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おさんぽぽいぽい


歩くのが楽しい。

最近ランニングを始めた友人に感化されたのがきっかけ。とはいうものの、こんなに運動と無縁の怠惰な日々を送ってきたインドア人間がいきなり走れる自信など毛頭なく、ゆるーく"歩き時々早歩き"くらいの気持ちで自宅から東西南北に往復60分くらいの散歩コースを4つ5つ設けて、その日の気分で方向を変えてもくもくと歩くことから始めてみた。

三日坊主で終わるかなと思いきや、なんやかんやで今のところ二週間続いている。雨の日は面倒なので行かないと決めてて、最初のうちは雨早く降んないかなぁと毎日考えていたけど、歩く楽しさがだんだんわかるようになってきてから雨予報に落胆するようになった。そんな感じで、今のところは一応楽しくやれている。

ウォーキング用のウェアやアイテムなんかも少しずつ買い揃えたりして、そういうのもなんだか新鮮で楽しい。
今まで体育会系の活動に無縁で文化部まっしぐらな人生だったから、スポーツウェアというジャンルにてんで疎かった。激しい運動をするわけでもないし、ただ歩く時の服装なんて適当にTシャツデニムでいいでしょとさえ思っていた。靴もなんでもいいやーって感じで、実際最初の方はバンズのスリッポンで始めて盛大に靴擦れを起こし、エアリフトで足の甲に丸い日焼けを作ったりした。ようやくちゃんとしたランニングシューズにシフトした。


そして今回ちゃんと運動を目的として作られた服を着るようにしたら、餅は餅屋とはこういうことか〜〜と痛感した。

まず、ジャージが意外と高価なものだということを知る。なぜか世間ではダサいとかダル着ってイメージがついているジャージ。いろんな場面で「ジャージでいいよ!ジャージで!」みたいな感じで適当の代名詞のように引き合いに出されているのを見かける。
そういう理由で、てっきりジャージは安いものというイメージを持っていた。しかし決してそうではなく、スポーツブランドで買うとそれなりにちゃんとしたお値段がすることに驚いた。

でもそれもそのはずで、スポーツブランドから出てるだけあってあきらかに歩きやすい。身体を動かしやすくするための機能性や、動いてる時のストレスを極力軽減させる工夫をそこかしこから感じる。
もちろん専門家が身体の構造を研究して作られているのだろうし、世界中のスポーツする人たちの"もっとこういうのがあればいいのに"という声がいっぱい集約されてこのプロダクトに辿り着いたんだろうなあって感じの着心地だった。


これはジャージじゃないけど、ノースフェイスのフライウェイトレーシングショーツなんてもう本当に快適すぎてびっくりした。

スマホ、家の鍵、AirPods、小銭、ミニペットボトルが腰回りのポケットに全部入って、しっかり固定されて走っても歩いてもがちゃがちゃ揺れたりしないのだ。もう本当に最高。手ぶらでのびのび歩ける。

これもそこそこお値段したけど、それだけの価値は十分にある!と思ったし、良い買い物をしたなと思う。もう一枚ほしいくらい。

こないだのロンシャンのバッグといい見る人によっては「何を今更こいつこんな当たり前のことで感動しちゃってんの」と笑われてしまうかもしれないし、相変わらずど素人みたいな感想しか言えない自分が情けないが、こんなスポーツど素人のわたし(しかもウォーキングというゆるゆる具合)でさえそう感じるんだから、もっとハードでアクティブなスポーツをしてる人たちはこの上をいく快適性の実感があるんだろうなあなんて思うと羨ましくなるのだ。

そして今日も家に帰ってNIKEのクリアランスセールを眺めるのだった。


最初は30分のウォーキングでも結構疲れてたのが、60分、80分、120分とだんだん伸びていって、ついには10km歩いても案外平気になっていった。まあ今までが運動してなさすぎだったから、ようやく人並みになれた感じだけども。(100歩も歩かない日がざらにあったからね)

でも毎日10km歩くとなるとさすがに疲れが蓄積されそうだなと思い、自分的にちょうどいいのが6〜7kmぐらいだとこの二週間を通してわかってきたので大体毎日8000歩を目標にすることにした。

記録するために使い始めた歩数アプリ。
だんだん自分の中の丁度良さに気づく過程。


太陽の光を浴びるって本当に大事なことなんだなと思った。歩くようになって、心が少し前向きになった気がする。普通にネガティブモードに突入することも勿論あるんだけど、それでも太陽の光をしっかり浴びた日はそうじゃなかった日に比べて心の根っこの部分がかすかに明るい。まだほんの少〜しだけどそういう違いを感じるようになった。これがセロトニンパワーか、と。

カーテンを開けずに朝も昼も電気つけて過ごして、気づけばその日の天気もわからなかったなんてことがよくあった。陽を浴びることのありがたみをしみじみ感じた。でも絶対日焼けしたくないから厳重装備でいくけどね。マスクが一体型になった首の日焼け防止もできるフェイスカバー、画期的すぎて2枚買った。

ただし不審度上がるのでたまにギョッとされる


あっあと!
明らかに変わったなーと思うのは睡眠の質。
これは明確に寝起きのスッキリ度が変わった。そして眠りが深くなった。スーッと落ちるように眠りにつくし、パッと起きられる。

今までは「ただでさえ昨日の疲れが取れなくて次の日に持ち越されることが多々あるのに、そこにさらに運動して汗かくなんて無理!」なんて思っていた。逆にこの程よい疲れこそが一日の疲れをしっかり取るために必要なものだったのね…と目からうろこだった。あと、体力がつくと活動時間が増えてなんだか一日が長く感じるのでささやかなお得感もある。



あとこれは定かではないけど、ウォーキングしてる間って瞑想に近い感じなのかもしれない。
毎日スマホだらだら見て大量の情報をひたすら受けとるだけなことが多いからたまに思考を休めるために座禅組んで瞑想するんだけど、わたしは座りながら瞑想してると"何も考えない"をするのがどーーしても苦手で。

目をつむってる間にも色々なことを考えてしまって、雑念だらけで自分の呼吸にただ集中するってことがどうしてもできないことが多かった。

でも歩いてる間は、「今日はこれについて考えるぞ!」ってひとつテーマを決めたらそれについてずーっと考えていられるし、逆に「今日は何も考えない!」って決めたらもう本当に頭の中をポッカリ無にできるんだよね。



あと単純に、町探訪がおもしろい。
たった30分歩き進めるだけで方角によって街の空気が全然違う。歴史がありそうなところはメモしたりマップにピンを打っておいて、家に帰ってからその土地が戦前はどんなところだったのかとか、どんな歴史があるのか調べたりする。
この土地の形状ができあがるまでの変遷を昔の地図と比べたりしても面白い。古くからありそうな建物を見て歩くのもまた楽しい。

疲れたら河原のベンチに座ってひと休みして、ぼけーっと川のせせらぎを聴きながら街の様子を眺めたりかすかに聞こえる道ゆく人たちの会話からその人の暮らしの風景を想像する。そうするとあっというまに時間がたってたりする。

一日として同じ会話や人々にはもう出会えないから、印象に残ったものはメモする。


気をつけることもいくつかあって、なんか怖いなって感じるところとか、もしここで変質者に遭遇して、ギャーってわたしが叫んでもきっと誰にも声が届かないだろうなっていう閑散とした場所や大きな道路の高架下、妙に閉鎖的な空気を感じる場所は歩くのを避けるようにしている。

音楽聴いて歩くのは人が多くて開けた公園だけにするとか、後ろに人がいないかちょこちょこ確認したりするのも欠かせない。明るい時間帯とはいえ、土日だと朝8時頃ってまだ家を出て活動してない人が多くて、意外と街ががらんとしてて怖いところが多かったりするからね。

あとはトラックや乗用車がびゅんびゅん通るような大きい道路は息してると空気が汚れててなんか喉が痛くなったり鼻がむずむずしたりするから、なるべく自然が多いところや民家が立ち並ぶ道を歩くようにしてる。呼吸器系がよわよわでいつもそこから風邪引くから、そうなってはせっかくの体力作りのウォーキングも本末転倒だからね。

そんな感じでだんだんわたしのウォーキングルールが定まってきたこの二週間だった。


身体をしぼるには効果の薄そうなウォーキングだけど、ずっと運動ゼロの不摂生な生活を送ってた自分にとって明らかに身体にいいことであるのは間違いないから、無理のない範囲でこれからも楽しくやっていこうと思う。あと単純にお散歩は心を豊かにすると思う。

歩くだけとはいえど、意外と奥が深い。腕は振るんじゃなくて引くとか、お腹をへこましながら歩く(ドローイン?)とか、かかとから足を着地させるとかそういうのを意識しながらやるとなんかこうちゃんと運動してます感が増してうれしい。

帰ったらちょうどタイミングよくAmazonで頼んでたプロテインが届いてたから水に溶かして飲んだ。ザバスのレモン味。すっぱかったけど飲みやすかった。


明日は雨なのかー。

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