埋没費用効果について考えてみる

こんばんは。
埋没費用効果という言葉があります。

コンコルド効果ともいうらしいですね。
この名称は、初めて聞きました。以下、抜粋。


行動ファイナンスにおける認知バイアスの一種で、投資の継続が損失の拡大につながると分かっていても、それまでに費やした労力やお金、時間などを惜しんで投資がやめられない心理現象のこと。サンクコスト(埋没費用)効果とも呼ばれる。
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この埋没費用効果について、歴史的な事例と身近な事例で考えてみました。

まず、歴史的な事例ですが。
逆説の日本史を読んでいて、これって怨霊信仰と似ているなと感じました。

日露戦争で10万人の兵士が亡くなった。
→その犠牲の上に獲得した満州はなんとしても守らなければならない。
 10万の英霊に申し訳ない。
→結果的に大東亜戦争で300万人が亡くなった。

大東亜戦争で300万人が亡くなった。
→その犠牲の上にできた平和憲法はなんとしても守らなければならない。
→その結果、国防についてまともな対策ができなくなった日本。
 いざ有事の際には、どれほどの犠牲が出るのでしょうか。

井沢氏は怨霊信仰と表現していますが、
これって、埋没費用効果でもあるじゃないか、と思いました。
「過去の犠牲を無駄にはできない。」
これって感情としては理解できるのですが。
過去に起こった出来事はいったんおいて、
現時点でどうするべきか考える、という方がいいんじゃないでしょうか。
過去としっかり向き合うけれども、とらわれずに、現時点で必要なことをする。その方が、本当の意味で、過去の犠牲を無駄にしない、ことだと思います。
もともと人間が持っている「埋没費用効果」に加え、「怨霊信仰」が加わり、より強固なものになっているのでしょうね。

もう一つ、身近な例はコロナ関連です。
ある知り合い(友人ではありません)が、コロナが猛威を振るっていた時期(世間的にはです。僕はそこまで気にしていませんでしたが)に、このようなことを言っていました。
「自粛が長く続いているから、いい加減遊びたいとかいう人がいるけど、そしたら今までのことが無駄になる。」
僕は同意できなかったので、「はあ」とかなにか、適当に返事をしたと思います。
これも埋没費用効果じゃないでしょうか。
今までの自粛はもう過ぎたこと、これが無駄になるとかならないとかじゃなく、これからどうするべきか、のほうが大事じゃないですかね。

コロナ騒動の中での人々の行動とそれ以後の人々の行動は、本人はロジカルに考えているつもりでも、心理現象が作用している部分は大きいのではないか、と思います。

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