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マ・パティスリー2024:「パティスリー ローブ 花鏡庵」さんのかき氷たち

伊勢丹新宿店 本館6階 催物場の中心から平瀬祥子シェフへの愛を叫んだ2024年のマ・パティスリー<2024年5月28日(火)〜6月3日(月)>。
「base by L'aube」で偶然、平瀬さんにお会いした際に「10種類くらい出す予定なんです」と宣言頂いていたものの、とはいえさすがに全部は頂けないよなぁ・・・と自分のスケジュールとにらめっこした結果、初日に頂いた5種類があまりに美味しく、かつ個人的には新たなかき氷の可能性を見てしまい、結局10種類全てを頂くことに、、、でも本当に行けて良かった。
そんな全部違って全部素晴らしかった「マ・パティスリー2024」の「パティスリー ローブ 花鏡庵」さんのかき氷を全皿レビューします。
なお、当然複数日に分けて頂いており、後半には盛り付けが変わっているかき氷も多くありました。あくまで私が頂いた日の盛り付けということでご覧ください。

ウィスキー カフェ

大人の色気のある、バーで頂きたくなるかき氷。

ウイスキー カフェ

バーボン「ワイルドターキー」がスモーキーに香り、そこにエスプレッソの香り、ほの甘いティラミスのアイスに、苦みのあるキャラメルシャンティ。中にはコーヒーゼリー、ショコラのビスキュイ、上にはナッツとショコラパウダー。ショットグラスでワイルドターキーを頂けるので、お好みで味変もできちゃう。
バーボンとコーヒーの芳醇な香りのかき氷にキャラメルシャンティの柔らかな舌触り、パールクラッカンやナッツのかりっとした食感、ビスキュイのしっとりとしたカカオ感にコーヒーゼリーのぷるっと感。
冷たいのにこんなにしっかり香るかき氷は初めてかもしれません。

ブラン ネージュ

「まっしろな雪」という名前の通り、全てが白い素材で出来たかき氷。

ブラン ネージュ

「白って200色あるねん」とアンミカが言っていたように様々な食材で表現された白です。中身の構成を深く予習せずに行ったので、白にこんなにいろんな味わい・食感があるんだ!と驚き。
ソースはヨーグルト、柚子、練乳と爽やかさとわずかなコクを。中にはココナッツソルベとクレームダンジュ、下にはアロエ、メレンゲと様々な食感と味わいの濃淡が味わえ、更にライチの果肉も潜んでおり、果肉感も楽しめる一皿。それぞれの味わいがしっかり出ていたので、混ざってもそれぞれの素材がきちんと主張してきて、それでも美味しい。なんだか不思議なかき氷でした。

スリーズ ローズ

ウィスキーカフェが男性の色気とするならば、こちらは女性の色気。チェリー、ワイン、バラと赤色の組み合わせです。

スリーズ ローズ

わらび餅のもちもちっとした食感も面白く、そこにチェリーのしっかりとした食感、ローズのおとなしくも華やかなアイスに、ワインのこちらも控えめながらもふわり漂う香りが素敵で。
全体的に主張は強くないのですが、それでもしっかり香り、かつ合わさるとかき氷なのに口の中に豊かな香りがする、そんな一皿でした。

マンゴー バーベナ

手元に届いた瞬間に「わあ!」と声が上がってしまうくらい美しい飴細工にエディブルフラワーが乗ったかき氷。

マンゴー バーベナ

他のものに比べるとストレートなマンゴーとバーベナの香るかき氷なのですが、しっかりと完熟した宮崎マンゴーを使われているのはもちろん、その香りと甘さをより引き立てるような酸味とのバランスが素晴らしいかき氷でした。

メロン じゅんさい

「今回、一番ここでしか頂けないかき氷はどれですか?」と言われたら、私はこのかき氷を答えます。じゅんさいは好きですが、実はメロンはそこまでではなく、元々頂く予定のなかったかき氷でした。ある日、狙っていた「アスペルジュ ブランシュ」が売り切れてしまっており、その代わりに頼んだのですが、結果、大正解。

メロン じゅんさい

コースの前菜のようなかき氷。カマルグの塩とオリーブオイルでメロンの甘さがしっかり香り、かつじゅんさいのぷるぷる感が楽しく、下にはこれまた食感と氷より温度が高くねっとりと味わいを一段深くする蓮餅。中の雪塩ソルベのほの甘しょっぱい感じがまた素晴らしく、とても面白く美味しいかき氷でした。

フレーズ シャンパーニュ

スリーズローズがクイーンの色気とするならば、こちらはプリンセスの色気。

フレーズ シャンパーニュ

氷を食べていくと、紅ほっぺの酸味と甘みにふわりとシャンパンの香りが立つソルベの更に下には宝物のようなイチゴ飴が。ぱりっと飴の甘さと一度の酸味が立ち、幸せに。ブラックチェリーのしっかり濃いメレンゲに食感のアクセントにもなるロゼワインのわらび餅が。
「マンゴー バーベナ」のように比較的ストレートな味わいですが、苺にシャンパンという組み合わせが素敵すぎる一皿。

新茶 ハーブ

タイトルは「新茶 ハーブ」なのですが、個人的には最初の一口目で頂いたクラフトジン「ハチバン」のシロップが好みど真ん中で衝撃的だったかき氷。

新茶 ハーブ

氷なのにしっかりジンの香りがして感動。
(後半はソルベやフレッシュの柑橘が外に出た盛り付けになっていましたが)かき氷の中には爽やかな新茶とミントのソルベにレモングラスの寒天、フレッシュの柑橘(日向夏と宇和ゴールドだったかな)。

氷を食べていくと鮮やかな緑と黄色が!

ソルベはミントの爽やかさが印象的で、個人的に新茶はそこまで強くは感じず。氷なので、私の舌が鈍感になっていたかもしれません。

棒茶 大納言

タイトルとしては比較的ストレートな組み合わせながら、ありきたりからは一つや二つならず十個くらい抜けてめちゃくちゃ美味しい一皿。白玉あんみつ氷(勝手に命名)という新たなジャンルな気がします。

棒茶 大納言

シャンティショコラのなめらかでコクのある美味しさと、スペキュロスのやさしいスパイス感、そこに棒茶の香ばしい香りがまあ合うこと。時々大納言の餡と一緒に頂くと、ほっくり感が加わり、一段深い味わいに。そこにもちもちの白玉が美味しくて。餡と白玉の温度が氷に比べると高いので、舌が馬鹿になりづらいのも有難かった…。シャンティショコラと棒茶シロップが氷を介して絶妙に合うので、通常のあんみつではなく、これはかき氷だからこそ出来る組み合わせだなぁ、と個人的には思いました。本当に美味しかった。

アナナス バジリック

とても爽やかで酸味と香りの美味しい一皿。

アナナス バジリック

バジルの青さとパイナップルの持つ青さがとてもよく合い、個人的に今回一番爽やかだと感じた一皿でした。ココナッツソルベとクリームチーズ餅のコクがアクセントとなり、ぐっと深みが。個人的にヨーグルトと練乳はそこまで感じませんでした。

アスペルジュ ブランシュ

冷製の白アスパラガススープをかき氷にしたらこうなるのでは?という一皿。

アスペルジュ ブランシュ

なんとオリーブオイルのアイスクリーム以外、お砂糖は使われていないそうです。そのオリーブオイルのアイスですら、たぶんお砂糖はわずか。それでも白アスパラガス自身が持つ甘みと、それを更に引き立てる塩胡椒と鳥節のソースで最後までさらっと美味しく頂けてしまいました。
点数が少ないこともあり、食べられないかと思っていましたが、最後の最後に食べられて良かった。

昔、かき氷を食べ歩いていた頃は果実シロップもしくはエスプーマというような時代でしたが、今やかき氷でこんなに色々な味わいを表現できるとは。個人的にはどれも今まで頂いたことのない組み合わせ、食感、味わいのかき氷で心から感動しましたし、どれも本当に美味しかったです。
素晴らしい十皿十色のかき氷でした。平瀬さん、スタッフの皆様、素晴らしいかき氷をありがとうございました!

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