コラッツ型の数列のシフト関数について
コラッツ型の数列
数列$${\{a_n\}}$$がコラッツ型の数列であるとは、$${a_n}$$が偶数のときに$${a_{n+1}=a_n/2}$$となり、$${a_{n}}$$が奇数のときに$${a_{n+1}=3a_n+1}$$となる数列のことをいいます。
数列$${\{a_n\}}$$がコラッツ型であれば初項の値に関係なく、ある自然数$${N}$$に対して$${a_{N}=1}$$となるだろういう予想があります。これはコラッツ予想とよばれていて、懸賞金がかかっています。
数列$${\{a_n\}}$$に対して、関数$${f(x)}$$がこの数列のシフト関数であるとは
$$
f(a_n)=a_{n+1}
$$
を満たすことをいいます。
この記事では、コラッツ型の数列のシフト関数を明示します。
関数の明示
まずは次の関数が存在することを仮定しましょう。
$$
g(x)=
\begin{cases}
1 & \text{if $x$ is odd,}\\
0 & \text{otherwise.}\\
\end{cases}
$$
このとき、
$$
f(x)=\left(\frac{5x}{2}+1 \right)g(x) + \frac{x}{2}
$$
は、コラッツ型の数列のシフト関数になります。
g(x)の例
関数$${g(x)}$$は例えば次のようにすれば得られます。
$$
g(x)=x - 2 \left[\frac{x}{2} \right]
$$
ここで$${[ x]}$$はガウス関数です。おそらく$${g(x)}$$を実現する式は、この他にも多くあるでしょう。
先ほどの式と合わせれば、
$$
f(x)=\frac{5}{2}x^2 + \frac{3}{2}x - (5x+2)\left[ \frac{x}{2} \right]
$$
がコラッツ型の数列のシフト関数(のひとつ)であることがわかりました。
別の例
ところで、他にはどのような$${g(x)}$$があるのでしょうか。上で作った関数は不連続だったので、連続になるようなシフト関数はあるのでしょうか。
その答えはYESです。
$$
g(x)=\frac{1 - \cos (\pi x)}{2}
$$
とすれば、
$$
f(x)=\left( \frac{5}{2}x+1 \right ) \left( \frac{1-\cos(\pi x)}{2} \right)+\frac{x}{2}
$$
は連続な(もっというと滑らかな)シフト関数になります。
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