見出し画像

シソンヌライブ[dix]を見た

シソンヌライブ[dix]を観劇致しました。
配信は7日・20日・1日の3回、劇場では14日2部・15日・31日1部・1日の4回。


去年の4倍もの回数を生観劇したことにより、どう書けばいいのか分からなくなっている。
配信と生観劇、織り交ぜて書く?

私は今、めちゃくちゃ贅沢なことを言っている。
"ライブは生もの"とは良く言いますが、シソンヌライブは正にその権化。
回を重ねるごとに味付け(長谷川さんの言葉を拝借)が変わっていく。

本当にすごいことだよね。
台本に沿らないからこそ、お2人の間でその場で生まれるボケだったりガチ笑いがあるわけで…。

じろうさんは完全憑依型だから、もはやキャラクターを演じているというよりもキャラクター本人として舞台上に居ると思っているのですが、その憑依しているところに素のじろうさんが顔を出す瞬間、あれが好きで堪らない。
「あ、今じろうさんとして笑っているのだな」と、完璧な人の緩んだ部分が見られたようでちょっと嬉しい。
だってこれだけ稽古をしているのに、まだ素で笑っちゃうことあんの!?って。
きっとボツになった遊びもたくさんあるんだろうなぁ。
即対応してツッコむ長谷川さん、すごいよ。
あれはやっぱりシソンヌにしか出せない味なんだろうな。

そろそろ本題へ。
ネタごとに書いていったほうが読みやすいような気がするので、そうします。
別に今までと変わらないね。
足しやすい90%と時代の風10%。

―――――――――――――――――――――――

OPと幕間

ネタごとに、と言っておいていきなりネタの話ではないのですが、シソンヌライブ[dix]においてここは外せないかなと。

も〜〜〜〜信じられないくらいOPが流れている間に鳥肌立ったよ。
鳥肌立ちっぱなし。
4回行って4回とも立ちっぱなしだった。
たぶん人生でいちばん長く鳥肌を立てていたし、鳥肌立たせ選手権があるなら間違いなく優勝だ。

これまでの単独ライブ[une]から[neuf]までの集大成。
去年からシソンヌを追い始めた私は、新規に値すると思うのだけどそれでもエモかった。
全作品を通しての統一感が美しい。
2013年から始動して8年経つのに路線変更をしないところとか、ブレを全く感じさせないところが本当にかっこいい。

2013年[une]のフライヤーを見返して驚いたけど、スタッフさんがひとりも欠けていないんだ。
増えてパワーアップはしているけど、初回のスタッフさんと共に歩んできているからこそ、あの結束力とクオリティの高さになるのだな。

音楽について、私は知識もないし細かいことはよく分からないけど、とにかく痺れた。
なんだろう、あの重厚感。
記念すべき10回目に相応しいめでたさと、これから始まるよ!というドキドキ感が堪らない。

やっぱりサウンドトラック集が欲しい。
いつでも今までの楽曲たちを聴けるように手元に置きたい。
手元?耳元かな。
サウンドトラックだけが流れる耳入れ、販売してくれたら間違いなく買う。

幕間の曲も素敵だった。
今回はブリッジ映像がなかった。

ところがどっこい、演出があまりにも好きすぎる。
微調整ものすごく大変だったろうな…。
セットの縁取りに合わせて金色の光の線がピタッと合うの、めちゃくちゃかっこよかった。
今までのシソンヌライブではなかった新しい演出で、興奮しました。
曲とのマッチングもとにかく最高だった。

いちばん耳に残っているのは2本目から3本目の幕間。
あと4本目から5本目の幕間。
あの曲からコント内の心電図の音に繋がるのがとても心地良かった。
同じようなパターンだと[trois]の"息子の目覚まし時計"がそれにあたるのだけど、どっちも命の音だと気づいてしんどくなりましたね。
目覚まし時計の音も命の音だよ…。

幕間の演出ひとつを取っても、配信と生観劇とじゃ見え方が全然違う。
初見は配信で観たのだけどもちろんインパクト十分且つ、繊細だと思った。
しかし、生観劇だと配信では見えなかった、暗闇の中でセッティングをするスタッフさんの姿がうっすらと見えるのだ。
これは本人たちの意図には沿っていないような気がするのであまり詳しくは書かないけど、とにかくスタッフさん全員のパワーを感じてすげ~!となった瞬間でした。
個人的には裏方さんのパワーが垣間見えると嬉しくなる。

そして幕間の着替え時間の驚異的なスピード。
メイキング等で早着替えの様子を見たことがあるけど、あれはなあなあで出来るレベルではないし、やっぱりスタッフさんとの連携がすごい。
これはシソンヌライブの過去作を観た人あるあるだと思うのだけど、コントの終盤でどちらかが先に抜けると着替えのこと考えちゃうよね。
集中できていないわけではなくて、ある種のシソンヌライブの楽しみ方だと思っている。


今までのような映像がない分、客の集中力の問題もあるしなかなか長い時間を取るのは難しかったんじゃないかなと思う。
実際全く気にならなかったし、各幕間の演出に見入ってしまって気がつけば次のコントが始まっているような感覚だった。やっぱり着替えが早すぎる。

改めて、今までのシソンヌライブのOPと幕間を観直してみようと思います。

―――――――――――――――――――――――

1.スタンプカード

衣装香盤に載っているタイトルで進めていきます。
長谷川葬儀の社長と新入社員の話。
お得先の葬儀を済ませて帰社した新入社員が、客に「もう二度と頼まない」と言われてしまう。

新入社員くん、すごく合理的な子なんだね。
新入社員とのことなので、20代前半かな。
じろうさんのキャラクターの中では珍しい気がする。

「日本を元気にしたい」「会社を良くしたい」という前のめりな姿勢が悪いわけではないのだけど、合理性よりも人の心を大事にするこの職業とは相性が悪かったんだな。
あれやりたい!これやりたい!が少々ぶっ飛んでいるだけで、日本のどこかでこういう人間は必要とされているとは思う。
もっと合理性を重視する会社で上司がコントロールできるようになったら、絶対化けるよね。

社長も入社時に「老いぼれ」とは言ってなかったけど、「新しい風をどんどん吹かせてほしい」と言っていたし、半分合っていて半分(大いに)間違っている。
本人も全く悪いことだと思っていないから、なぜ怒られているかも分からないのだろうし、こればっかりは難しいよな。
社長が新入社員くんを「怖い」と思うのは社長にはなかった発想だったからだし、変化が必要な業界と必要でない業界があるわけでね…。

IPadケースの使い方の件で、初日にはなかった「虫の通り道」が増えていた。
アリさんでも通るのかな?△
でもこれも割とすぐなくなった。

社長の音声を録音していたところも、14日の公演の時点で再生した直後に社長が一度止めるシーンが追加されていて、音響さんの対応もすっげ…と思ってびっくりした。
24時間録音していて、新入社員くんが寝ながら聞いていることが判明したおかげでヤバさが格段に上がっていて笑う。
社長の「恐ろしいことが当たり前のように進んでいるなぁ!」が好き。
長谷川さんのびっくりした表情大好きなんですよね。
千穐楽の再生し終わった後の間、最高だったなぁ…。

「浅はかでした」は積極的に使っていきたい。
成長したかと思いきや「何も思いつかなかった」とか、それも言わなくていいやつ!しっ!

スタンプカード、3ヶ月前から配っているようだったけど今まで一切クレームが入っていないこと、しかもおざわさんが怒った理由もそれじゃなかったことを考えると、案外受け入れられてるのでは…?と思ってしまった。怖い。
何軒くらい配ったのだろう。
まぁ葬式なんてそう何度もやるものではないから、クレームもなしに1回きりで終わっていそうではある。
おざわさんがスタンプカードへの怒りも合わせて、お孫さんを食事に誘ったことに怒っているのか、実はスタンプカードは全く気にしていなかったかによって結構違うよな。
この辺は私の考えすぎだな〜とは思いますが。

まるでペイペイようなシステムの"ナムナム"。
「ナムナム内で」の語感が良すぎて。
絶対本人たちも気に入ってるやつだ!と思って微笑ましかった。
「自分にはアプリを作ることができないから、スタンプカードにした」とか、代替案持ってきて実行するところは本当にすごいので、頼むから他の仕事で活かしてほしい。

決済音を確かめているときの、社長の不安げな表情と言ったら…。
ご心労お察しします。
めちゃくちゃ良い人なんだろうな。
それに比べて決済音確認のお坊さんバージョン流したときの彼の顔、めちゃくちゃ満足気で可愛いね。
最高傑作なんだろうなってのが良く伝わってくる。

二度目のおざわさんへの電話で、喪主のお孫さんをご飯に誘ったことが判明した時の社長の「おい!」の声量がデカすぎて毎回ビビる。
とにかく圧がすごい。
ここも15日は彼の返事が「おい!」じゃなくて「なむなむ!」に変わっていてものすごく笑った。

「火葬のどうでも良い時間を男女の出会いの時間に当てられないかと…」ってセリフ、めちゃくちゃ非情に聞こえるけど好きだったなぁ。
本来は故人を弔う時間だから無駄ではないんだけども、別れの場で新たな出会いの場を設けるって斬新な発想が好き。
「無駄な3時間を」とも言っていた。
生と死が混在する異色な空間ができるな…。
ここのお葬式マッチングアプリの件で社長に言葉を投げかけるところは、毎回アドリブっぽかったな。

YouTuberにこういう人が出てきても、おかしくない時代だよね。
じろうさんの書くネタは、"現実の延長線上にあるような突拍子もないこと"だから、観ているこちら側が世界に介入しやすい。
現実とファンタジーの狭間を絶妙なバランスでつくりあげていて、本当に尊敬する。

新入社員特有の、あのソワソワする感じ。
就職する人なら誰もが通る道だから、なんとなく自分に重ねてしまって懐かしくてうわ〜!となった。
腕時計も細っこくて、新入社員ぽい感じがすごく良かったね。
スタンプカードを配り始めたのが3ヵ月前で、今の時期(7月)だと仮定したらそのまま4月入社の新入社員になるわけか。
合掌チャンネルは何をするチャンネルなんだろう。

1本目からこんなにアドリブを盛り込んでいるとは思わなくて、びっくりしちゃった。
良いコントでした。


―――――――――――――――――――――――

2.野村くん、寺山さんに会う

交通誘導員の寺山ふくすけさんと、高校生の野村正弘くんの話。
野村くんの心の拠り所であった駐車場が解体され、新しくフットサル場ができることになった。

野村くんだよ、野村くん…!
私が去年会えなかった野村くん。

最初の長谷川さんがソロのシーンが、まさか野村くんシリーズだとは思わず本当に驚いた。

で、泣いた。
気がついたらボロッボロ涙が出ていた。
自分でも信じられないほど、自然に出た。


野村くんが高校生になっていた。
今までの野村くんシリーズを観た方はもちろん知っていると思うのだけど、野村くんは中学生で長谷川先生がクラス担任だった。
そして、長谷川先生との出会いで野村くんが救われる姿を何度も観てきた。
あまりにも想いが強すぎて、書くとキリが無くなるので過去シリーズについては省略します。
ぜひ、DVDをご覧ください。
もしくはYouTubeに、野村くんが初めて登場したシソンヌライブ[trois]の"先生の本性"がアップされているので是非。

シソンヌライブ[trois]"先生の本性"

高校生になったということは、必然的に長谷川先生との別れを意味する。
私はこれが辛くて辛くて、しんどかった。
[six]"野村くんの夢"では、高校進学の話が出ており、ここで初めて中学校卒業の可能性を意識した。
本当に卒業してしまったんだ。
進学先は夢で見た、あの東高なのかな。
鞄もスクバから茶色のショルダーバッグになっていて、かっこいいね。
激シブいね。
スニーカーからローファーになっているのもすごく良い。

もう展開がドラマそのもの。
今までの野村くんシリーズを観てきたからこそ分かるバックボーンに心を傷めたり、成長を感じたり。
親のような目線で見てしまうよね。

駐車場に対する異常な執着も、高校に馴染めない、家にも居場所がない、頼っていた長谷川先生もいなくなってしまったが、故にたどり着いた、心の拠り所だったからなのだなぁ。
長谷川先生に関しては、会えないわけではないと思うけど会いに行くような描写が全くなかったので、1人で頑張っているんだね。
学校内ならSOSを出しやすいけど、普段会えなくなっちゃったら頼るのも難しいものね。
長谷川先生を頼ることはできるけど、きっと他に頼れる大人はいなくて、でもその時出会った大人がどうにか野村くんを救ってくれる。
一期一会だもんなぁ。
出会う人みんなが野村くんを良い方向に導いてくれる素敵な大人だから、なんだか私まで救われたような気持ちになる。
でもきっと大人がそうしてくれるのは、野村くんの純粋さや素直さがあるからなんだろうな。

とはいえ、途中で出てくるとくながくんのおばあちゃん。
人ん家のおばあちゃんからお布団を譲ってもらう仲になること、ある?
少なくとも私はない。
とくながくんは同級生なのかな。
"お母さん先生"とか"野村くん、登校する"を観ると、お友達がいないわけではないように思う。
でも野村くんなら、そのとくながくんとやらを経由せずにおばあちゃんと仲良くなる可能性が大いにある。

イマジナリーコンパニオンと思われる"玉川くん"が[cinq]を最後に登場していないことから、長谷川先生の出会いと野村くん自身の成長によって消えたものだと解釈している。
精神の不安定さを表すのにとても分かりやすい描写。
「駐車場と結婚して子どもが2人いる」のも、その1種だと思う。
でも今回の場合は、その結婚した駐車場との決別なので良い方向に進んでいる暗示なのかなぁと。
いつからいたんだろう…。

野村くんのおかげでイマジナリーコンパニオンについて調べたんだけど、友達だけじゃなくて家族・恋人・ペットにもなり得るらしい。
コントを観ていただけなのに、勉強にもなっちゃったね。

noteを書く上で、あやふやに覚えている言葉だったり、コント内で起きた事象をすぐに調べるようになった。
少しずつ知識がつくようになった。
これは本当にシソンヌさんのおかげだと思います。

ここまで言うとめちゃくちゃ信者っぽいんだけど、じろうさんの"身近で起こる些細なことにも疑問を持つ姿勢"をすごく尊敬しているので、自然とそうするようになったのかな〜。
ステマじゃないです。
そもそも力不足すぎて、マーケティングにもなっていない。


寺山さんのダルそうに仕事してる感じがすごく良い。
駐車場って何故か途中まで立駐をイメージしていたのだけど、よく考えたら星空が見たいって言ってんだから拓けた駐車場だよな。

駐車場での良い思い出のひとつ「自転車に乗る練習をした」を聞いて思ったけど、野村くんって[sept]の頃には自転車漕いでたよね。あれ高2か?
自転車って小学生で習得するイメージだけど、こういうのに囚われちゃいけないな。
いつ自転車が与えられたかによって、駐車場とのお付き合いの長さも変わってくるね…。
付き合ってから結婚して子供ができるまでの妥当な年数過ごしている可能性もある。


「でっかい犬にも吠えられた」が「でっかい犬にも追いかけられた」に変わっていた。
逃げ惑う野村くん、想像すると可愛いね。
個人的には野村くんって犬と相性良さそうな気がするのだけど、にくまるのせいかな。
野村くんの横に柴犬がいるの、すごく鮮明に頭に浮かぶ。

野村くんが言う「人生良い思い出ばかりじゃないだろう、嫌な思い出も思い出だ」に、妙に説得力があるのは野村くんが今まで嫌な思いをしてきたことを知っているからだな。
高校1年生にしてかなり壮絶だよ。
でもそれを昇華できていることが分かって安心した。
やっぱり長谷川先生のおかげかな、と思ったり。

駄々っ子具合がいつもよりパワーアップしていましたね。
床に寝そべったりわんわん泣いたり。
今まで感情を剥き出しにすることはあったけど、あのパターンはなかった気がする。
それだけ心の拠り所がなくなるのが嫌だったんだね。


「拠り所?魅力的なワードだ」
野村くんの好きそうなワードって、言われてみればそれだ!みたいな感じでバシッとハマるのですごい。
じろうさんがつくりあげる野村くん像と、私の思い浮かべる野村くん像が完全に一致している。
前にも言ったような気がするけど、じろうさん本人は野村くんのことが嫌いって言うところがすげ〜好きです。
救いのある結末にするあたり、なんやかんやで大好きなんでしょ。

駄々っ子シーンについて。
「これがスポーツの力か」は時事ネタで最高でしたね。
誘導棒が熱いと言う野村くんの頭をうぇ〜いって叩くふくすけと、それで半べそかく野村くんに癒された。
初日より倍以上長くなってたよね。
じゃれ合いが増えて、圧倒的に親密度が上がっているんですよ。
頭抱えちゃう。
初見じゃないから感じることなのだろうけど、時間の流れとともに仲良くなっているように感じてなんだかすごく嬉しかった。
やっぱり親目線になってしまう。
ふくすけがどんどん優しくなってるんだよ、絡み方がフランクだし構ってくれるし。あ〜好き。

ゲーセンを全部出禁になった理由が、初日では分からなかったけど「太鼓の達人をやっている人の横で合いの手を入れていたから」だと判明した。
狂気だ。私なら逃げ帰る。

最初から最後まで、ふくすけの野村くんに対する印象は一貫して"変な奴"なんだけど、放っておけなくて学校行くように説得するとか、そういう変化が見られて嬉しい。
野村くん自身が纏っている放っておけないオーラと、周りの大人の優しさが相まってあの平和な空気感が生まれているのだと思うと、冗談抜きでこんなに素敵な世界線が存在してくれて良かった…となる。

加えて、ただ優しいだけではなくて正しく叱ってくれるところが本当に良い。きちんと諭しながら叱ってくれるよね。
長谷川さんにそっくりな数多くの大人たちは。

ふくすけの「つこっ!」ってやつ返した瞬間がこのネタでいちばん笑った。
あんなバカでかい音、出る?
思わずテレビの前でやってみたけど全然音出ないの。
あれは口の中に楽器入れてるわ…。
長谷川さんの一発でドデカい笑いをかっさらって行く瞬間がかっこよくて大好き。

その後の野村くんの顔芸も日に日に変化している。
「路上で学生が溺れている」は正にそれすぎて爆笑した。

あの件でふくすけに「それ(つこっ!ってやつ)1番ムカつくんだよ」って言われて「1番で良かった2番じゃなくて」ってすぐ返すところ、THEガキって感じで最高。
ああいうところに中学生っぽさが残ってるんだよなぁ…。

今回は中学生に見られて嬉しそうで、[une]の"町の美容室"とは真逆の反応をしている。
中学生の頃は高校生に見られて喜んでいた。
あれは時系列でいうと3作品目にあたるので、中学生活を全く楽しめていない頃だなと。
長谷川先生と過ごした日々が恋しくなっちゃったのかな。
[six]の"野村くんの夢"では、高校へ行きたい思いが強かったから、いざ入ってみたら理想と違ったってところなのだろうけど。

ふくすけに高校を中退した過去があると知って、名前を知りたがる野村くんと「教えたら学校へ行く」と約束してフルネームを教えるふくすけ。
私、最初からふくすけふくすけ言ってるけど、名前が判明するのはこの辺の中盤あたりでしたね。

結局「やっぱり学校に行かない!」と言う野村くんに「平気で嘘つくな!」と返すふくすけ。
「気持ちなんて瞬間瞬間で変わるものだろう、それを嘘なんて言葉で片付けられたら溜まったもんじゃないね」とさらっと言っちゃう野村くん。
どこで覚えたのそんな深いこと…。

所々に成長を感じるセリフが組み込まれていて、高校生になったんだなぁと実感が湧く。
なんとなく、年の功を感じるセリフだから実はとくながくんのおばあちゃんから教えてもらったのかなと思ったり。
シソンヌのコントは想像が無限にできちゃうね。
あんまり本人たちの意図に反するようないことは言いたくないのでこれでも控えているのだけど、もっとぐるぐる頭の中で考えている。


「学校をやめる」と言って聞かない野村くんに、自身の経験として「俺もこの仕事を好きでやってるわけじゃねえんだよ」「大人がみんな好きな仕事やりたいことやってると思ったら大間違いだ、みんなそれなりに我慢してやっている」「どこかで踏み出さなきゃいけない時があるんだよ」と現実を教えるところ、本当に好きだな。


私も今本当に仕事で悩んでいて、採用されたときと全く違う職に就いて分からないことだらけで毎日必死こいて働いてるんだけど、みんなそうだよな~自分だけじゃないわ頑張んないとなって気持ちが軽くなった。
今は我慢しなきゃいけない時期なんだな~うんうん。
「みんなそうなんだよ」って言われているはずなのに、押し付けがましさを感じないのは、会話の端々からふくすけの優しさが伝わってくるからだな。

現実を突きつけられて、すぐに受け入れられない野村くんが暴言を吐くところもすごく良い。そりゃそうだよね。
高校1年生ですぐに受け入れられたらすごいよ。
「学校に馴染む方に踏み出せよ!」ってきちんと道しるべを示してくれるふくすけ、大人として好きすぎる。

野村くんが捌けた後、ふくすけが仕事を続けるのだけど「うるさい」と文句をつける通行人に対する対応が、初日とその後で違った。
初日はその通行人に対して「俺も好きでやってんじゃねーんだよ!」と直接キレていたけど、その後の公演は一度「すみません」と謝罪して通行人が去った後に上の同じセリフを言っていた。
これ、かなり印象が違うよね。
前者はキレているなと思ったけど、後者はキレているというよりかはちょっとやるせない感じ。
シーンひとつで変わるもんだね。演技力の高さ…。

翌日、31日の公演を観て気づいたことがある。
変わらず仕事を続けるふくすけなのだが、この日の朝は野村くんがいつもの道(上手側)から来ないことを確認し「あいつ、こないかぁ」というような表情を浮かべているのだ。
31日私は最前列の上手側で、表情の細やかな変化までしっかり確認することができた。

思わず、息を呑んでしまった。
個人的には、昨日言い過ぎてしまったことへの自省を含めた表情のように感じた。
配信をすぐに確認したところ、その件は初日にはなかったけど20日にはあった。
14日と15日は全く気がついていなかったので不明。
31日はF列上手で集中して観ていたけど、自省を含めたようには感じなかったかな。
慌てて仕事に戻る感じが良い。
いつから取り入れていたのだろうね。
胸に刺さるシーン過ぎて、ひとりで観てひとりで悶えていました。

そして野村くんが考えを改めて駐車場を諦める、学校をやめないとふくすけに伝えるところ。
ふくすけが高校中退した経験が役に立って良かった。
(9割型3年生の女子に話しかけられたことがきっかけだろうけど…まぁ置いといて)
「何こいつウケる」と言われた野村くんを心配するけど、「入口は何でもいいんだ、大事なのはこの先だ」と気にしていない本人。
え~大人じゃん…。きっかけってなんでもいいのか。
そうか確かに。学ぶことが多いな。

ボウリングのスコアを一生懸命書く野村くんを想像したら愛おしくなった。
ギャルから気に入られそうだもんな…。

ちなみに31日の1部はビリヤードに変わっていました。
キューを支える役をやっていたとか、そんな感じだったはず。
ヤバ、配信観たらどんどん記憶が塗り替えられていく。

ボウリングに連れていかれて不良グループなんじゃないかと心配するふくすけはもう保護者じゃないですか…。
野村くんにお仕事体験させてあげるときの顔、本当に嬉しそうであの顔見るだけで泣ける。

何より野村くん、初日は「寺山さん」と呼んでいたのに次観た時には「ふくすけ」に変わっているではないですか…!
こんなに愛おしい展開があるんですか、やっぱり日に日に距離が縮まっていませんか!
本当にありがとうございました。

体験させている時の「ご迷惑をおかけしております」と「お足下にご注意ください」の野村くんの文言は日によって変わっていた。
ここ14日と15日全然覚えてないや…。記憶戻ってこい。
31日は「ふくすけ、夢のマイホーム建設中で〜す」で千穐楽と同じでした。

ふくすけが何か言うでもなく、顔でオトすところが本当に本当に最高。

今回の[dix]は長谷川さんの顔がめちゃくちゃ活かされてるなという印象。
じろうさんの濃いキャラに負けず劣らず、本当に良い表情をしますよね。

野村くんシリーズの中学生編が完結?したのかな。
個人的には卒業式とか観てみたい気もするけど、絶対に号泣してしまうのでいいです。
まぁでも"料亭への道"と"割烹SHU"もあるし、過去に遡るパターンもあり得るのかな。
長谷川先生、絶対寂しがっているだろうな。
たまには会いに行ってあげてよ野村くん。

―――――――――――――――――――――――

3.準備中

居酒屋「ございあす」にて繰り広げられる、新人バイト長谷川くんとヤバい先輩大河原さんのバトル。(バトル?)

きました大好物・役名がふたりとも本名のネタ。
個人的には[dix]でいちばん刺さったやつです。

これさ、初日配信で観たときにやられた〜!って思った。
てっきり大河原さんの方がオチだと信じ込んでいた。
[neuf]の"隣人"からの先入観だ。完全に敗北だ。

最終的にヤバいのは長谷川くんだった、みたいな雰囲気あるけど長谷川くんは自分の裏の一面として「キレやすい」「手が出やすい」と自己申告していたし、ただ回収していっただけなんだよな。

そもそも、大河原さんは長谷川くんのどこにハマったのか。
大河原さんから見る長谷川くんと、私から見る長谷川くんの像が全く一致しない。
ここがまず怖い。
得体のしれない違和感がある。

長谷川くんに自分の彼女"候補"の写真を見せて、そういうのじゃないよって前置きするのも怖い。
候補とは…?
[huit]の"知らない自分"の廣岡さんもそうだったけど、証明すること多いよね。
ネタをつくる上でのじろうさんの癖っぽい。
その女性の写真の写り方も気になる。
盗撮なのかインスタから拾ってきたのか。

大河原さんの中の知らない自分なのかなぁ。
あのコント内の情報しか分からないけど少なくとも「シフトの小細工を男相手にしたのは初めて」と「2年前に付き合っていた彼女がいた」という話をしているので、本当に男性に惹かれるのが初めてなんだろうね。

長谷川くんの後ろにピタッとついて歩くところはもはや芸術的なキモさ。
あ、このコントにおいての「キモい」は全て良い意味で使います。
大河原さんがキモければキモいほど良いと思っている。


初日と千穐楽を比較すると、千穐楽のほうが10倍くらいキモかった。
何と言えばいいのか、完璧に仕上がっていた。
セリフ自体はほぼ同じなので、じろうさんの圧倒的演技力なんだよな…。恐ろしい。


ペイズリー柄のコックパンツとデッキシューズの隙間が解釈一致すぎた。好き。
ロールアップしそうだもん…。
衣装さんすげ〜よ…。
前掛けが短めなのもなんか腹立つけど好き。

しつこく話しかけてくる大河原さんの話を、適当に聞き流す長谷川くんが最高。
長谷川さんの「え?」とか「なんですか?」ってセリフが好きなので、マジでヤッター!と思った。
箸数えてる時なんて、そりゃ話聞いてられないよな。

というか、大河原さん働かなさすぎです!
びっくりするほど働いていない。
「この時間から働くのも気持ちいいね〜」じゃないんよ!
思い返すとセッティングも全部長谷川くんがやってる。

長谷川くんが不憫すぎて泣けてきた…。

いや確かに、早番初めてだって言ってたもんな大河原さん。
長谷川くんも教えながらやるより、1人でやる方が良いのか。(精神的に)
あと、長谷川くんがたにぐちと中高同じであることに対して「ちょっと嫉妬!」って言うところ、確か14日だけ2回言ったんだよな。
あれ、15日だったかも。

初見看板ひっくり返しそびれたことに気づかなくて、途中で気づいてあれ!?となった。
自然すぎるね。

大河原さんの「自分の裏の一面を言い合おう」という提案すらもはや怖い。
何故だ。何故自ら嫌われそうなことを暴露していくんだ?
まともに話すの、今日が初めてなはずなのにどうして…?
何も分からない。
[quatre]の"しつけ"と同じ感覚。


大河原さんの「良い奴って言われる」は誰ソースなのか。
友達が気遣ってそう言ったのか?
本当に地元の友達との関係性が良好かどうか確認させてほしい。


私は先程怖いと言ってしまったけど、今までも仲良くなりたかった人とうまくいかず、試行錯誤を繰り返した結果いちばん距離を縮められる方法だと辿り着いたのが「自分の裏の一面を言い合おう」だったのかもしれない。
うまくいかなかった描写があるわけではないけれど。

で、もし上に書いたような今までの「仲良くなりたかった人」が存在する(こういう絡み方をするのが長谷川くんが初めてではない)とするならば、大河原さんに対して攻撃をすることなく静かに去っていくと思う。
私の感覚でしかないんだけど、ああいうタイプは関わらないのが吉だと思っているので、長谷川くんみたいに攻撃を仕掛けるタイプは少ないはず。

だから、長谷川くんにメッタメタに言われて初めて気づいたんじゃないかな。
今までは誰も何も言わずに、穏便に済ませて去って行ったから。
「うざいとか初めて言われた、そう思わせている節があるってことなのか」とまるで初耳のような反応を示しているので、その可能性もあるかなと思っています。

まぁ本当にこの辺はもう妄言ですからね。
長谷川くんが初めてではない場合の話。

大河原さんのキャラが濃すぎるので、大河原さんの話ばかりしてしまうのだけど、これ長谷川くんも最高でしょ…。
この手の表情させたら、長谷川さんを上回る人いないよ。

全体的に長谷川さんの顔芸が活きたライブだったけど、断トツで"準備中"がすごかった。
大河原さんの発言にシラーっとする感じ、堪んないね。

自分の裏の一面を言い合うときに、いちばん最初に大河原さんが「車にいたずらしちゃう」って言うんだけど、それに対する長谷川くんの「ヤバ」が好きすぎて。
世界でいちばん好きな「ヤバ」かもしれない。

車にいたずらするの、普通にヤバいよな。
結構キツい。ジュース買うってことは100円玉かな?
迷惑駐車は分かる(ダメだが)、いけ好かないってもう気分じゃないか…。
長谷川くんの1ターン目は「キレやすい」。
分かるよ、もうイライラしてるもんね。
ここでもやっぱり、大河原さんの目に長谷川くんがどう映っているのかが分からない。

大河原さんの2ターン目は「人のゴミ袋の中を見ちゃう」。
お〜…。ヤバさしかない。
袋の開け方が人によって違うのが面白いのは、分かる。
摘んで開けるか、ギザギザの部分を立てに開けるか、確かに人によって違うもんね。
大河原さんがティッシュを律儀に折りたたむ派だとは驚きだよ。
ちなみに私はお団子にする派。
お団子というか、グシャッとしてポイだね。
じろうさん自身もたたむ派なのかな。

大河原さんの2ターン目は「どしゃ降りの日にUberEatsを頼む」ってパターンもあった。
あんまり聴いた記憶なくて、なくなったのかな?と思って観返したら入れ替わっていた。

つまり、
①1ターン目「車にいたずら」→2ターン目「人ん家のゴミ見ちゃう」
②1ターン目「車にいたずら」→2ターン目「どしゃ降りの日にUberEatsを頼む」
の2パターンがあった。
長谷川くんが休憩とるように促したときに座りながら「俺どしゃ降りの〜」って喋り出すから耳には残っていたのね。

長谷川くんの2ターン目は「手が出やすい」。
こんだけ引き付けられてるの、大河原さんくらいだよ。
引き込みかな?

あとこれ初日にはなかったんだけど大河原さんが「口で言っても分かんない奴に?」と、聞いたら圧かけ気味で「そうですね」って言うところが好きすぎる。
しかも20日より千穐楽のほうが圧強め。

休憩入るように促しても長谷川くんと喋りたい大河原さんはなかなか奥に行かない。
長谷川くんは離れたがっているのにね。
「お腹減っちゃって」のあとに「休憩やっぱりいいっす、腹いっぱいになりました」を真に受けて面白がる大河原さん、鈍感なのか純粋すぎるのか…。
「そんな人初めて会ったよ!」って言うあたり、すげ〜純粋じゃん。少しも疑ってないもの。

いい加減キツくなって、外の空気吸いに表に出た長谷川くんから本音が漏れる。
店内からめちゃくちゃ大河原さんが見ていて目が合う。
「なんちゅう顔してんだ」って言ってたけど、本当にそのセリフしか当てはまらんわ!ってほどなんちゅう顔してんだ!って感じで最高だった。
何あの絶妙な、笑うでも真顔でもない顔。
盗撮も普通に音出すところがヤバい。

看板を変え忘れたことに長谷川くんが気づいて、「営業中でございあす」に変える。
が、少し考えて「準備中でございあす」に戻す。

ここから、長谷川くんが“準備中”になる。
これはお洒落な演出だなぁ~。

「長谷川くんの写真インスタにあげといた」って報告するところ、いつからか分からないけど「インスタのアイコンにしたよ」に変わっていた。
めちゃくちゃ怖いんだが。

準備中の長谷川くんが仕掛ける。
「さっきお互いの悪い一面知って距離縮まったと思うので、ルール変えてお互いの嫌いなところを言い合いましょう」と。
ざわざわする、カイジばりにざわざわする。

こ~~~~~~れは反撃くるぞ。辛い。
1個目「ウザいですね」2個目「ムカつきますね」3個目「キツいっすね」。
確かに全部ちょっと被ってる。
無理して出さなくていいよ~ってまだ嫌われてることに気づいていない。
ムカつくの時に「2年前くらいの彼女に言われたかなぁ」発言で、彼女いたことあるの!?となる。気になる…。

大河原さんに喋らせる間もなく4個目。
「絶対友達になれないタイプですね」で、うわ~これは刺さっちゃうのでは…?と思ったら、「でもなれたってことだよね」と驚きのクソポジティブ思考。
このままで居てほしい。

最後、「死んでほしいっすね」で大河原さんの顔つきが変わる。考えている。
立て続けに「今すぐ死んでほしいっすね」。
初日はここで大河原さんが掴みかかるのだけど、私が観た14日の時点で「死ねよ」が追加されていてより辛辣になっていた。
いや、しんど〜!

大河原さんも、殴りかかるんじゃなくて掴みかかるあたり人を殴ったことはないんだろうなと思った。
あとさすがに「死ね」と言われたら怒るんだね、良かった。
良くはないけど…。
もし怒らなかったら、それはそれで納得しそうな自分がいて怖い。

掴みかかったら案の定、長谷川くんから返り討ちを受ける大河原さん。
これ、どっちも可哀想な気がして複雑な気持ちになるよ…。
散々我慢していた長谷川くんも可哀想だし、きっと長谷川くんを嫌な気持ちにさせたかったわけではなく純粋に仲良くなりたかったはずなのにね。

正直、大河原さんが手を出すまで自分が手を出さなかったのはやり手だなと思ったし、過剰すぎるけど正当防衛にあたる感じなのでなんかもう本当に闇。

長谷川くんにボッコボコに殴られる大河原さんを観ている間、周りからわりとしっかり笑い声が聞こえて驚いた。
人が殴られている姿を見て笑うなんて…と一瞬だけ異様な雰囲気に包まれた。
良いのだ。これはお笑いのライブだから笑って当然、むしろ笑うべきなのだ。
私はふたりの演技力に圧倒されてしまい、あの劇場の空間が恐怖だった。
それすらも面白い。
コントライブを観に来てそんなことある?

殴られてのびている大河原さんの顔もすごかった。
ぐにゃんぐにゃんで頭と膝で立つような感じ。
あれは普通の人じゃできないよ。

と思いきや、ふたりで舞台の端から端まで猛ダッシュだよ。
30公演毎回全力ダッシュ。 
すごいんだよなぁ、体力とかバケモノ級だと思う。

大河原さんが「営業中でございあす」の看板をこちら側に向けて、「全品無料でございあす!助けがほしいでございあす!」って言って歩き回っていた。
昼休みのサラリーマンがたくさん彷徨いているのではないか?さすがに警察沙汰になりそうだね。

あの後、どうなったんだろう。
遅番で来た人もびっくりだよね、店内があんなに荒れていたら。きっと誰も居ないのだろう。
そうか、遅番はたにぐちか。

長谷川くん「お客さん来るまで殴り合いましょうよ」とは言うけど、誰が見ても一方的に殴ってるよ!
声を張り上げるでもなく、ただ落ち着いているように聞こえるトーンで喋る人は本当に怖い。
沸々とした怒りが見える。

あぁでも、大河原さんは知りたかったはずの長谷川くんの"裏の一面"を目の当たりにしてどう思っただろう。
私は「進研ゼミでやったところだ!」と思ったよ。
予習バッチリだったね。

終わり方がいちばん気になるコントでした。
あの誰も居ないございあすは…?
遅番出勤のたにぐちは…?

とにかく終始分からないことだらけで、異様な空気をひしひしと感じていました。
本当に怖くて面白かった。
大河原さんも長谷川さんくんも、どちらも全く違うキャラだけど愛おしいね。

―――――――――――――――――――――――

④株主総会

社長の元秘書の花沢香織が、株主総会にて新取締役に決まり挨拶をする話。

まずこのコントのすごいところは、没入感。
初見は配信だったので感じられなかったのだけど、劇場で観るとあの場が一瞬にして株主総会の会場になる。
あの時、あの場で私は間違いなく森住商事の株主の1人だった。

長谷川さん、今回2回目の社長だ。
この姿がよくお似合いになる。
さっきまで若い兄ちゃんだったのに、一瞬にしておじさんなのだからすごいよなぁ…。
それを言えばじろうさんは、20代前半男→男子高校生→(おそらく)30代前半男→お姉様→おじいちゃん だから振れ幅がえげつないのだけど。

ふたりとも、早着替えの間のたった30秒ほどで全く違うキャラクターになるので本当に感心してしまう。
コント師ってすごい。

新取締役に就任する花沢香織さんのスライドが出てきた瞬間、劇場が湧いてたな〜。
あぁ、今回はこのタイプのお姉様なんだ。
じろうさんの演じる女性は、気品があって可愛らしくて本当に女性そのものとしか思えない。
というか、あの瞬間はきっと性別も女性なのだと思う。
花沢さんタイプの女性はあまり見たことがないかも。

このコントはスルメなんですよ。
初見はそんなにハマっていなかったのだけど、観れば観るほど面白くなっちゃって。
パワーワードも続々と出てくるし、それでいて人生観と言いますか、真剣に聴かせる部分もあって感覚的なアレなんだけどバランスが良いなと思う。
どのコントもメッセージ性を感じるのだけど、その中でも特に強い"野村くん、寺山さんに会う"と"株主総会"を各コントの間である2本目と4本目に持ってくるのは、流石としか言いようがない。好きです。

最初の影マイクの件は何回観ても笑う。
見えないところで笑わされるとは。
コントを観ているはずなのに、没入感で株主の1人になっているのでそわそわした。

社長の力添えがあって選任されたことに感謝を述べる花沢さん。
「ひとつ、お聞きしたいことが 今回のこの選任、私は本当に実力で選ばれたのでしょうか?勘違いしないでください、社長とはそういった関係ではございません」
そうですよね、私も一瞬そうなのではないかと疑ってしまいました。すみません。

「私にも男性を選ぶ権利がございます」
そ、そうですよね…と思いながら社長を見るとぽかーん顔で「一方的に傷つけられた」と落ち込んでいて、なんだか私までしょんぼりしてしまった。
勝手なこと言われて怒るのかと思ったら落ち込むんですね、社長。可愛らしいじゃないですか。
20日の公演を観返したら落ち込んでいるというより、何故だ?という感じだったのでここもだいぶ雰囲気が違う。

改めて「実力何%、時代の風何%なんでしょうか?」と言ってスライドの資料を出す。
これは誰が裏で手を組んでいるんだ…?
しっかりリハーサルしているよな。

ぴょんぴょこする花沢さんに夢中でスライドに全然集中できない。
「乗っ取る気のないクーデターです!」「乗っ取れよせめて!」の流れがあまりにも好きすぎる。

よく考えて観返したんですけど、あの実力と時代の風の積み上げ棒グラフ?全然いらないじゃん!!!
びっくりしちゃいました。
花沢さんの躍動感に圧倒されていたけど、あれこそ本当にパフォーマンスだよ…。

実際に、女性を役員に選んでいる会社は本当に少ないだろう。
私の会社にも女性役員はいない。
そこを逆手にとって「前例を打ち砕き、時代の最先端を意識して女性を役員にする向上心のある会社」であることをアピールするために選任されたのでは?と疑いをかけているのだ。

なるほど…。
確かに、新しいことに挑戦する会社は見栄えが良い。
現代のジェンダーと地位に関する問題点からも、関心のある会社だと分かれば幾分心象が良くなる。
私はそこに全く想像が及ばなかったので、花沢さんは非常に頭が良いのだなと思った。
時代の風とは、そういった女性の地位向上に理解がある会社であることをアピールするための"女性という立場の利用"なのだ。
今の時代にすり合わせるために、女性という立場であることを理由に選任したのではないか。
仮に時代の風の割合が高い場合でも、私ならラッキー♪となってしまいそうなので、花沢さんはとてもストイックで素敵な女性だと思います。

少しコントからは逸れてしまうのだけど、個人的に気になったので女性役員が増えない・少ない理由を調べてみた。
女性は「出産・子育て」というライフイベントがある。
これにより仕事や働き方に影響を与えることを知っており、キャリアに対して問いを生むのではないかと考えている人が多いらしい。
もちろん一概に言えることではないですが。
上記のことを踏まえて、「女性本人にとってやりがいや意義を感じるかどうか」と「会社から本気で期待されているか」が鍵になるらしく、ここが合致しないと女性のキャリアアップへのチャレンジは阻まれやすいみたい。

2度目ですが、もちろん一概に言えることではない。
ただ2つ目の「会社から本気で期待されているか」が花沢さんには当てはまっていると思っています。
不安要素の大半がここなのではないかと。
"期待"ではなく、"会社の見栄え"として選任されたのではないかと不安になっているんですね。
花沢さん自身、決して実力に自信がないわけではない。
彼女のストイックさがそう思わせてしまったのだろうな。

でも実際のところ、社長が言うにはこの選任は1年前から決まっていたことだと。
それを聞いた花沢さんの「ぴゃ!」。
本当に漫画でも見たことないリアクションで可愛い。
「ぴゃ↑だ↑と↓」の社長のトーンが何回聞いても堪らない。

急に役員に噛みつく花沢さん大好き。
渡邊さんが子会社に出向したことに対して「そんな分かりやすい天下りありますか?この昭和の置き土産!」って言うんですけど、このセリフどこをとっても最高でしょ。こんな風に物申してみたいもの…。
なんだろう、この捲し立て方とスカッと感。

続いて田村さんにも物申すのだけど、最初から気になっていたところに触れられてドキドキしてしまった。
役員の名前を見ると、田村さんと丸山さんがいるのね。
ンヌ・オタクは絶対初見で気になったよね。
私のnoteを見に来る人は絶対に観てるだろうけど、リンク貼りますね。

シソンヌライブ[monochrome]"田村さんと丸山さん"

このコントを観てしまったら、もうどこで名前を見かけても「田村さん…」「丸山さん…」となるんですよ。
個人差はあります。

話が逸れてしまいましたが、ここで花沢さんが「田村さん」と名前を呼んだものですから私はチビりそうでした。
場所が場所なら漏らしてる。
そしてこの時の花沢さんの声色が、どことなく丸山さんに近くてね。

結局、その田村さんのことも相当なdisり方でしたけども。
「田村さん、笑っていらっしゃいますけどあなたは年齢的に役員になってもいいかな~?枠です、おめでとうございます率直な感想をどうぞ!」
辛辣すぎてめちゃくちゃ笑った。
社長の「やめろぅ!」も好きだ。
前任の社長と社長秘書という立場ではこのような日常がなかったというのか…。あったら選任できないか。
千穐楽付近になってやり始めた威嚇のときに見得を切るパターンも大好きなんだよな。
配信で見たらアップで寄ってって大爆笑しました。


「君は決してそういう理由で選ばれたわけではない!」と言う社長に実力100%であるかどうか念を押して聞く花沢さん。

「実力100%…ではない」
何故濁す…。

この場を治めるためにも100%であると言えば良かったのに。
株主総会だから嘘をつけないという理由なのか?
うん、私も今はっきりと聞き取りました。
花沢さんが聞いた?って小声で言って回っている。
社長は社長で、花沢さんのステップを楽しみにしているでしょ。

選任の内訳を教えてくれないのは言う必要がないからと言うけど、ん~。
納得いかないね。
調べたら、株主総会で虚偽の回答をすると罰せられるらしいです。
そりゃそうか。
嘘は言えないから実力のみではないことは伝えたけど、内訳まで言わなくて良いってことなのか。
「時代も実力のうち」「言わないのも時代」
ふわふわした謎ワードが続々と出てくるな。

花沢さん、自棄になって転々と改名する。
花沢香織→花沢The時代The香織→時代→時代(ツィータイ)
社長の「ツィータイ」を「チータイ」と発音するところがリアルにおじさんっぽくて最高だ。

ツィータイさんの役作り不足で名前を元に戻した花沢さんは、「役員になったら女性らしく会社をピンクにしてピンクの自転車で通勤して…」と女性らしさ全開で挨拶していく。
確か初日あたりだと「出社することをおでかけと呼ぶ」みたいなことも言っていたような気がする。
なんかサンリオの世界みたいで可愛いね。
皮肉なんだけども。

社長も自棄になって「じゃあピンクの会社にしてください!」って言うけど、そりゃしたいわけないよね。
情緒不安定になっているけどそうなってしまう気持ちもわかるなぁ…。

ずっと役員に憧れていたけど、女性がなれないのは当たり前だった。今では不遇の時代と言われているけど、不遇だと思ったこともなかった。でも今は優遇されていることで苦しんでいる。と胸の内を明かす花沢さん。

女性が役員になれないのが当たり前だった時代にずっと縛り付けられていたのだな。
大前提に、女性がなれないものだと染みついているから選任されたときに疑いが生じるわけで。

最近私もよく感じるけど、女性が今まで不遇な目にあってきた分を取り返すかのように、過剰に優遇されることって増えていますよね。
目指すべきは優遇ではなく、平等なはずなのに。
平等に戻すための優遇なのかもしれないけど、確かにこのあたりの問題って複雑だな…。
別に「女性初の」って前置きはいらないもんね。
そりゃ女性役員になる人間として、利用されていると感じてもおかしくないよね。

このコントを観てからますます考えるようになった。
受け入れ態勢が整うことに越したことはないから、きっと良い方向に進んでいっているはずだし、あと何年かすれば女性役員がいて当たり前の時代になるのかもしれない。
これもまた時代なのだ。

こんな真面目なことを花沢さんの吐露で考えていたのにこの直後笑わされたものだから、そうだ!コントだった!と一瞬にして引き戻される。
何回もコントを観てきて慣れているはずなのに、やっぱり引き込まれてしまうね。恐るべしンヌパワー。

一方で社長も苦しんでいたのだ。
若い頃からバリバリ働き、スピード出世で今の地位に辿り着いた頃にはもう周りにはイエスマンしかいなかった。
誰も逆らわない、否定もしない。孤独だったと。
歴史を守ろうとすれば考えが古いと言われ、新しいことにチャレンジしようとすれば無理をしていると言われる。
花沢さんを推薦した時もそうだったと。

そんな社長の気持ちも知らずになんだか申し訳なくなってきたな…。
やっと花沢さんを取締役に就任できたと思ったらこれだもの。
辛い。

「今の時代誰もが生きやすい分、誰もが苦しんでいる」

「だから君も女性初の役員として頑張ってくれないか」

うわ~…これは泣いてしまう。
花沢さんも落ち着き、いや落ち着いてはいないか。
感極まって過剰な表現の挨拶にはなっているけど、気持ちはめちゃくちゃ伝わってきました。
ぜひ他社をなぎ倒してとんでもねぇ会社にしてください。

結局、実力90%ってすごい結果だと思うの。
会長の娘が40%くらい持っていってもおかしくないでしょ。
花沢さんが不安に思っていた、時代の風ではなかったけどきっとあの場に居合わせた役員や株主の皆さんには絶対何か感じるものがあったと思う。
うん、なんだか円満で良かった。

先のコントの話にはなってしまうのだけど、この次の"病院にて"にも通じる部分がある。
この「女性役員がいる会社」という新しいことを、当たり前にする土台となったのが花沢さんになる。
今も花沢さんや社長が苦しんでいたように、新しいことを何か始めるにはパワーや犠牲が必要になる。
生きていて当たり前だと思うことの中には、先人たちが頑張ってくれたから当たり前になっていることがたくさんあると思うんですよね。
きちんと感謝していかなければな。

本当に素敵なコントでした。
観れば観るほど好きになっちゃう。

―――――――――――――――――――――――

⑤病院にて

人類の未来のためにとある仕事をしている泉水さんと、社長秘書のはらださんとの病院でのやりとり。

最初の方でも書いたけど、幕間の心電図の映像・音からそのままコントに繋がる演出が好きすぎて卒倒しそうになった。

まず最初寝ているとき、おじさんなのかおばさんなのかギリギリまで分からなかった。
もみあげのせいだよ。

点滴は表に針が刺さっているものは抜いて良い、内側に刺さっているものは抜いたらダメ。
勉強になりました。

どうやら泉水さんは、環境破壊や生態系の変化によって食べられないものが増え人類が滅亡の一途をたどる今、誰も食べたことがないもしくは食べてはいけないと烙印を押されてしまったものが本当に食べられないのかどうかを、身をもって検証しているらしい。

なるほど、確かに食べられないものだと言われたら絶対に口にはしないけど、そう言われているだけで実は食べられるものもあるかもしれないもんな。
すごい会社だ。倫理的に大丈夫なのか気にはなるけど。

表稼業とされている家電の安売りや社長がテレビに出演するのは、この所謂人体実験のための費用のためらしい。
人体実験と書くと途端に悪の組織感が増大しますね。


はらださんはこの泉水さんが未知のきのこを食べるところを記録係として、動画に収める手伝いをする。

1個目は鹿児島の阿久根で大量発生しているきのこ。
えりんぎに似ていて噛めば噛むほど汁が出るので"汁茸"。
色はヤバいけど話を聞く限り美味しそうだな。

はらださんのおかげでノッてる泉水さんが可愛い。
ここ、カメラちゃんと電源入ってるのを見てすげ~!となりました。
実際に録画しているかは分からないけど、もししているなら特典映像にしてほしいな。

ここでやっぱり、はらださんが「これは人体実験なのでは?」と疑問をぶつける。
私も思っていた。
生死に関わる仕事だし、本当に倫理的に問題がありそうなだなと。

でも泉水さんは「私たちみたいな1940年代50年代生まれの人たちからすれば当たり前に行われてきたこと」だと言い、特に気にはしていない様子。
それに「モルモットに食べさせて拒絶反応をを示すからといって、人間がそうとは限らない」と言う泉水さん、めちゃくちゃ説得力がある。
実際はそうはいかなくて、もちろん倫理的な問題もあるからモルモットが食べられないものは人間もやめておきましょうねってことなのだろうけど。

確かに、食べられるかどうかを最初に試してくれた先人には感謝しないとなぁ…。
いつも思うけど、納豆のあのビジュアルを見てにおいを嗅いで口に入れちゃお!となった人はどんな人なんだろう。
美味しいし大好きだけど、これだけは初めて食べた人が気になって仕方ないな。

はらださんは社長秘書としてのスキルが完璧すぎる…。


2個目は北海道の黄金山で採れたきのこ。
周りには必ずリスの死骸が転がっているらしい。
「リスはダメでも人間は?あぁん?」って煽りが最高。
配信慣れしてるでしょ泉水さん。

黄金山(こがねやま)って本当にあるんだよね。
調べたら出てきてびっくりした。
探しに行くか…。

見た目は普通のきのこだけど、一瞬心臓が止まって「めぇ~」と叫んだ。
脳に蔦が張る感覚って絶対ダメなやつじゃん。
いや、心臓止まった時点でヤバいんよ。
普通にお話ししていらっしゃるけれども。
これ病院で心電図を繋いでいるから分かるだけで、普段は外だろうから分かんないよね…。命懸けすぎる。
リスはぽっくり逝くから"リスごろし"。
鬼ころしよりは弱そう。
名前を聞いて「え~」って言うはらださん、もう泉水さんに慣れてきた感じですごく良い。

この身体の反応を見てはらださんは「さっきの反応を見る限り、毒ありますよね?」と言うけど、それに対して「親しみがないというだけで毒という考えは良くない」とわさびを例に説明をしてくれるのだけど、これがもうド正論過ぎて。
泉水さん、ハチャメチャに見えるけど超まともなことを言ってるので脳がバグる。
何事も先人に感謝せねばね…。

ここから私信ターンです。
私がうにこという名前なので勝手に言っているだけですが。
「うにか女の尻か」、いただきました。
これ聞いてずっと、私のアイコンが意図せずネタバレみたいになってしまったなぁ…と思ってた。
まじでどうでも良い話ですみませんが、dix衣装を着たうに軍艦を描いた私は爆笑しましたね。
これなんですけど。



1日目から、多くても14日より前で「うにを割ろうと思った人に感謝」と「割った中から黄色を食べた人に感謝」の件がなくなってた。
序盤からそんな悪夢を見ていたとは。
最初から観返したら「食べられませんよぉ!」って本当に言っていた。
確かに見た目グロテスクだし、知らなかったら恐怖でしかないよな…。
じろうさんのインスタの古い投稿見ると、うにの写真がたくさん出てくるので本当に好きなんだろうな。
私もうにが大好物だからこのハンネにしたので、なんとなく嬉しくなっちゃったシーンでした。

3個目は「あの世茸」。
山梨県の毒アルプスにある毒きのこしか生えないところの最古参。
名前も場所もヤバすぎて笑う。
"食べられそうだけど食べちゃいけない毒きのこ"って感じ。
外国のきのこの味がするのもなんかダメそうだし…。

泉水さ~ん!!
立っているときの方が楽っていちばんしんどい時のやつ、このコントで一番好き。
めちゃくちゃ心臓止まっているけど大丈夫なんか…。

泉水さんの身体だから耐えられたんじゃないかと、本人にちゃんと言えるあたりはらださんは仕事ができる人だな~と思う反面、結構残酷なこと言うなと思った。
「見た目が変ですし」の失礼インパクトで霞んでるけど、今までやってきた仕事を全否定する言葉ともとれるのでドキッとした。

観ている側としては照明がついた瞬間から気になっていた見た目について、ここで触れるんだ!と回収のタイミングに惚れ惚れしれしまった。
3日前くらいに生えたもみあげ、あまりにも剛毛すぎるよ。

人間の弱い部分は恋をする心と言う泉水さん、意外とロマンチストで微笑ましい~…と思っていたら心臓止まった。
わりと長めに死んだよね…。

ふたりでびっくりしている顔が最高。
「数センチだけ死んだ」ってパワーワードだな。
泉水さんの仕事、本来はこうやってペア組むべきだよね…。

先生が本当の空を見ると喜ぶの、富裕層の娯楽って感じでいよいよ怪しいな。
カイジでいう鉄骨渡りの先で楽しんでる富裕層じゃん。
人類のためになるとはいえ、本当にこの会社大丈夫か?
泉水さんは見合った給料もらえてる?

などといらぬ心配をしていると、突然泉水さんが泣き出した。
「さっき一回死んだ」
やっぱり怖いんですね…。
泉水さんであろうとも、死の淵まで行ったのは初めてだったのかな。

はらださんがいて良かった。
今回お付きの人が現れて気づいちゃったんだろうな。
1人でいれば自分の思考だけ信じて仕事をすれば良いけど、「これは人体実験なのでは?」とか「泉水さんの身体だから耐えられたのでは?」とか、きっとうすうす心の奥底では勘付いているようなことをダイレクトに言われて弱い部分が出てしまったのだと思う。
人体実験に関しては承知の上だったけどね。
死の淵まで行った(というか死んだ)+上記の理由で泣いちゃったんだろうな~って考察。
あとはらださんと最初から相性が良いところも相まって。

この後「大丈夫です、今は帰ってきてますから!」「泉水さんのためになんでもサポートしますから!」と力強く言ってくれるはらださんはマジで何者ですか…。
頼もしすぎるよ。
弱音を吐ける相手も「これまずかったぁ~」と言える相手もいなかったんだと思うと泣けてくる。

4個目は愛媛の山奥の鹿とヤギが密集した糞場から生えたきのこ。
それはもう糞じゃあ~って私の心の中のノブが言うとる。
見るからにうんこ…。
サザエさんのED方式で生まれたきのこっぽいです。

ここのシーンも、31日の昼公演で初めて言って夜公演では言わなかったのを千穐楽で復活させたみたい。
「泉水さんはサザエさんを知らないのではないか」と思って入れなかったらしいんだけど、夜公演のEDで「いや長谷川町子先生と同い年くらいだから知ってるでしょ!」って結論になって千穐楽では入れたんだってさ。
こういうの面白いですよね、好き。

本当に泉水さん、今までうんこの1つや2つ食べていたんじゃないかな…。
「よく見ていきましょう!」ってアドバイスくれたのに即食べようとする泉水さんが面白すぎる。

5個目はきのこの山のオブジェ。
お菓子の廃工場の近くに転がっていたものらしい。
もはやきのこですらない!
泉水さんはさすがにきのこの山の存在も知らないだろうな…。
歯折れちゃうよ。
何よりもオブジェ部門が存在することが心配すぎる。
土とかオブジェに比べたら、まだ食べ物の分類ではあるきのこ部門はマシな方なのかな。

6個目は…奄美のほうにあるれんれん島という、人の形をした島の中心にあるご神木から生えたきのこ。
いや~なぬめり方をしていますけど、まさか…ね。
「立派だろ?」「大きいですね」のやりとりが卑猥に聞こえてめちゃくちゃ笑ってしまった。
「いってきます」「いってらっしゃい」ってあの世にですか?

まさかさ、10回目の記念すべき公演の最後のセリフが
「ちんぽこ茸」とは思わないじゃん…!!!!!!!
こういうところがシソンヌらしくて最高な気持ちになった。
らしさしかない。大好きだ。

そして以前じろうさんがツイートされていた、熊と全裸男のネタ代わりとなったのがこれなのだろうなと肌感で分かりました。
違ったら恥ずかしいけど、そんな気がしている。
地元の事件と同じネタ、観たかったなぁ。
こんなミラクルを起こせるところも好きだ。

―――――――――――――――――――――――

ED

14日の2部について。
この日は言わずもがな、じろうさんのお誕生日。
例年の単独の写真を見ていると、ケーキでお祝いしているみたいだけどこのご時世だし何もなく終わるんだろうなと思っていた。
思っていたし、ガッツリ気を抜いていた。

いつも通り、配信とグッズの告知をし「今日は相方のじろうが誕生日なんですよ」と言う長谷川さん。
めちゃくちゃデカい拍手が響き渡る。
私もここまでは想定できた。

が、おもむろにポケットをごそごそと漁りだす長谷川さん。
ん…?

「今日はじろうに手紙を書いてきました」

は~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?!?
びっくりしすぎて生まれてから今まで出したこともないような、デカくも小さくもない悲鳴をあげてしまった。
隣のカップル、本当にごめん。
人間びっくりすると悲鳴が出るものなんですね。
未だにポケットを漁る長谷川さんの姿が目に焼き付いて消えない。

ここから朧げな記憶を辿りながら書きますので、ご了承ください。
お手紙の文面ですが、脚色もあるかと思います。
大体こんな感じでした。

Dear.じろう
誕生日おめでとう
最近の肛門の具合はどうですか?
引き締めていこうな
16年前、出会った頃はマリリン・マンソンそのものでしたね(彫りが深いから)
いつまでコントできるか分かりませんが、倒れるまでお笑い続けような
愛をこめて花束を
長谷川忍

うっわ~~~~~~~~!!!!!!!
マジか、私今とんでもないところに居合わせているな、正気ではいられないよ。

長谷川さんが読み始めたときに、口パクで声当てている風に振舞ったり、卒業証書授与みたいな感じで渡された後にいるはずのない次の人に授与したり、手紙でお尻を吹く仕草をするじろうさんを見て、いつも通りのシソンヌだなと思ったし好きになってよかったと心から思いました。

特別な日もいつも通りのシソンヌなの、良さしかなくて。
長谷川さんのお手紙の内容もグッときたしとにかく涙目でした。
尊さで殺す気か…。

この日はフォロワーさんとお会いしていたので、終演後に気持ちを吐き出してどうにか理性を保てました。
電車の中で叫ぶところだった。

電車に乗った瞬間、即Superflyの"愛をこめて花束を"を聴きました。
歌詞がめちゃくちゃ良いし、あのお手紙観たあとだと刺さるよ…。

どうやら1部ではサプライズ的なものがなかったようなので、2部を当てられた自分を褒めてあげたい。

本当に良いコンビだな…。
あからさまに仲良しコント師って雰囲気でもないのに、って言おうとしたけどめちゃくちゃ仲良しだったわ。
なんだろうな、ネタを作るのはじろうさんだけどちゃんと長谷川さんを必要としているしお互いに尊敬しあっているんだなって思えるところが本当に好きです。

倒れるまでお笑いやってほしい。
でも絶対辞めないで!とも思えない。
とにかくお2人が、やりたいときにやりたいことをできる環境になってほしい。
地元に帰りたくなったら帰ってほしいし、自分でも不思議なくらい受け身な姿勢。
うん、大好きだな。
今これ書きながら泣いちゃってるくらい好き。
出会えて良かった。

ポンコツなので他の日のEDはあんまり覚えていません。
あ、31日1部のじろうさんの好きな言葉は「ふぐり」でした。
めちゃくちゃ声出して笑ったのに、長谷川さんが「5人くらいしか分かってないし笑ってないよ」と言うもんだから恥ずかしくなっちゃったよ。
面白いじゃん、ふぐりって響きが。
なんか可愛いし。

この時点で千穐楽は「うんこ」なのだろうなと想像できていた。
シソンヌ・オタクは満場一致だったと思う。
アンケート取ったら100人中100人、「うんこ」と書くだろう。

実際、千穐楽の締めは感極まった「うんこぉ!」でしたね。
一瞬、来年の告知忘れてんじゃないかと思ったよ。
毎年千穐楽のEDで告知するから構えてたのに、なかったから拍子抜けしてめちゃくちゃ笑った。
あったけぇ現場だな。


余談ですが、31日のライブ後のこと。
心の中に閉まっておこうと思ったのだけど、ご本人たちがそのままツイートされていたので書きます。

退場して入り口付近にいたら、中からレインボーのジャンボさん、吉住さん、そいつどいつの刺身くんの3人が出てきた。
わ~、やっぱりシソンヌのライブって後輩たくさん観に来るんだなと思った。
内容を聞くのもいやらしいなと思って聞き耳を立てないようにしていたのだけど、それでも感じるほどの熱量で[dix]の感想を話されていた。
とにかく3人とも興奮していて、なんとなく既視感を覚えた。

そう、私と同じようなオタクそのものなのである。
尊敬しているお笑い芸人さんも、元を辿ればお笑いオタクなんだ…!と思った。
そして、テレビでもよく観る芸人さんたちにここまで影響を与えられるシソンヌさんのすごさに改めて圧倒された。
本当に後輩や同期に慕われているのだなと心から思った。
[dix]を浴びて尚、こんなにもパワーを感じるとは。
めちゃくちゃ語彙がないけど、とにかくすごい。

そして何分か話した後ジャンボさんの「お笑いっていいな~!最高だな~!」でお開きに。
いやこんなにかっこいい去り方ある…?
改めてお笑い芸人という職業の方々を尊敬したし、もうとにかく胸がいっぱいになった。
お笑いをやる人たちって、かっこいい。
私、お笑いが好きで良かったな。

ちなみに吉住さんがされていたツイートはこちらです。
吉住さんのツイート

―――――――――――――――――――――――

最後に

軽くまとめを。
今回のシソンヌライブ[dix]の5本のコントに共通することを探してみました。

まず「新しい環境」や「慣れない環境」であること。
過去の単独を思い返すと、家族や恋人や友人など2人が長い付き合いである設定のコントがどれかしらある。

で、今回は2人が出会ってまたは関わるようになって"3ヵ月以内"であるものが多い。
新入社員であったり、高校生活に慣れないでいたり、バイト先の人と初めて一緒に仕事したり、新取締役に就任したり、初めて会う人の付き人になったり。
関係性が浅いことがよく分かる。
"株主総会"だけは、社長の秘書をやっていたとのことなので付き合いはあるけど、今回は新取締役に就任するとのことなので「新しい環境」が当てはまるのではないかなと思います。
100%辻褄が合うわけではないところがダメね。
考察不足を実感。

あとここからもうひとつ見えるのは、私たちの時間軸、いわばリアルタイムに沿っているのではないかということ。
新入社員であることと「3カ月前から始めている」というセリフから、だいたい今が7月頭くらいかと想像できる。
他にも設定が、高校に馴染めていないとか株主総会でなんとなくこの時期が当てはまる。
ちなみに株主総会は決算から3ヵ月以内に行うものらしい。
また3カ月だ。
決算が3月末だとすれば辻褄が合う。
とかそれくらいなので明確ではないのですが。

純粋に新入社員や新生活が始まって高校に馴染めないこと、新しい役職に就任するなど、今の時期ダイレクトに刺さるものが多かったなという印象です。
実際私も職が変わって悩んでいたのでグサグサと刺さりました。
側に居てくれたら嬉しいと思うコントばっかりだった。

あ~もうこれだから観劇やめられないな!
烏滸がましいけど救われたくなっちゃうんだよな!

笑わせて嫌なことを吹っ飛ばしてくれるし、ときには諭してくれるし、泣かせてくれるし。
どうしていつもこんなに素敵なコントを生み出せるのだろうか。

DVDにつくオーディオコメンタリーが楽しみだな。
個人的にお2人の漫画トークが好きだし、コントの解説も無理やりはしてほしくないのでとにかく自由で居てほしい。
またメイキングも観たい。
お誕生日のEDに関しては全人類観て!って気持ちと、あの瞬間のあの場の空気感を大事にしたいから収録しないでほしいという気持ちのせめぎ合いです。
なんてわがままなのでしょう。


そうだ、上映前のアナウンスが今年は陽子さんでしたね。
今年も会えて嬉しかった。
4回とも逃さずに聴いた。
去年は敢えてnoteに書かなかったのだけど、野村くんでした。

2人とも長谷川さんに濃厚接触を持ちかけるところが可愛かったな~。
来年は誰が出てきてくれるのか、今から楽しみ。
なんなら[neuf]より前のアナウンスがそれぞれ誰だったのかも気になる。


こんなところでしょうか。
このご時世に無事30公演完走されたシソンヌさん、本当にお疲れさまでした!
そして素敵なコントをたくさんありがとうございました。
普段はライブの後って、帰りたくない気持ちが強いのですが、シソンヌさんのライブは余韻に浸って幸せな時間を過ごせる。
幸せな気持ちいっぱいで帰ることができました。

また来年のシソンヌライブ[onze]も本多劇場に伺えたら良いなと思っています。
オーンズって読むんだって。
発音調べてみたら難しかった。

日数が少ないから争奪戦だな~と思っているけど、他の芸人さんはそもそも1週間もやらないって。
感覚が麻痺している。
それでも30公演完売させたシソンヌさんですからね、今から仕事頑張って徳を積んでおきます。

ここまで読んでくださった皆様、乱文駄文で28,000字近く書いたのにもかかわらず、長らくお付き合いくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?