4万円でVirtual Desktop(Quest) + Viveトラッカー(足のみ)の快適9点フルトラになろう!!
皆さんどうもごきげんよう、お久しぶりです、シェルベージュです♪
先日「Virtual Desktop(Quest) + HaritoraX Wireless(足、膝のみ)+SlimeVRで快適11点フルトラになる」という記事を出して結構な反響がありました。
その後、ハリトラを売却しましてViveトラッカー環境に移行しました!!
「おい、お前Haritoraの伝道師みたいな記事出しておいて辞めたのかよ」という声が耳に入ってきそうですが、Haritoraの性能を限界まで引き出してもやはり超えられない壁がありました。なので、潔くViveトラッカーに移行しました。気になる実際の動きに関してはこの記事の後ろにXのリンクがあるのでそちらを確認してください。
その際、Virtual Desktop(Quest)+Viveトラッカーの設定情報が錯綜しており、苦労したのでできるだけ正確な情報を記事化したいと思い記事を書くことにしました。さらにHaritoraX Wirelessとほぼ同額の4万円でViveトラッカー環境を作る方法を紹介します。
(この方法は非公式の方法です。この方法によって発生したいかなる損害も保証しません。自己責任で実施してください。なおこの記事は2024年6月の情報を元に作成されています。)
これはなんの記事
この記事を読むと以下を知ることができます。
Viveトラッカー環境をHaritoraX Wirelessと同じくらいの値段(約4万円)で実現する方法
Virtual Desktop(Quest)とOpenVR-SpaceCalibratorの正しい設定方法
Virtual Desktop(Quest)+Viveトラッカー2つで9点フルトラする方法
今回の方法はQuestでVirtualDesktopの仮想トラッカーと組み合わせることが前提です。Quest2でもQuest3でもどちらでも使えますが、仮想トラッカーが使えないPico4は非対応です。
約4万円でViveトラッカーフルトラしたい!!
「なるべく安く精度良くフルトラしたい」それはVRChatterが誰でも望んでいることですよね。ただ、精度の良いフルトラができるViveトラッカーはBSも含めて約10万円必要というのが一般認識です。確かにそれは正しいのですが、必要最低限でいくつか妥協することができればHaritoraX Wirelessと同じくらいの価格で精度の良いViveトラッカー環境を作り出すことができます。
妥協しなければならないことは以下です。
BaseStation、Viveトラッカーは中古
ここはもう中古で妥協しましよう。少なくともBaseStationは電源駆動なので劣化はありませんが、モーターがあるので経年劣化が気になる人は新品の2.0にしてください、ただし+3.5万円くらい予算が増えます。Viveトラッカーはバッテリー駆動なので劣化している可能性があるためViveトラッカー3.0新品購入をおすすめしますが+1万円くらい予算が増えます。
Viveトラッカーは足の2つだけ
とりあえず足をViveトラッカーで動かして残りはVirtual Destktopの仮想トラッカーで行います。仮想トラッカーは腰トラの動きが鈍いですが腰振りダンスしないなら許容できるかと思います。
BaseStaionは1.0として2個だけで運用する
中古品を狙うのでBS1.0✕2で運用します。BS2.0とは精度自体は変わらないといわれています。最初から2個しか設置するつもりがないなら中古のBS1.0でも十分なVive環境を手に入れる事ができます。
中古でBaseStation1.0とViveトラッカー(2018)を手に入れる
メルカリやヤフオクに張り付いてBaseStation1.0✕2とViveトラッカー✕2を手に入れてください。これは特に解説しません。なるべく状態の良さそうなのを見極めてください。
BaseStation1.0✕2 = 15,000円
Viveトラッカー(2018)✕2=26,000円
合計 41,000円 (2024/06時点)
ざっくりこれくらいの価格で入手できるはずです。
さらに価格を圧縮したい人はおすすめはしませんがViveコントローラーをViveトラッカーの代わりにして約2万円で実現する方法もあります。以下の記事を参照してください。
Quest、Viveトラッカー、OpenVR-SpaceCalibratorを正しく設定する
BSとViveトラッカーを手に入れたらBSを設置して、ViveトラッカーをドングルとペアリングしSteamVRで認識できるようにしてください。注意が必要なのはSteamVRのプレイエリア設定は必要ありません。これはLightHouse方式のHMDを使う場合に必要になる設定で今回の方法では不要です。
OpenVR-SpaceCalibratorを導入する
OpenVR-SpaceCalibratorとはQuestのプレイエリアとSteamVRのプレイエリア座標を一致させるソフトです。これがないとViveトラッカーが地面の下に埋まったりあらぬ方向に移動します。
OpenVR-SpaceCalibratorはhyblockerさんのバージョンが不具合の修正など行われているのでこちらを使用しましょう。
Virtual Desktop、OpenVR-SpaceCalibratorを設定する
OpenVR-SpaceCalibratorをインストールしたら早速設定を始めたいところですが、まずはVirtual Desktopの設定を変更しましょう。
Virtual Desktop->Streaming->「Center to play space(Stage tracking)」にチェックを入れましょう。これを入れることによってQuestのプレイエリアの初期座標とSteamVRの初期座標を一致させることができます。(コレを忘れて毎回キャリブレーションの舞が必要だと思っている人が多いんですよね…)
OpenVR-SpaceCalibratorの初回設定は以下の通りです
Virtual DesktopからSteamVRを立ち上げる
Viveトラッカーを1台だけ起動する
OpenVR-SpaceCalibratorを開く
「Copy Chaperone Bounds to profile」を押す(これによりQuestのプレイエリアがSteamVRに転送されます)
QuestのHMDとViveトラッカーを選択、Very Slowに設定を入れて「Start Calibration」を押す。(Questのコントローラーにすると精度が悪くなりますHMDがおすすめです)
HMDにViveトラッカーを手で添えながら、首を左右上下にゆっくり動かす。(これによりQuestのプレイエリアのどこにBSがあるかを特定できる)
キャリブレーション完了、Viveトラッカーが正しい位置にあるか確認する
なおこのキャリブレーションは初回1回のみで大丈夫です。再キャリブレーションが必要な場合は「BaseStationの位置を動かした」「Questのプレイエリアを再設定した」「Viveトラッカーのずれを感じた」時です。よく勘違いしている人がいるのですが、Viveトラッカーごとにキャリブレーションする必要はありません。あくまでもこれはQuestのプレイエリアとSteamVRのプレイエリアを一致させるだけだからです。また、OpenVR-SpaceCalibrator用にViveトラッカーを頭につけるのが必須という人がいますが「頻繁にQuestのプレイエリアを変更する人」か「少しでも精度の高い環境が欲しい人」以外は不要です。この記事の通りに正しく設定してあげれば「Viveトラッカーのずれを感じた」で再キャリブレーションする頻度は2,3ヶ月に1回程度なので、ここにViveトラッカーを使うのは正直もったいないです。
OpenVR-SpaceCalibratorについてはこの記事が詳しいです
Virtual Desktop(Quest)仮想トラッカーとViveトラッカーを組み合わせる
Virtual Desktopの仮想トラッカー機能を有効にして、仮想トラッカーを「Upper Body(With Hip)」にしてください。方法は以下の記事を参照してください。
あとはVRChatで以下の通りキャリブレーションを行うだけです。
椅子から立ち上がる
Questの右コントローラーのメニューボタンを押してミニメニューを開いて閉じる(これにより、Questが床面までの正しい高さを認識します)
VRChatのメニューから「キャリブレーション」を実行する
どうですか?Viveトラッカーが2つだけのはずなのにこの精度!腰トラもないため椅子に座るのにも困りません。フルトラサイコー!
稀ですがSpaceCalibratorが動作せずSteam VR起動時にViveトラッカーの位置がおかしくなることがあります。その場合は、慌てて再キャリブレーションをせずに、QuestのVDを落として再度Steam VRを立ち上げてみましょう、元の位置に戻っているはずです。
(おまけ1)動作させている動画
このフルトラ方式で動作させている動画を撮影しました。HMDはQuest3を使用しています。滑りもなく圧倒的精度ですね。腰の動きがもっと欲しい人は腰トラを追加しましょう。
ちなみに以下がハリトラバージョンです。いや、ここまで差があるとは…
当時はこれで喜んでいたんですが、贅沢を覚えると駄目ですね。
(おまけ2)Steam VRの起動に合わせてBase Stationを起動したい
ViveのHMDを所持していない場合はSteamVRの動作に連動してBaseStationをON/OFFできずBase StationがONのままになり、寿命を縮めたり、内部のモータ音がうるさいなどが問題になります。
これ実は外部のソフト(有料)を使うことでこれは解決できます。Bluetoothを使えるPCなら以下のソフトを導入してください(ない人は別途BTドングルを購入しましょう)Steam VRに合わせてON/OFFができて最高!
おわり
だいぶ省略しましたが、Virtual Desktop(Quest) + Viveトラッカー(足のみ)でのフルトラの方法を紹介させてもらいました。いくつか妥協することで驚きの約4万円でフルトラをすることができるようになりました。精度面でHaritoraより圧倒的な差があります。最近中華製のRebocapなども出てきており、ハリトラより良いという噂もあります。また、HaritoraX WirelessRというカメラ方式を組み合わせたものが開発中らしいです。しかし、IMU方式では太刀打ちできないほどLightHouse方式の精度は圧倒的です。BaseStationを設置する場所があるならばLightHouse方式をおすすめします。この記事でVRChatのフルトラ人口が増えることを願って。
(この記事はなるべく正しい情報を掲載するように心がけていますが間違いがあれば優しく教えて下さい。)