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続・浦和レッズの強化戦略について考えてみる

秋春制の契約の区切りである6月30日が近づいてきて、だいぶ情勢が動いてきました。そのあたりを振り返りながら、改めて色々考えてみます。


移籍ニュース

酒井とショルツについては以前から報道がありましたが、岩尾については驚かされました。いずれの選手も怪我などはありつつもまだ十分に出場機会がある立場で、いわば「競争を諦めた」というようなものではないだけに、それぞれの決断の重さを感じさせます。

それにしても、年齢が上の方の選手がごっそりいったな、という感はあります。

浦和レッズ年齢順選手リスト(24歳付近以上のみ)

興梠や宇賀神にしても、昨年末の段階で「引退も考えた」というコメントもあるだけに、本格的にチームの若返りが進みそうです。

そういったところに発表された二田(20歳)の加入はそういった流れに沿ったものでありそうです。

一方でソルバッケンの退団については、ずいぶんとタイミングが遅かった気がします。それも例えば、6/22の第19節鹿島戦への出場はともかく、続くミッドウィークの6/26名古屋戦にまで出場しているあたりを見ると、本当にここ1〜2日まで検討して決断を保留していたのか、という感じがします。チーム事情も他の選手のコンディションなんかもあって単純には言えないのですが、例えば名古屋戦の際にすでに退団を決めていたとしたら、後の試合につなげるためにもヘグモ監督は試合開始時点では健在だった同じポジション(ソルバッケンと武田はのちにポジションを入れ替えますが)の前田直輝を先発で使ったであろうと思うからです。

Football Managerでも毎回ローマには受け入れられても、本人に振られるので、評価的には当然、といった感じなのかも知れませんが、皮肉にも成績が振るわなかったために可能性が増えたのかな、と私は思っています。
また、レッズの買い取りは6/30のレンタル契約終了までに決まらなければいけませんが、ヨーロッパ方面の移籍商談はこれからなんですよね。EUROがある程度終わらないと動けないようなところもあるでしょうし。
その辺りのタイミングの悪さもあったかも知れません。


戦力分析

移籍ニュースを受けて現状

ポジション別選手リスト(6/29版)赤字は夏のウィンドウでの加入

ポジション別にみてみましょう。
GKはどういう評価をするにせよ、3名というのは最小数です。何か他のポジションの選手を増やそうにも、3人より減らすことは現実問題としてできません。
例えば西川に不安がある、などの理由で4人目を獲得しよう、ということはできますが、全体の選手枠を考えればそれはどうみても優先度が低いでしょう。

右サイドバックはやはり薄いですね。渡邊凌磨を右に移す、関根をSBとして起用する、宇賀神を右で使う、などの方策はありますが、恐らく7/14の第23節京都戦後に、第24節札幌戦、予選GLを突破すれば第25節柏戦、第26節鳥栖戦あたりまで大畑がパリオリンピック代表で離脱して欠場するでしょうから渡邊をホイホイ動かすことも難しくなりますし、関根も復帰したらすぐに怪我をした状況で無理をさせるのも難しそうなことを考えると、やはり補強は欲しい感じです。
U-16代表に選ばれた高2の薄井君を二種登録で使うことはできるかもですが、流石に公式戦本番で使うことを前提にはできないでしょう。

センターバックは鹿島戦での不手際など佐藤には怖いところは確かにあります。が、そもそもショルツのレベルの選手を代役で獲得しようにも、日本人ならそれは冨安だの伊藤洋輝だの板倉だのといった日本代表レベルの選手ですし、その辺は年齢によってはヨーロッパの強豪クラブが手を出すレベルですから、流石に届きません。では外国籍選手というと、ショルツとソルバッケンが抜けても外国籍選手は4人おり、残りの1枠をDFに使うか?と考えるとちょっと…、という感はあります。
個人的な好みではありますが、同じポジションの全ての選手を外国籍選手で賄うのは、チーム全体を考えた場合バランスが悪いと思っていて、2つのポジションを一つは外国籍選手、もう一つは日本人選手、という状態は悪くないんじゃないかと考えます。
じゃあ来年CWCで日本人DFが強豪クラブの強力なFWに太刀打ちできるのか?と言われると不安はあるのも間違いないのですが。

左サイドバックはどうでしょう。ここ数試合は中盤の選手の故障で、渡邊凌磨を中盤に上げざるを得なくなり、大畑を起用することで人数的な余裕は少なくなっているのは事実です。大畑はまた、前述のように五輪で3試合程度は離脱することもあります。
選手枠的には、抜けた酒井、岩尾、ショルツ、ソルバッケンから、加わった二田を差し引いて+3枠というのが残りの(25名枠とした場合の)選手枠です。
1〜2枠はチームの武器となるウィングかインサイドハーフ、1枠は右サイドバックと考えると、ここは純粋に優先度順的で難しいところはあるんじゃないでしょうか。

アンカーはグスタフソンがいつ復帰するか、というのと安居がインサイドハーフとしても起用されることを思うと、実は余裕はあまりありません。が、ここも優先順位的に後回しでしょう。

インサイドハーフは例えば中島や武田をウィングで数えていることもありますが、怪我人もあってちょっと質量に薄いポジションです。昨今は伊藤敦樹をボランチに下げてダブルボランチで使うこともありますし、質のいい選手をここに置けるとグッとチーム全体の質が上がると思います。

左右のウィングは記した6名のうち武田を除く5名が程度はそれぞれですが怪我という状況になっています。逆にいうと怪我人が復帰すれば人数過多になりかねないわけですが、やはりCWCを考えたらここにソルバッケンの代わりになるような一番いい選手が欲しいところです。

センターフォワードはリンセンが復調してきたこともあって、人数的には充実してきました。ただ、外国籍選手枠のためにチアゴかリンセンかどちらか一方しか使えないということになることもあるので、そこに試合のペースを変えられる(チェイスで、あるいは裏抜けで)二田の加入で穴はなくなった感はあります。

結論

ということで、守備寄りの主力選手が3名(+ソルバッケン)抜けたのにも関わらず、欲しいのはウィングかインサイドハーフ1〜2名(うち1名は外国籍枠を投じても相当強力な選手)、右サイドバック1名ということになりました。
おかしいですかね?