泉師匠「夏の顔色」

創作レジェンド·三遊亭円丈師匠著「ろんだいえん」に感銘を受けたという和泉師匠。「落語を創ることは、落語を知ること」だそうです。私も読んでみたい!

毎年8月、谷中の全生庵で行われる圓朝忌。奉納落語の披露に円丈師匠が選ばれた時、数々の有名な作品を生み出した圓朝師匠のお弔いには円丈師匠こそふさわしい、と感じたというのが、印象的な夏の思い出だそうです。

というわけで、今日は夏休みの物語。パパの実家の田舎で過ごすことになった一家。この里帰りについて、それぞれの思惑があり、違う視点でお噺が展開します。

ノスタルジーに浸りたいパパ。良い嫁を演じ、スローライフに憧れる(ふりをする)ママ。お小遣いというインセンティブのため、可愛い孫を演じる男の子。

受け入れる側も、可愛い息子や孫に会えると手放しで喜んでいる、わけではありません。田舎のジイジとバアバを演じるのがしんどそうな両親。ノスタルジーを壊さないように最新のiPhoneやiPadを隠し、WiFiも切っておく徹底ぶり(こんな田舎にネットなんかないよー、を演出)。

皆、何となく「めんどくさい感」を漂わせ、それぞれが演じる夏を満喫する姿に、共感できました。家族のイベントなんて、こんなものかもしれませんね。

私も、今ほどインバウンドが一般的ではなかった頃、シンガポールから外国人のトモダチを連れて里帰りしたら、日本の親戚たちは歓迎してくれた一方、困った感満載のオーラを出していたのを思い出してしまいました。。

笑福亭福笑師匠「コスプレ」

「大阪から来ました〜」とニッコリ。福笑師匠のお茶目な笑顔を見るだけで、もう楽しい気分に。

先ずは、まくらで最近の出来事を次々と切って行きます。都民ではないけど、都知事選には注目していたという師匠。でも、何で開票率0%で当選確実なの?と、私も同じことを思っていました。政治から裏金問題、そして産地偽装問題へ。偽装といえば、化粧やカツラ、カニカマやマツタケ風味のお吸い物も、みんな偽装ちゃう?とバッサリ。

というわけで、今日のお噺には偽装ならぬ女装の男が登場します。
突然「今日から女として生きるワ」と金髪の女装を始めた男。夢はセーラームーンで悪者退治。オトリになって、公園に痴漢を捕まえに行きます。ところが、そこで強盗にあってしまうのです!

「サバイバルナイフで刺したる!」 →「3倍になる財布?」
「俺ビンボーやから強盗やってんねん」→「でも3倍になる財布、持ってんでしょ?」→「サバイバルナイフや」
と、トボけた会話が何回もループする場面では、お腹が痛くなるほど笑ってしまいました。

せっかく女装しておしとやかなフリをしていたのに、とうとう「セーラームーンじゃー、このボケー!」とスゴんで、やっつけてしまうところが爆笑のピーク。

登場人物の強烈キャラを見事に演じきる、福笑師匠だから出来る技。濃いソース味のアツアツお好み焼きを頬張ってしまった様な満足感です!

ところで、(ニキータやレオンの)リュック・ベッソン監督の最新作「ドッグマン」でも、女装のヒーローが活躍していました。最近は、ヒーロー像も多様化しているようですねー。

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