公募mixで気にしている事

はじめまして、愛知で活動しているShibinaと申します。
この記事はあどるさん主催のDJVJアドベントカレンダー(https://adventar.org/calendars/7358)への記事となります。

簡単に自己紹介ですが、音楽ゲーム(以降"音ゲー"と呼びます)の曲を中心にDJをさせて頂いています。 公募で採用して頂いたイベントも結構多く毎回ありがたく思っています。
本記事は主に音ゲークラブイベント(以降"音クラ"と呼びます)目線での内容となります、他界隈ではどうか分かりませんが少しでも参考になればと思います。

本記事は以下の流れになります。
1.公募にトライするにあたって
2.mix録る前にやる事
3.mixの構成を考える
4.最後に

1.公募にトライするにあたって

自分が音クラの公募にトライする際に掲げている言葉があります。
それは「"スキマ産業"での"就職試験"」です。
なぜそのような事を思っているのか、2つの単語から説明します。

まず先に就職試験から、この言葉には2つ意味を含ませています。
1つはメンタルケアです。
音クラにおいて公募を行うと大体10件くらい集まります、20件行くと多いなって感じるレベルです。
その中で1~2枠を争う訳なので採用されるのは当然厳しいです。
なので就職試験と思う事で落ちた時の気持ちを和らげるようにしています。

就職試験にはもう一つ意味があるんですが、それはスキマ産業と合わせてこの後の項目で説明します。

2.mixのコンセプトを決める

公募mixのコンセプトを決める際に、2つ意識している事があります。
1つ目は「イベントの雰囲気を出来る限り捉える」です。
就職試験と例えるもう一つの理由がこれです。
トライする、そして出演するかもしれないイベントの雰囲気が分からなければ逸れたmixを提出してしまい採用される可能性が下がってしまうと思っているからです。
イベントの雰囲気を捉えるなら、本来可能であれば現地に行って体感するのが一番です。
ただご時世もありなかなかいけない時代、その時はTwitterでハッシュタグを追いかけて少しでもイベントの雰囲気を捉えようとしています。
またmix録る際に選曲する時の重要な情報にもなるので、事前知識として調べてイメージを膨らませる様にしています。

2つ目は「被りにくそうなコンセプトを見抜く」です。
イベントの雰囲気を捉える際に出演したDJのセットリストが挙がっている事があります。
そういった情報を基に、どういった部分が穴なのかを見抜いてmixのコンセプトを決めています。
これがスキマ産業と例えている理由です。
ここで言うコンセプトは曲のジャンルや機種(メーカー含む)などの事を指します。
ジャンルだとHardcoreやEurobeatといった切り口や、ボーカロイドや東方アレンジ、VTuberの曲といった切り口など様々あると思います。
機種だとK社はもちろんですがS社やT社、今だとスマホ音ゲーもあると思います。

実際には上記2つに加えて、他と差をつける為に自分らしさを追加してmixのコンセプトを決めていきます。
ただここで注意すべきポイントがあります。
それは自分らしさを表現するあまりにコンセプトを傾けすぎない事です。
あまり自分よがりなmixにしてしまうとお客さんを置いてけぼりにしてしまいます。
あくまでイベントですのでその辺は程よく盛り込んで全体のバランスを取るように気を付けています。

次は自分が実際に公募採用された例を用いてmixの選曲について説明していきます。

3.mixの選曲をする

実際に公募採用された「Anything goes」さんへ送った公募mixを例に、題目2の補足も兼ねてどういった考えで選曲するのかを説明していきます。

これが実際に自分が送った公募mixになります。

セットリストはこちら。

イベントの雰囲気として「ある程度は版権曲もいける」「音ゲー未収録の曲も若干流れる」「Hardcoreが少し多め」と自分は捉えました。
そこから導いたコンセプトは「ロックの曲を軸にする」「版権曲を使う」「機種は広め」でした。
ここに自分らしさである「ゴシック」という要素を追加しました。
この要素を追加した理由として、自身が青春時代にALI PROJECTや妖精帝國の曲を聴いていたのでmixで表現できると思ったからです。

ここまで決まったら後は自身が持つ曲の引き出しから1回目のリストアップをしていきます。
この際に「実際にイベント出演した時に流したい曲な何か?」を意識してリストアップしていきます。

今回のmixでいくと出演した際にウマ娘の楽曲である「Winning the Soul」を流したい思いがありました。
イベント当日ギリギリに発売される & 今回のmixコンセプトを合うのでこの曲をトリにする前提で公募mixの構想を練っていました。
ただ曲のBPMが結構早いのでそこまで持っていく必要があり、2つ目にTommy heavenly6さんの「PAPERMOON」を入れる事を決めました。
同氏の曲に過去に音ゲー収録実績ありの「pray」という曲があり、そちらと悩みましたが敢えて音ゲー未収録の方を選びました。(もし収録実績ありでしたらこっそり教えていただけると幸いです。)
そして曲の雰囲気的に繋がりそうなのが「jewely girl*」、mixを聴いた時に初手のインパクトとして「GRAMOROUS SKY」の2曲を入れることに決定。
後はmixの世界観を濃くする為の音ゲー曲をリストアップしていく、といった具合に選曲していきます。

リストアップが出来たらパズルを組み立てる感覚でセットリストを組んでいきます。
自分の場合はまずは曲の雰囲気とBPMの2点を意識して組んでいきます、それでいざ曲を繋いだ時に違和感があれば別の曲を繋ぐ、それでもダメなら別の曲を探すといった事を繰り返しています。

以上を繰り返してmixを録り、後日改めて聴き直して変なところがないか、イメージ通りになっているかを確認して公募mixを作っています。

出来たら自信を持って応募、後はお祈りです。
採用されればもちろん嬉しいですが、落ちた時はそこまで卑屈にならず1つの経験が出来たと思うようにしています。
メンタルケア、大事。

4.最後に

公募mixを考える時にギリギリまで結構悩む方もいると思います。ただ要点をおさえれば余裕をもってよりいいmixが出来ると思うのでこの記事が一つの参考になればと思います。
また公募にトライしたことで音ゲー曲の知識が広がりイベントがより楽しくなるし、ふとした時に出演のオファーが頂ける事もあるので積極的にトライしてみてはいかがでしょうか?

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