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時間の経過とともに、じわり喪失感と寂しい思いが強くなってくる。ネットを見るたびに、様々な方々の悲しみのコメントが目に入って来るからだろうか。

テレビの向こうのお笑い界の偉人を、こんなにも身近に感じていたとは自覚できていなかった。そんな自分自身に驚き、途方に暮れている。


親も学校も厳しかった幼少時代。

そういえば辛いことがあっても、土曜日の夜8時が近づいてくると、いつもワクワクした。志村けんさんとドリフのみんなが繰り出す、予想もつかないコントを観ると必ず笑顔になれた。

「最初はグー!」って、考えてみるとすごいよなあ。たった一言付け加えるだけで「ジャンケン」にリズム感を与え、ただの勝敗を決める作業を、楽しいイベントに変えてしまう。

志村さんが企画した「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」の「おもしろビデオコーナー」。
視聴者が作った面白い自作映像を公開するというものだが、あれ、楽しかった。
まだビデオカメラも普及しきっていなかった頃だから、応募者にTV局がカメラを貸出しするサービスもあった。
これって、凄い。モロにYouTubeのはしりではないか。

貰った笑いの数を数えてみてもキリがない。
子供の頃に受けた恩というのは、胸のどこかにしまわれていて、いくつになっても忘れないものなのだ。

現在は、新型コロナの影響で、観光や飲食業はもちろん、俺のいるプラスチック業界も危機的状況にある。正直このところ、娯楽に意識を向ける余裕がなくなってきているかも知れない。

それでも、一日の戦いを終え一息つくとき、癒してくれるものは、エンタメしかない。弱ったとき、世界ってオモシロイぞ。思ったより悪くないぞ。そう囁いてくれる。

このウイルスには、じわじわと人々から笑顔や娯楽を奪う力があるのではないか。こんな形で希代のエンターテイナーを亡くしたことで、そんな考えが浮かんで来てゾッとした。

しかし、たとえ未知のウイルスであれ、どんな敵にも負けずに立ち向かって行くためには、決して娯楽を、笑いを忘れてはいけない。

子供の頃からのヒーローが、ずっと教えつづけてきてくれたことだ。

志村けんさん。あの頃元気をくれて、また次の月曜日に学校へ行くやる気をくれて、有難う。

心よりご冥福をお祈り致します。

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