MPTの解き方

1.MPTとは?

 MPTは、Multistate Performance Testの略称であり、UBEでは3時間で2問出題されます。3時間をどのように使うかは受験生の裁量に委ねられています。


2.何を使って勉強するか

 答案のフォーマットは、JD Advisingのサイト内で、テンプレ(One Sheet)が無料で提供されていますので、そちらを利用するのがおすすめです。また、問題は予備校のテキスト(BarbriであればMultistate Performance Test Workbook)だったり、NCBEや州のBar Admissionのサイトから過去問や模範答案を入手することができます。

3.答案練習すべきか

 何か暗記すれば役に立つというものではないため、答案のテンプレだけ覚えてぶっつけ本番という方も見かけますが、複数回(少なくとも2回以上)は時間を測って(答案構成ではなく)実際に書いてみるべきです。ライティングがものすごく得意というのでない限り、基本的に日本人にとっては時間が足りない試験です。そのため、どのような時間配分で、問題文を検討し、答案をまとめ上げるかのイメージを作り上げておくことが重要です。
 MPTで重視すべきは、内容的に素晴らしいものを書くことではなく、時間内に問題文の指示に従ったとおりの答案を書き上げること、です。当てはめがうまくできないとしても、あまり事実を書けていないとしても、最優先は、問題文の指示を守ることです。
 MPT対策はどうしても後回しになり、直前期で時間もなく、MBE、MEE対策に時間を割きたくなりますが、2、3回時間を測って実際に書いてみるだけでも本番での時間配分のイメージを作り上げることができますので、非常にコスパが良いです。
 以下では、実際に問題を解くにあたり、具体的にどのような順番と考え方で問題にアプローチすべきかを記載します。

4.どのように解くべきか

1)Instructionの熟読

 まず、Instruction(上司からの指示文書)を読んで、解答として要求されている事項(フォーマットと検討すべき内容)を確実に押さえます。さっと、1、2分で読んでしまいがちですが、最低5分くらいは使って熟読しましょう。早く内容の検討をしたい、と焦る気持ちは分かりますが、グッと堪えましょう。5-10分使ってしまっても、問題文の指示を理解できないで先に進んでしまうよりは100倍マシです。
 また、この段階で、答案の全体フォーマットを作ってしまうことを強くお勧めします。「XXXの請求の存否について、XXXの要件を満たすかどうか」を検討して欲しいと書いてあるのであれば、それに対応した目次を作ってしまうという具合です。これにより、終盤時間が無くなって、instructionを無視した答案となってしまうことを防げます。

2) File or Libraryの検討

 Libraryには、問題で使うこととなる法令やその解釈に関連する参考判例が掲載されており、こちらから検討するのが王道とされています。もっとも、Fileを読んでからLibraryを検討する人もいます。このあたりは個人の思考プロセス、問題との相性にも依存しますので、その意味でも複数問は問題演習をして、色々と試してみることをお勧めします。

 個人的には、Fileの中に契約書や発注書といった書証形式のものが含まれ、その解釈が問題となっていそうな場合、どこが論点なのか分かりにくいので、Libraryで論点を把握した方が理解しやすいのに対し、Fileの資料がほとんど証言形式のものである場合、Fileを流し読みして、ざっと事実を掴んで何を争っているのか確認した方がやりやすいと感じることが多かったです。

3) Libraryの読み方

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