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VIVANTロスとかしてる場合じゃない。この映画を見るべき

VIVANT、終わったねえ。
しかし別班とテントが、個人的にはちょっとイメージが違った。
やっぱりこのネタといえば陸軍中野学校でしょう。

そもそも別班なるものの存在が囁かれる根拠は、戦前の陸軍に諜報を主任務とした中野学校が設立されていたという歴史的経緯から。

中野学校の学生の任務は「日本の捨て石となること」
中野学校の卒業生は広くアジア各国に派遣され、現地の住民に完全に溶け込み、基本的には日本には戻らず、アジアの発展と日本の国益のために現地に骨を埋める覚悟で散っていった。

この悲壮感とスケール感は、まさに実在したヒーローたちであり、日本版MI6でありCIAのはずだ。ところが中野学校をテーマにした作品はテレビドラマ向きとは思われなかったのか、市川雷蔵の映画シリーズ以来、なかなか作られてこなかった。僕がみたのも二十歳になってからなので当時すでに古い映画だったが、日本を列強大国から守り、列強の大国に支配され虐げられているアジアの国々の人々を救う大義には、胸を揺さぶられる思いがした。

実際、マレー作戦では中野学校の出身者たちによるF機関の活躍でイギリスとインドの連合軍を投降させ、投稿したインド兵によってインド国民軍を組織させたり、英国の支配下にあったビルマの戦いでは、やはり中野出身者による南機関が発足し、ビルマの独立を支援することになる(まーこの後インパール作戦でズタボロになるんだけど)。

中野出身者は戦後もベトナム独立戦争に協力したり、マレーのハリマオと恐れられた盗賊の谷豊を仲間に引き入れたり、ソ連の南下を防ぐため、朝鮮半島に残置謀者として残った者もいることが知られている。

この中野学校の出身者とその弟子たちが今も日本を人知れず守っているのだ、というのが元々の「別班」の噂の出所である。

したがって、VIVANTにおけるテントの方がどちらかというと、「中野学校」っぽいのだ。

つまり、モンゴルやバルカ(という架空の国)に残置諜者として残った人物が日本を人知れず守るために戦っている、という話は、割とありそうな話ではある。ただ、現実問題として活動資金の問題などもあるため、その財源がどこにあるかは不明だが、テントのような組織として残っていてもおかしくない。

ただ、実際にはそこまで中野学校寄りの話ではなかった。お茶の間の人たちが見るドラマとしては、中野学校の理想は理解し難い者なのかも知れない。

まあとにかく中野学校は一度はみた方がいい