有名な3社のオーディオインターフェース独善的リコメンド②
前回に続きまして独善的オーディオインターフェースリコメンドです。
Apollo Twinは高級感もあり全体的に高機能でしたが出音の精細さに欠ける気がしました。
115Vに昇圧したApollo Twinはレンジが広くなった感じがあり中域から低域にハリが出たように感じました。
これはこれでHIPHOPを聴く時なんかは良い感じだったのですが求めていたのはMIXに耐えうるモニター用の環境でした。
Apollo TwinのAD/DAはよく言えば非常にアナログライクな音で、僕の好みではありましたが
悪く言えば音が団子になっている感じがあり、高域の抜け感がよくなかったのがネックでした。
またこの頃には友人のレコーディングを引き受けることが多くヘッドホンアウトが1つしかないApolloの場合はヘッドホンアンプなどを導入するしかなかったのです。他人のレコーディングの為に痛い出費です!
そんな僕が次に手を出したのはAntelopeのDiscrete 4でした。
機能性としてはApollo TwinとBabyface Proの間のような感じらしく
具体的に言うとApolloシリーズのようなDSPを使ったエフェクトの掛け録りが出来るのと、音質がBabyface Proよりもいいらしい?との噂。
しかもヘッドホンアウトが4系統独立しているのでヘッドホンアンプ等いらずで複数のヘッドホンを差してモニターが可能ときた。
これさえあればレコーディングの際にヴォーカリスト、エンジニアの他にディレクターやお母さんもモニタリング出来るということです。
10万円クラスのインターフェースでヘッドホンアウトが4発付いているのはコイツくらいじゃないか?
しかも名前にDiscrete 4とある通り4発付いてるマイクプリは全てディスクリート仕様ということで音質にも自信ニキのご様子。マジでそのまんま。
Babyface Proが最新のクロックを備えて進化したのは記憶に新しいですがAntelopeだってそもそもがクロック屋ということでRMEにも負けない高品質なクロックを備えているらしく非の打ち所なし。
極め付けには先述したようにApolloのような高品質なエフェクトが使えるということで鬼に金棒。トランプに核。
本体はハーフラックサイズなのでちょっとプロっぽいぞ。
ちなみにドライバのダウンロードがめちゃくちゃ複雑です。パソコン初心者は脱落するレベルです。
数時間かけてセッティングし期待に胸を膨らませて音を出力してみると
出音めちゃくちゃいい
ぶっちゃけて言うと出音に関しては3機種の中で一番好みでした。
Apolloと比べると膜が一枚とれた感じ。ハイも伸びるし
Antelopeご自慢のクロックのお陰か解像度も高いです。
一番良いなと感じたのは音の艶。
ディスクリート回路がいい仕事をしているのかRMEに比べて暖かく色気のある聴いていて気持ちのいい音でした。
柔らかい音なのでMIXに向いている訳ではないかもしれませんがリスニング目的であれば一番良い音を鳴らしているように思いました。
リバーブなどのアンビエントも十分聴き取れる解像度だったと思います。
入力の音に関しても自分には問題なかったです。
僕はマイクエミュレーション機能を持ったEdge Soloというマイクと一緒に購入し、Discrete 4と合わせて使うことでNEUMANNなどといった高級マイクに似せた音で録音することが出来たのですが確かに特性は似ているように感じました。(安物のNEUMANNという感じでしたが使える音です)
しかもBAE1073(NEVEを踏襲したマイクプリ)をモデリングしたマイクプリや定番コンプをApolloのUNISON機能と同じようにゼロレイテンシーで掛け録り出来てしまう!なんでNEVEやないねんとは思う!
が、総合的にみて優勝!
これは最強のインターフェースに出会ってしまったぜ〜目指すは宇宙!
からの急転直下
しばらくしてすぐメルカリ行きになりました。
結論:ドライバがマジで不安定
あくまで僕の環境の話ですが、Antelopeのドライバ不具合問題は調べたらすぐ出てくるくらい有名です。
僕の場合はヘッドホンのマイクの返しが突然返ってこなくなりました。留守だったのでしょうか。
ルーティングを見直したりドライバの入れ直しは勿論、ファクトリーリセット(出荷状態に戻す)、115Vへの昇圧まで様々なことを試しましたが
バグっているとしか思えない挙動で二度とマイクの返しが返ってくることはありませんでした。
副次的な効果ですが昇圧したら更に出音がよくなりました。
まぁでもAntelopeにはUAに負けない高品質なエフェクトがあるぜ!!
結論:AntelopeのエフェクトはApolloみたいにプラグインとして使えずあくまで基本は掛け録り専門
プラグインをDAW上でインサートすることはできません。既にあるソースにエフェクトをかけるのは無理じゃないけど基本無理と思ってください。
Macでのみやろうと思えば出来ますが手間と金がかかります。公式でもプラグインではなくラックエフェクトと言っているように掛け録りがメインみたいです。
結論:日本代理店の対応がマジで悪い
Antelopeを使わなくなった決定的な理由がこれです。
想像以上に悪いです。音は好みだったのですが人にオススメできない。なぜならサポートがクソ過ぎるから。マジSHITです。
ドライバが不安定なのは承知で使っていますがその上に次々と不具合のある商品をリリースしてゆきます。商品に致命的な欠陥があるにも関わらず、日本代理店は不具合を認めないばかりか顧客の環境のせいにしたりしながらしれっとドライバアップデートで不具合を直したりする会社です。信頼がマジで置けないです。
ドライバが不安定であることや後続の製品に兎に角不具合が多かったこと
そしてまともにサポートしてくれないこと(最終的には返金対応になったようです)を鑑みて、Discrete 4を使っている中で何かトラブルが起きた場合にまずDiscrete 4を疑ってしまうというストレスの高い状況が生まれてしまいました(実際返しの音が出てないし)
よって不具合のサポートを満足にしてくれないのであれば使う価値はないと判断し手放してしまいました。
いくら音が良くても不安定なものや使っててストレスがたまる製品はレコーディング時に使えないという理由です。インスピレーションが湧いてきてDAWを立ち上げても毎回トラブルシューティングから入るという日々が続いた為の決断です。
俺のDiscrete 4はメルカリで出会った日本のHIPHOPカルチャーの黎明期を支えた某有名DJに拾われてゆきました。セカンドオーナーのその方は基本的にDAコンバータ的な使い方をしているようで満足しているとのことです。
余談ですがDiscrete 4を買った時に、Apolloを差しっぱなしにしておけばDSPだけ使えるということに気付きました。
Apolloから他社製品に乗り換えてもSatelliteのように使用することでUADプラグインが使えるという訳ですね。
更に余談ですがDiscrete 4はUSBとThunderbolt接続が選べるのですが
理論上音質に差がないとしながらもフォーラムではThunderboltの方が解像度が高いという報告があり実際に試したところ僕もThunderbolt接続の方が音が良いと感じたので出来ればThunderbolt接続が好ましいと思います。
明日に続く。
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