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半径1メートルの君〜上を向いて歩こう〜を見た

こんばんは。

じろうさんが出演されるということで、半1を観に行ってきました。

ものすごく面白かったので、サラッとですが感想を書いてみようかと思います。
これはかなり感想文の量が偏る予感。

そして先にお断りさせていただきますが、私はものすごく記憶力が悪いので、ここはそういう意味じゃない!とか、そんなこと言ってなかった!とか誰かの地雷を踏んでしまう可能性があります。
すみません。

というよりも、本筋の解釈自体があっているのかどうかも定かではありません。

不安の煽りはこの辺にして。

ここから先はネタバレ注意です。


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①真夜中

出演:小池徹平/じろう(シソンヌ)
脚本:又吉直樹(ピース)

最初、小池さんとじろうさんの組み合わせと聞いたときにどんなふうになるのか全く想像できなかった。

バーという舞台設定もあり、とてもお洒落で落ち着くような感じ。

一度売れたものの現在は仕事が激減した状況のお笑いコンビ"ユリイカ"の久保は、人のせいにしがちな性格。

口を尖らせてるいじけてる久保、可愛かった。
漫画でよくあるブーブー言ってるキャラクターのような感じ。
こういうひねくれたキャラクターもよく似合うなぁ。

そんな久保に、マネージャーの花岡が本音をぶちまけて口論になるのだけど…。

花岡は今日でマネージャーを辞めてしまうんだよね。
家業を手伝うために。

だから溜めていた不満や言いたいことを久保に全部ぶちまけた。

ここが花岡の苛立ちとか、かなり"動"の部分だと思うのだけど、舞台設定であるバーの"静"との対比でメリハリがあってすごく良かった。

映画評論家みたいな事を言っているけど、全然違うかも。笑
まぁでもそんな気がした。

ふたりのバックが映るカットで、数秒だけ足をプラプラさせている久保がすごくリアルだった。

役者さんとしては当たり前なのかもしれないけど、「あ、本当に足先まで"バーで飲んでいるユリイカの久保"なんだ」と思ってしまった。

これがマネージャーと芸人という関係で、ふたりで飲み交わす最後の夜とは。

相方が全国のポストの写真を撮って回っているという設定も本当にありそうで良かった。

花岡に叱咤されることで久保が本当にやりたいことを3つも口に出せたことも、この夜がなければ一生なかったのだろうな。

時刻は深夜2時を回っていて、明日起きれないと思うから起こしてくれよとサラッと言う久保にグッときてしまった。

明日からはもうマネージャーではないのだからと言うわけでもなく、自分で起きてくださいよとナチュラルに言う花岡。

今までどんな空気感でマネージャーと芸人の関係を築いてきたかまでは見えなかったけど、少なくともふたりの関係が終わる日にいちばん良い関係性になったことはよく分かった。

それを皮肉とも思わないほど良かった。

大人が大人に叱られることってなかなかないから、久保にとって花岡はとても貴重な存在だよね。

小池さんの熱い演技と関西弁、じろうさんの不貞腐れた表情といじけた心から気持ちが入れ替わる瞬間に胸を打たれました。

本当に心地の良い作品でした。


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②まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい

出演:白石聖/後藤淳平(ジャルジャル)
脚本:福徳秀介(ジャルジャル)

こ〜れはねぇ、ひとことで言うと「これがジャルジャルだ!」って感じ。

ミルクレープ食べたくなっちゃったし、めくってみたくなっちゃった。

白石さん、はじめましてだったのだけどとても可愛らしいお方で…。
実際にカフェ経営していらしたら通ってしまうな。

調べたら年下で頭抱えた。

ジャルジャルはレッドシアター時代によく観ていたので、なんだか懐かしい気持ちになったな〜。

後藤変わらないね。

今なら芸人さんほぼさん付けするのだけど、レッシアに出てた芸人さんみんな呼び捨てにしてた。
失礼だけど今更呼べない感がある…。

本田さんもしおりさんも、まわりくどいやり方ではあるけど個人的には可愛いなぁって思ってしまった。

しおりさんには本音を交えた嘘をつくあたり、どういう心理だったのか気になるな。

脈があってもなくても良い方向には進まないような…。
だから"まわりくどい"のか。

好きな人が自分に当てはまらない女の話し始めてあからさまに不機嫌になるしおりさん、可愛いなぁ。

他人に向けての好意だと思ったから「気持ち悪い」って言ったんだよね。

ミルクレープの皮と皮の間に思いを綴るという発想が、なんか福徳っぽいな〜と思った。

本田さんの、レディースの服全てにラブレターを付けるというのも中身が気になる。
なんとなくだけど、全部内容違いそう。

本田さんはあの時「気持ち悪い」と言われなかったら、どんな演出をするつもりだったのだろう。

特に何もしないのかな。

ただ、思いを綴ったラブレターを付けたレディースの服を毎日持ち歩いていそう。

しおりさんはしおりさんで、ミルクレープをめくらないと気づいてもらえない思いを綴って。

本当にお互いまわりくどいな。

最後の「めくって」も、そっちか〜!というジャルジャル特有のすれ違いがあってにやにやしてしまった。

良い作品でした。

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③戦湯〜SENTO〜

出演:般若/秋山竜次(ロバート)
脚本:品川ヒロシ(脚本)

前の作品の余韻に浸る間もなく、秋山さんで爆笑した。

な〜んにも考えずに観ていたけど、確かにうんこしたあと洗わずに湯船に浸かるの汚すぎてワロタ。

フリースタイル始まっても、秋山さんは秋山さんだな〜。
本当に心から笑った。

般若さんとのフリースタイル、マジで一生観ていたいな。

男の裸の付き合いってアツいな〜と思いました。
めちゃくちゃ良かった。

感想はそんなにないけど最高でした。
頭を空っぽにして笑わせるって、実はすごいことだと思うの。

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➃やさしい人

出演:倉科カナ/徳井義実(チュートリアル)
脚本:高須光聖

植物人間になった人って、実際に意識がちゃんとあるらしい。
全員ではないかもしれないけど。

自分がもし、そうなったらどうするだろう。
私なら死にたい。

それすらもできないのが植物状態。

ストーリーとしては、植物人間になってしまった女性が理不尽な目にあったこと、毎週自己満足のために見舞いに来る男性への不満、が溜まりに溜まって「3分間だけ自由に動ける時間がほしい」と願うと本当に叶ってしまった。

といった具合。

徳井さんはどうやら、倉科さん演じる女性とたった3度しか会っていない。
(3度目の待ち合わせで事故だったっけ…?)

罪悪感もあるだろうし、実際あの日あの場所で待ち合わせしなければとも言われていた。


3年間、ずっとお見舞いに来続けていた徳井さん。

怒りの感情をぶちまけた倉科さんは、もう二度と徳井さんがお見舞いに来ないよう強く言い放った。

でもそれは本心ではなく、倉科さんなりにもう来なくていいよ、忘れていいよという気持ちから起こしたアクションだった。

個人的には、怒りもなくはないような気がしていてどこが境界線なのだろうかと気になっている。


"やさしい人"はそういう意味だったのね…と最後のセリフを聞くまで気づかなかった。
ハッとして、気づいたら終わっていた。

そしてこのお話は、3という数字がよく出てくるのだけど、お見舞いの時間は2時(14時)なのである。
何かあるのか…?という疑いはあるものの、それが何かは分からないので謎のまま。

3よりも早い数字なのが気になるんだよな。

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⑤バックヤードにて

出演:水川あさみ/近藤春菜(ハリセンボン)
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)


急にSFでめっちゃ面白かった。

あ!これ何時間後から来たドラえもんのやつ!とか思っちゃった。
大好きなんだけど、脚本の方に不快な思いをさせてしまったら申し訳ない。


春菜と水川さんって、確かプライベートでも仲良しですよね。

なんかそれがひしひしと伝わってきて素敵だったなぁ。

消えたり、ふたり出てきたり、そんな単純なSFが最高でした。

壺とミク、どうなっちゃったんだろう…。

実はいちばん続きが気になる作品かも。

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⑥とある家のこと

出演:松井玲奈/山崎静代(南海キャンディーズ)
脚本:福田麻貴(3時のヒロイン)

私もふたり姉妹の長女なので、伸子の気持ち結構分かるなぁと思いながら観ていた。

でも、妹と喧嘩したのも小学生くらいまでだったしそんなに我慢した記憶もない。

この作品を観て、こんなこと確かにあったな〜!と記憶が呼び起こされた感じ。

きっとどこのお家の姉妹もこんな感じなんじゃないかな。

1つだけ、嫌だったことを思い出した。
それは、私がブルーで妹がピンクと決められていたこと。

私もたまにはピンクがいい!って思ったんだよなぁ…。

これと同じことを話の中で言っていたわけではないけど、妹との間で何かあったかを自然と振り返っていた。

麻貴さん、偉そうなこと言って申し訳ないけど、こういうのも書けるんだな。

あまり脚本のイメージはなかったので意外だったし、面白かった。

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⑦同度のカノン

出演:海宝直人/亜生(ミキ)
脚本:粗品(霜降り明星)


これに関しては本当に多くは語れない。
自分が恥ずかしくて。

最初のターンで違和感を感じたのは、しりとりの最後の文字を同じにして攻め続けているのと、カノンが同時で気持ち悪いなというところ。

急な粗品くん登場で呆気にとられて、私の頭がすべてを理解しきれないまま、綺麗なカノンの輪唱で記憶が途切れている。

粗品くんが言っていることは理解した。
これからどうなるかも理解した。

ただ、ふたりの会話に追いつけなかったのだ。
情けない。もう一度見に行きたい。
この作品の為に。

違う内容になっているのはところどころ分かったけど、パニックになってほぼ頭が真っ白になった。
囁きではなく、私は大声で言ってやる。


粗品くんの頭のキレに脱帽しました。
叶うことなら文字に書き起こしたものを読みたい。


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⑧本日は、お日柄もよく

出演:豆原一成(JO1)/岡村隆史(ナインティナイン)
脚本:丑尾健太郎


噂の豆原くん!
JO1を全く知らないのだけど、とてもめんこいお顔をしていらして…。

ストーカー役という話だけを聞いていたから、謎だったのだけどそういうことなのね。

お義父さんの強がり。
いや、お義父さんではないのか。

当時の彼氏であり、結婚をしているわけでもないから難しい距離感。

それでも青年は健気で、常ににこやかで、なんだかずっとお義父さんの側にいてほしいなと思ってしまった。

娘が行方不明なんて、父親の気持ちは計り知れない。

難しい距離感ながらも、お義父さんはあの青年に心を救われているよね。

正式には家族ではないけれど、これもひとつの家族という形なのだなと思った。

最後の最後にとても心が温まった。

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といった感じで。

だいぶ文字数の偏りや、一度の観賞では考察どころか理解しきれない作品もありまして、とても悔しい思いです。

私の住んでる地域では1箇所でしか上映しておらず、なかなか行くチャンスがないのですが、せめてもう1回は観たい。

中でも"同度のカノン"は本当に私の理解力の乏しさを思い知らされたので…。

チラッと見たら来週あたりにはレイトショーの時間にずれているっぽかったので、ぜひもう一度観に行きたいと思います。


本当に、オムニバスとは思えないほどどの作品も良かった。


あんなにいろんな脚本や監督の違う作品を観る機会もそうそうないので、良い経験をしたなと思う。

切なさの中に、温かさを感じる作品がたくさんありました。

じろうさんが出ているから贔屓目というわけでもなく、純粋に"真夜中"好きだったなぁ。
空気感も含めて、とても心地が良かった。

ジャルジャルらしい"まわりくどい〜"も、カラッと笑わせてくれる"戦湯〜SENTO〜"も、本当の意味がわかったときにハッとさせられる"やさしい人"も、SFで夢がある"バックヤードにて"も、懐かしさを感じる"とある家のこと"も、粗品くんの才能が弾けている"同度のカノン"も、普通ではないけれど温かい家族の姿を見られる"本日は、お日柄もよく"も。

すべてに違う良さがあった。


本当に観て良かった。

乱雑な文章ではありますが、この辺で失礼致します。

それではまた。

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