校長スケッチ

MIKAWA通信 2022年春号 №62 掲載

 新春も過ぎて、如月、梅も咲きそうな温もりです。しかし、三川は知る人ぞ知る極寒の建物。外に出た方が暖かく感じます。春が近づいて外が暖かいのか、建物が寒すぎるのか、感覚がおかしくなるのが三川の冬です。お陰様で寒さには随分強くなりました。マスク生活の恩恵もあり、風邪には縁のない日々です。このまま、あらゆる感染症にも縁なく過ごしたいものですね。
 さて、三川の心臓破りの坂の中腹にある精道学園の土地に、有志の方々が花や農作物を育てて下さっていたのですが、昨年引退されることになりました。雑草も伸びてきた頃、果敢にも三川の若手教職員が「畑をしたいです!」と申し出てきて、引き継ぐ事になりました。
 そう決まりますと、我々夢想家の夢は無限大に広がり始めます。「これから毎日手作りの野菜や果物が食べたい!」と。一先ず、スタンダードな野菜“大根・蕪・人参”の種を蒔いた様です。次に、鉢栽培していた金柑・レモン・梅・オリーブ等の植樹を行いました。植樹祭!?の鎌入れの写真を撮ったり、教職員・生徒全員で見学にいったりして、その日は大いに盛り上がりました。
 しかしながら、何度かこの校長スケッチに書いてきましたが、三川には、あらゆる野菜・木・花の育成に失敗してきた黒歴史があります。皆さんから「プチトマトは簡単!沢山なって食べきれなくて困っちゃう!」とか「鈴なりのオクラ。早く収穫しないと固くなっちゃう!」…「庭でなったブルーベリーです。製菓実習にでも使ってください。(ドカーンとビニール袋一杯)」などのお話を伺う度、私たちと何が違うのだろうと思ってきました。ですので、私個人は畑には消極的でした(今も手伝いませんが)。
 新しい三川は違います。畑の土地はいつも整えられ、色とりどりの季節の花が咲き、且つ、大根や蕪の葉っぱがわさわさと生い茂っています。おぉ!これぞ生きた畑ではないですか!見た目は前任者並の畑です。初物の大根は、お正月の雑煮の餅の下に薄く敷かれました。通常、お椀の底に収まるほどのサイズに切られますが、そんな必要がないくらい細い(大根の桂剥きをして残った芯を想像して下さい)ので、ある種便利だね、と思いました。蕪も丸ごとサラダに収まる位かわいい。(手伝いもしないで悪態をつくと食べさせてもらえなくなるので程々に。)精道ホームアーツ・スクールにお越しの際は、是非この畑にもお立ち寄り下さい。かわいい野菜たちに癒やされること間違いなしです。

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