名画座

  どうも舎弟のならたです。ステイホーム期間、自宅で映画をたくさん観た方も多いかと思います。いまやAmazon prime videoやNetflixといったサブスクで山ほど映画が観れる時代です。いい世の中になりました。10年前でも考えられませんね。しかし、映画はやはり映画館で観てこそ本来の魅力をより楽しめるものです。どの作品も大スクリーンで観るために作られているわけですから。

 とは言ってもこのご時世、映画館に気軽に足を運べないですから、もどかしいものです。私は学生時代、映画館に通っていたので映画館の思い出がたくさんあります。とくに名画座での映画体験は貴重なものです。詳しくない方に説明すると名画座というのは、主にすでに公開された作品を遅れて上映する映画館です。大体昔ながらの二本立て興行を行なっている場所が多いです。

 私の初めての名画座体験は、飯田橋のギンレイホールだったかと思います。ギンレイホールは数ヶ月前にロードショーされた作品を二本立て興行で、二週間おきぐらいに作品が入れ替わります。名画座の中でもかなり老舗かと思われます。

 私は大学に入って名画座という存在を知り、とにかく名画座というものに行ってみたくて、ギンレイホールに行きました。たしか『舞妓はレディ』を観たかと思います。二本立て興行は、二本鑑賞しても同じ料金なので、二本観た方がお得なのですが、まだ私は二本続けて観る勇気がありませんでしたので、一本だけ観ることにしました。一日の最後に上映される作品は、少し料金が安くなるのでそれにめがけて足を運びました。

 ギンレイホールは飯田橋駅すぐ近くにある映画館で、建物自体はそんなに大きくはありません。スクリーンも一つだけでとてもこじんまりとしています。ただ建物の作りがとても風情があってどこか懐かしさを感じます。懐かしさを感じたというのも、私が物心ついた時には、シネコンと呼ばれるいつくもスクリーンのある巨大な映画館が主流になっていましたから、本来の意味で懐かしいということでもないのですが、そんな私でも懐かしさを感じるぐらい趣がある映画館なのです。場内に入ってみると、100席ぐらいの座席にチラホラ人がいるという感じでした。

 上映が始まると、まあそこは他の映画館とはとくに変わらず、普段通りに映画を鑑賞する場で、映画の余韻に浸りながら普段通りに帰宅しました。

 ただ、名画座で観た映画は場所と一緒に記憶に残っていて、今こうやって思い出せるぐらいですから、不思議と印象に残るんですね。あそこのあの席で観たなあという記憶が割と鮮明に蘇ってくるんです。これはとても素敵なことだと思います。


 その後もギンレイホールに足を運びました。『ゴッドファーザー』パート1とパート2のオールナイト上映にも行きました。それが初めてのオールナイト上映でもありました。『ゴッドファーザー』のオールナイト上映ともなると満員で多くの人で溢れかえっていました。そこで眠気に耐えながら、フィルム上映の『ゴッドファーザー』を噛み締めました。

 他にも池袋の新文芸坐で押井守監督のオールナイト上映に行ったり、高田馬場の早稲田松竹でベルイマン監督の二本立てを観たり、目黒シネマで大林宣彦監督の二本立てを観たりと、とくにクラシックな作品を目掛けて様々な名画座に足を運びました。

 上映スタイルも名画座によって特徴があって、ギンレイホールは先述した通りですが、新文芸坐はほとんど毎日上映ラインナップが変わり、年間で上映される作品数は群を抜いて多く、早稲田松竹は、数ヶ月前に公開された作品にそれに関連する作品の二本立てといったラインナップが目立ちます。どの名画座にもこういった特徴があるので、映画好きに選択肢を与えてくれるのです。
 
 とは言いつつ今はひとまず家で映画でも観ましょうか。

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