東京で働く

都内の会社を辞め、地元に帰ってから初めて東京に遊びに行った。

久しぶりに会う、以前の同僚たちは、相変わらずな会社に対して愚痴をこぼす。

懐かしい光景だった。

しかし、地元で働くわたしにとっては、都内で勤務する彼らのことが輝いて見えた。

わたしも同じ場所で働いていたし、膨大な仕事量や、会社の体制に同じように不満を抱いていて、ついこの間までは同じ境遇だった。

しかし、離れてみると、「東京で働く」ということは輝いて見えた。

たくさんのお店、多くの人、張り巡らされた鉄道の数々。

この街で働き続けることができなかったことに少し悔しさを感じる。

もう少し上手くできたらよかったかもしれない。

もちろん、今の選択に後悔はない。こうしてよかったと思うところがたくさんあるし、わたしにとって東京は、遊びに来るぐらいがちょうどいいのも確かだ。

しかし、かつて地元の友人が、都内で勤務するわたしを見て「かっこいい」と言ってくれたように、わたしにも彼らはかっこよく見えた。