地球の学びブログ 菱喰
ヒシクイ
ヒシクイ Anser fabalis
分類
界:動物界 Animalia
門:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱:鳥綱 Aves
目:カモ目 Anseriformes
亜目:カモ亜目 Anseres
科:カモ科 Anatidae
属:マガン属 Anser
種:ヒシクイ A. fabalis学名Anser fabalis
和名ヒシクイ英名Bean goose
ヒシクイ(菱喰[1]、Anser fabalis)は、鳥綱カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類。
分布
夏季にユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季になるとヨーロッパや中央アジア、朝鮮半島、黄河や長江流域へ南下し越冬する[2][3][4][5]。
A. f. fabalis ニシヒシクイ夏季にウラル山脈以西のヨーロッパ北部で繁殖し、冬季になるとヨーロッパへ南下する[4]。A. f. brachyrhynchus コザクラバシガン夏季にアイスランド、グリーンランドで繁殖し、冬季になるとヨーロッパ西部やイギリスへ南下する[4]。A. f. middendorffii オオヒシクイ夏季にシベリア東部で繁殖し、冬季になると中国や日本へ南下する[4][a 2]。A. f. rossicus ロシアヒシクイ夏季にロシア北西部で繁殖し、冬季になるとヨーロッパ、中華人民共和国西部、トルキスタンへ南下する[4]。A. f. serrirostris ヒシクイ夏季にシベリア北部で繁殖し、冬季になると中国や日本へ南下する[4][a 2]。
形態
全長78-100センチメートル[3]。翼開張142-175センチメートル[3]。頸部は長い[3]。上面の羽衣は羽毛の外縁(羽縁)が淡色の暗褐色、体下面の羽衣は白い[5]。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)は白い[5]。尾羽は黒く、外側尾羽や先端が白い[3][5]。
嘴の色彩は黒く、先端にオレンジ色やピンク色の帯模様が入る[3][5]。
幼鳥は雨覆の羽縁が白い。[3]
A. f. fabalis ニシヒシクイ嘴基部はわずかに白い羽毛で被われる[4]。嘴にオレンジ色の斑紋が入る[4]。A. f. brachyrhynchus コザクラバシガン嘴にピンク色の斑紋が入る[4]。後肢の色彩はピンク色[4]。A. f. middendorffii オオヒシクイ全長90-100センチメートル[3]。体型や頸部が長い[3][4][5]。嘴は細長い[3][5][a 2]。A. f. serrirostris ヒシクイ全長78-89センチメートル[3]。体型は太短く、頸部も短い[3][4][5]。嘴は太くて短い[3][4][5][a 2]。
分類
亜種コザクラバシガンを独立種とする説もある[4]。一方で嘴の斑紋や後肢の色彩がピンク色の個体がサクラバシガンA. neglectusとして記載されたこともあるが、亜種ロシアヒシクイの多型の1つとされ、シノニムとされる[4]。
Anser fabalis fabalis (Latham, 1787) ニシヒシクイ Western bean goose
Anser fabalis brachyrhynchus コザクラバシガン Pink-footed goose
Anser fabalis curtus ヒメヒシクイ Lonnbergs bean goose(ロシアヒシクイとヒシクイの中間型[4]、ロシアヒシクイの東部個体群とする説もあり[5])
Anser fabalis middendorffii オオヒシクイ Middendorf's bean goose
Anser fabalis johanseni ニシシベリアヒシクイ Johansen's bean goose
Anser fabalis rossicus ロシアヒシクイ Russian bean goose
Anser fabalis serrirostris ヒシクイ Thick-belled bean goose
生態
湖沼、池、湿原、河川、水田、海岸などに生息する[2][3][5][6]。夜間は大きな水場の中央に集まり休む[6]。食性は植物食で、草、茎、根、果実、種子などを食べる[1][2][6]。和名はヒシの果実を食べることが由来[1][2][4]。種小名fabalisは「豆の」の意で、豆を食べることが由来で英名(bean=豆)と同義[1]。
繁殖形態は卵生。タイガ(亜種コザクラバシガン、亜種ヒシクイ、亜種ヒメヒシクイ、亜種ロシアヒシクイ)やツンドラ(基亜種、亜種オオヒシクイ、亜種ニシシベリアヒシクイ)で繁殖する[4][5][a 2]。4-5個の卵を産む[4]。抱卵期間は25-29日で、ツンドラで繁殖する個体の方が短い傾向がある[4]。
人間との関係
開発による生息地やそれに伴う食物の減少、乱獲などにより生息数は減少している。日本では1971年(昭和46年)に国の天然記念物に指定されている[2]。福島潟(新潟市北区)や霞ヶ浦(茨城県)では越冬地を守るために水田の保全が行われており、ここで収穫された米はヒシクイ米として販売され、収益が保全事業へと還元されている[6]。福島潟や霞ヶ浦南側の稲波干拓地は、越冬に飛来するオオヒシクイなどを対象としたバードウオッチングで訪れる人も多い[7][8]。このうち霞ヶ浦地区では、軽飛行機などの音に驚いた場合は、約30キロメートル離れた鹿島灘海上に一時避難することが観察されている。また周辺の水田では、収穫時期が遅い飼料米の作付けが増え、稲刈り後に生えてヒシクイの餌となる二番穂が減ることによる餌不足の問題が指摘されている[9]。
A. f. middendorffii オオヒシクイ準絶滅危惧(NT)
A. f. serrirostris ヒシクイ絶滅危惧II類 (VU)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
RDB図鑑「環境省レッドリスト」より
鳥 類
絶滅(EX) 鳥類 カンムリツクシガモ
絶滅(EX) 鳥類 リュウキュウカラスバト
絶滅(EX) 鳥類 オガサワラカラスバト
絶滅(EX) 鳥類 ハシブトゴイ
絶滅(EX) 鳥類 マミジロクイナ
絶滅(EX) 鳥類 ダイトウノスリ
絶滅(EX) 鳥類 ミヤコショウビン
絶滅(EX) 鳥類 キタタキ
絶滅(EX) 鳥類 シマハヤブサ
絶滅(EX) 鳥類 ダイトウヤマガラ
絶滅(EX) 鳥類 メグロ
絶滅(EX) 鳥類 ダイトウミソサザイ
絶滅(EX) 鳥類 オガサワラガビチョウ
絶滅(EX) 鳥類 ウスアカヒゲ
絶滅(EX) 鳥類 オガサワラマシコ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ハクガン
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 シジュウカラガン
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 アカガシラカラスバト
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 オガサワラヒメミズナギドリ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 クロコシジロウミツバメ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 コウノトリ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 チシマウガラス
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 オオヨシゴイ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 トキ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ヤンバルクイナ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ヘラシギ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 カラフトアオアシシギ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 エトピリカ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ウミスズメ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ウミガラス
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 カンムリワシ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 キンメフクロウ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ワシミミズク
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 シマフクロウ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ミユビゲラ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 ノグチゲラ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 チゴモズ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 オガサワラカワラヒワ
絶滅危惧IA類(CR) 鳥類 シマアオジ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ライチョウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 カリガネ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 アカオネッタイチョウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 キンバト
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ヨナグニカラスバト
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 シラコバト
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 コアホウドリ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 セグロミズナギドリ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 アカアシカツオドリ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ヒメウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 サンカノゴイ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 クロツラヘラサギ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 シマクイナ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 オオクイナ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 コシャクシギ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 リュウキュウツミ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 イヌワシ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 オガサワラノスリ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 チュウヒ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 クマタカ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ブッポウソウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ヤイロチョウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 アカモズ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ナミエヤマガラ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 オーストンヤマガラ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ハハジマメグロ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ウチヤマセンニュウ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 オオセッカ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 モスケミソサザイ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 ホントウアカヒゲ
絶滅危惧IB類(EN) 鳥類 アカコッコ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ウズラ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 トモエガモ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ヒシクイ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 コクガン
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ツクシガモ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 アホウドリ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ヒメクロウミツバメ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ミゾゴイ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ズグロミゾゴイ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 タンチョウ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ナベヅル
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 マナヅル
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 シロチドリ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 セイタカシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オオソリハシシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ホウロクシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 アマミヤマシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ツルシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 タカブシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 アカアシシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 タマシギ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ツバメチドリ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ズグロカモメ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 コアジサシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オオアジサシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ベニアジサシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 エリグロアジサシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ケイマフリ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 カンムリウミスズメ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 サシバ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オジロワシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オオワシ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ダイトウコノハズク
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 リュウキュウオオコノハズク
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オーストンオオアカゲラ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 クマゲラ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ハヤブサ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 サンショウクイ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 イイジマムシクイ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 タネコマドリ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 アカヒゲ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 オオトラツグミ
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 コジュリン
準絶滅危惧(NT) 鳥類 コシジロヤマドリ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 アカヤマドリ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 マガン
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オオヒシクイ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 カラスバト
準絶滅危惧(NT) 鳥類 クロウミツバメ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オーストンウミツバメ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 カラシラサギ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 チュウサギ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ヨシゴイ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ヒクイナ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ヨタカ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ハマシギ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オオジシギ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オオセグロカモメ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ミサゴ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オオタカ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ハイタカ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ハチクマ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 オリイヤマガラ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 マキノセンニュウ
準絶滅危惧(NT) 鳥類 ノジコ
情報不足(DD) 鳥類 エゾライチョウ
情報不足(DD) 鳥類 オシドリ
情報不足(DD) 鳥類 サカツラガン
情報不足(DD) 鳥類 アカハジロ
情報不足(DD) 鳥類 アカツクシガモ
情報不足(DD) 鳥類 シロハラミズナギドリ
情報不足(DD) 鳥類 ヘラサギ
情報不足(DD) 鳥類 クロトキ
情報不足(DD) 鳥類 クロヅル
情報不足(DD) 鳥類 ケリ
情報不足(DD) 鳥類 チシマシギ
情報不足(DD) 鳥類 シベリアオオハシシギ
情報不足(DD) 鳥類 マダラウミスズメ
情報不足(DD) 鳥類 ダイトウウグイス
情報不足(DD) 鳥類 オオムシクイ
情報不足(DD) 鳥類 リュウキュウキビタキ
情報不足(DD) 鳥類 コトラツグミ
ヒシクイを見ていただきありがとうございます。
植物食の鳥はより一層大好きです。
ヒシクイは愛嬌があるので、カモン🦆でございます。
みな様のご健康とご繁栄をヒシクイと一緒にお祈り申し上げます。