6.『龍三と七人の子分たち』出演秘話(3) メルマガ《ウィークリーシェパード》No.6
《ウィークリーシェパード》No.6
どうも、シェパード太郎です。
今週のコラムは、先々週から書き続けている『龍三と七人の子分たち』の出演秘話完結編です。
早速ですが、どうぞ!
おさらい
助監督さんの計らいでシーンを増やしてもらえたシェパード太郎だったが、そのことで良からぬ事件に発展し、その異様な空気のまま本番に挑むことに・・・
《魔のシーン》
しばらくすると、僕の出演シーンがやってきました。
僕の出演シーンは、品川徹さん演じる早撃ちのマックがビールが遅いと怒り、それに怯えながらビールを持っていくというシーンでした。
正直、先ほど怒られた手前自分に出せる最大限の力を、いや、死に物狂いで演じなければ後はないと思い、誰よりも鬼気迫る気持ちで挑みました。
「おい!ビールが遅えよ!」
叫ぶマック、そして、顔を真っ青にして怯えながらビールを持っていく僕・・・
先ほどの影響もありビビり顔がさらに増し、それが逆にリアル感を醸し出しています。
「カット!」
恐る恐る助監督さんを見てみると、なんと、一発オーケーの合図。
夢でも見ているような安堵感に包まれる僕でしたが、撮影後、マック役の品川徹さんからこう言われました。
「なかなか良かったよ、本当に怯えている感じがして」
怯え方が・・・たしかに、それもそのはずで僕は本当に怯えていました。
品川さんの叫び声ではなく、殿に迷惑をかけないかと・・・
とにかく、それが良かったのか功を奏したようで、なんとかその日の撮影は無事終わりました。
《試写会で初めて観る》
そして、いよいよ出来上がった作品を見れる日がやってきました。
その日、映画はもちろんのこと、僕は自分が出るシーンも初めて見るということで誰よりも緊張していると、殿が優しく声をかけてくれました。
「おっシェパード、今日初めて見るのか?お前のシーン消そうか悩んだんだけどよ、一応使っておいてやったからよ」
そんなことを言われ、ホッと安堵したのと同時に暗転してからはこっそりとガッツポーズを取りました。
そして、とうとう僕の映画が、いや、間違えました、僕がちょこっと出演させてもらった映画が始まりました。
しかし、映画が始まってから早々、頭を抱えてしまうことが起きました。
自分のシーンが早く出てこないかとそればかり考えてしまい、映画の内容が全く入ってこないのです。
これの何がマズいかと言いますと、映画を見終わったあと、殿は必ず作品の感想を聞いてこられるのです。
「感想を答える自信がない・・・」
すると、そんな葛藤に苛まれ続けていると、サウナのシーンがやってきたのです。
「おい!ビールが遅えよ!」
思わず前のめりになる僕・・・
「う、うぉぉ・・・で、出てきた!?」
やけに発光した黄緑色のTシャツを着た僕が、怯えながらビールを持って出てきました・・・
しかし、そこで僕は我が目を疑うことになります。
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