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偶然のような必然。運命の流れの中で世界を「繋ぐ」架け橋に。

「オレンジやピンクのオーラを纏い、周りに笑顔をもたらす人」
これが、初めて彼女に出会ったときの印象です。周囲の人を無意識に魅了してしまう彼女は中国の北京で生まれ育ち、現在は世界一周船のスタッフとして働いています。偶然のような必然の連鎖で繋がった出来事、そこで生まれた人との繋がりを大切にする「ズシンちゃん」に今回はフォーカスします。

このインタビュー記事はキャリアスクール “SHElikes”の10期海外コミュニティのメンバーをインタビュー取材したものです。 海外の魅力に触れたメンバーの紹介を通して、この記事を読んでくださるみなさんが少しでも海外に興味を持ってもらえるきっかけになれば幸いです。

SHE:SHElikesの略称 SHEメイト:SHEの受講生 サポ隊:コミュニティサポートメンバー CP:コミュニティプランナー


ズシンちゃんのプロフィール

北京生まれ北京育ち。中国の大学にて日本語を専攻した後、大学4年生の頃に交換留学プログラムで金沢へ。札幌の大学院に進学し2年半の大学院生活後に国際交流のクルーズ船スタッフとして日本にて就職。


学ぶならば「楽しく!」~今に繋がる幼少期~

ー子供時代のズシンちゃんについて教えください。

 中国と言えば社会問題に挙げられるほどの『学歴社会』というイメージもあるかもしれませんが、私はどっちかというとポジティブで楽観的なタイプだと思います。
 なぜなら、私の父が勉強よりも「楽しさ」を重要視する人だったからです。たとえば私がテスト勉強で疲れている時は、大切な試験前にも関わらず私を公園へ誘い、決して無理やり勉強させることはしない父でした。
 私のポジティブさや楽観的な考えは父から受け継いだものなのかもしれません(笑)
 どんな時も明るい家族に囲まれていたからこそ、日本での留学に挑戦できたり、社会人になって世界一周をしたりと自由に過ごせているのかもしれません。

ーやはり中国は『学歴社会』なのですね。

 はい。私はエリートな学校に行っていたわけではないですが、進学の際の試験の競争率はやはり高いと思います。小学校の入学試験で小学校3年生が学ぶ範囲の問題が出題されるような先取学習スタイルの中国です。高校が就職に関わったり、大学入試は人生における一大イベントです。THE学歴社会という流れですね。ですが、私は緊張しすぎたのかいつも通りの力を大学入試で発揮できず不合格となりました。一番行きたかった学部には行けなかったですが、この経験も今の私に繋がる1つの思い出です。

ー経験は財産だよね。今までの人生の中で分岐点となるような出来事はありましたか。

 やはり日本への留学が大きな分岐点です。私は人生の計画を立てるようなタイプではなく、ずっと自由に生きるタイプだったんです。将来の夢もコロコロ変わるような感じで(笑)
 でも海外で一人で暮らす経験を積んだこと、頼る人が自分しかいない環境で暮らすことで決断力が強くなりました。それと同時に自分の将来について考えるきっかけにもなりました。

ズシンちゃんとお母さん

孤独と不安の中の温かさ~日本での留学~

ーなぜ交換プログラムに参加しようと思ったのですか。

 偶然のような必然が続いたことが大きな理由です。
 実は、高校生の頃はジャーナリストになることを夢見ていました。ですが、第一志望の学部の合格点に届かず…。その夢を諦めようと思っていた時に大学から「日本語学部なら入学できるよ」と声がかかりました。日本語を本気で学ぼうという思いこそなかったものの、交換プログラムが充実していたことから入学を決めました。
 さらに、私が小学生の頃、父が日本で6年間仕事をしていたという過去もあり、日本は遠い国というイメージもなく、そこから日本との繋がりは始まっていたかのようにも思います。
 交換プログラムでは金沢大学を選びました。出身が北京ということもあり、大都市に憧れがなかったことや、日本語の授業を担当してくれていた先生が金沢の出身で、金沢の魅力をよく私たちに伝えてくれていたことから「金沢」にしました。

ー金沢、良いところですよね!そこでの生活について教えてください。

 キャンパスの中にある寮で日本人学生2人と留学生6人の計8人で生活していました。この1年間を一言で表すなら「繋がり」です。
 中国では実家から近い大学に通っていたということもあり、頼れる家族が常に側にいてくれました。しかし、留学中は1人で孤独や不安と向き合わなければなりませんでした
 そのような環境の中、留学生2人と温泉街に遊びに行ったとき温かい出会いを経験したんです。たまたま同じ温泉街に遊びに来ていた地元のおばあさんが声をかけてくれ、私たちが金沢大学の方から遊びに来ていると話すと「乗り換えもあって大変でしょ~」と車で寮まで送ってくれたんです。小さな出来事かもしれませんが、知り合いの少ない土地で暮らす私にとってとても心温まる時間でした。その方とは今も繋がっていて、お互いの近況報告をし合っています。

ー素敵な繋がりですね。日本語力はやはり留学で伸びたのですか。

 いえ、金沢への留学の時は「伸びた!」という感覚よりも「伸び始めたかな?」という感覚に近かったです。当時、コンビニでバイトをしていたので様々な人に予想もできない質問をされたことで、日本語をしっかり学ばなきゃという気持ちが芽生えました。日本語力が上がったと感じたのは大学院生時代を過ごした札幌です。札幌では百貨店で顧客担当のバイトをしていした。プライベートな会話で自然な日本語の流れを学びつつ、百貨店店員として丁寧な敬語を求められたので、そこで最も日本語力が上がったと思います。

ーネイティブレベルの日本語を話すズシンちゃんですが、ズシン流!言語力を上げるポイントは何かありますか。

 アウトプットの場を自分で作ることですね。座学で学ぶだけでアウトプットする場所がなければ、モチベーションを維持することも難しいと思います。周りに流されるのではなく、目標をもって自分で努力の継続ができる環境を作ることが大切です。
 ちなみに私は今、K‐POPが好きなことから派生して韓国語を勉強しています。中国語、英語、日本語を習得し、現在4つ目の言語を習得中です!

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コミュニティを通して世界を繋ぐ~未来に向けて~

ー今後のVISIONについて教えてください。

 今の仕事はとても楽しいのですが、体力的に考えると続けていくのは難しいのかなっと考えています。ですが、今のお仕事で感じた「人との繋がりの素晴らしさ」や「国際交流で広がる視野」を今後に活かしていきたいと思っています。
 具体的には、お互いの理解が深まるような場所の提供をし、そこから国際交流が広がってくコミュニティを作ることに価値を感じています。小さなコミュニティでも良いのですが、ゆくゆくは自然豊かな環境で古民家をリフォームし、海外の人や学生が一緒に生活して交流できる場所を作りたいと考えています。旅行から一歩踏み込んだコミュニティ作りを実現させたいです。

ー素敵なVISIONを持つズシンちゃんがSHEに入会したきっかけは何ですか。

 コロナブランクの時に、周囲の友だちが転職をしたり人生のステップアップをする姿を見て、自分自身の今後を考え始めたのがきっかけです。このままコロナが続いたら…と不安になり、自分自身のスキルを高めつつ、今の収入もアップさせたいと思い入会しました。入会した今は、もっと早く入会したら良かったな~っと思っています。

ーコロナブランクで幅広い働き方が実現しましたよね。現役SHEメイトさんにメッセージをお願いします。

 私はよく拠点に行くときにシールの色を見て「私だけ(入会期間が)長いシールだ…」と気が引けることがあります。他にもコンペに落ちて落ち込んだり、比較のしやすい収入や実績でマイナスな気持ちになることもあります。  ですが、最近は考え方が大きく変わりました。他人と比べやすいところだけを見て落ち込むのではなく、自分自身へのフォーカスの仕方を手に入れていくことが大切だと感じています。実際、私はSHE歴は長いですが実績としてはそこまでありません。でも考え方が変わったことで、未来に向き合う時間も増え、自分自身が本当にやりたいことは何なのかを真剣に考えるようになりました。ドリームマップで思考の言語化をすることで今の自分が求めているものを知ることもできますし、SHEで頑張っているだけで素晴らしいと自分を褒めてあげてください。
 このインタビューの中で実は気づいたことがあって、私は「苦しい環境を自ら選んで楽しむことが好き」なのかもしれません。「不安かも」と思った時こそ飛び込んでみる!挑戦しないとそもそも結果は出ないし、神様はのりこえられない試練は与えない!ポジティブマインドでどんなこともやってみることを心からおすすめします!

ーポジティブマインドで今期は海外コミュニティサポ隊としても活躍していましたね。

 私が10期の海外コミュに挑戦できたのは、9期のサポ隊さんやCPさんたちがいたからです。彼女たちがたくさん発信をしてくれたことで今の私がいます。そして、私を受け入れてくれた10期海外コミュの皆さんにも感謝しています。
 サポ隊になれたことで、アウトプットの場所を作ることができました。コンペだと一度落ちるとかなりへこんだりしますが、コミュニティではいろんな作品を作りつつ様々な意見を貰うことができます。その中でブラッシュアップすることができ、実際に働いた時と近い感覚で作品作りをすることができました。ポートフォリオも並行して作れるので参加しようか迷っている人には絶対におすすめしたいですね。

世界一周船内でハワイイベントの司会をするズシンちゃん
洋上夏祭りの思い出

あとがき


言葉の節々にはその人の「ひととなり」が出ると言われています。人や環境、家族や自分自身に「感謝すること」を忘れない彼女と過ごした1時間のインタビューで私は沢山の気づきを得ました。環境を変えることは難しく、既に出ている結果を変えることも難しいことです。しかし、それらに対する捉え方を変えることは誰にでもできます。彼女の明るさの合間に潜む揺らぎのない強さは何事にも真摯に向き合い、もがきながら乗り越えてきた彼女だからこそのものでした。これからも彼女の活躍から目が離せませんね。

インタビュイー:ズシン
執筆:JASMINE
バナー制作:ズシン


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