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MIKAWA通信 2018秋号掲載

 この夏ホームページのデザインを新しくしてみました。以前から手前味噌の素人ホームページがありまして(その路線に変化ないのですが)、私達がやっていることを全面にバーンと貼り付けてみました。やっていることは…たしかに調理師免許を取得するための学校なのですが、そのことよりももっと重要なことが私達にはあって、それってあんまり周囲に伝わってないんじゃないか!と思いたったのです。バーンと貼り付けたのは次の言葉。
 毎年高校を卒業した位の年齢の女性たちが入学してきて、二年間かけて調理・清掃・洗濯・アイロンがけなどを学んでいきます。ホテルや旅館でもない、レストランでもない、病院でもない、最も基本的で、人間に欠かせないホスピタリティ、それが家庭だと思っています。家庭というホスピタリティを持って、かつプロフェッショナルに家事をこなしていく女性を社会に排出していきたいと思いこの教育事業を行っているのですが、これって生活の中で学ぶものですよね。そう!そのために私達は開校時からずっと全寮制で、昼間に家事や学校給食を行い、夜間に調理師のための授業を行っているのです。私も多くの教職員(歴代の方々)も、生徒と一緒に生活し、24時間かけてホスピタリティを伝える仕事をしています。“24時間かけた”仕事って、教える方も学ぶ方も拘束されて過酷に見えますが、そもそも家庭は安らぎの場、お母さんの仕事に契約による勤務時間が存在しないように、いつでも家族のお世話をしているようなものです。
 何故それほど家庭が大切なのかは、言わずと知れたことです。家の中を品よく清潔に整えられ、バランスのとれた美味しい温かい料理が食べられ、汚れたものが洗濯され、それにきちんとアイロンもあてられ、気持ちよく過ごせる空間があれば、多少問題があったとしても、誰でも安心して過ごせます。大金を積んでも手に入れられない人もいるぐらい、家庭の対価は計り知れませんが、私達の誰もが誰かに提供できるものでもあります。安心して過ごせる場所を持つ人は、心に平和を持つことができて、きっと社会に良い影響を与えられます。世界中の人々が心に平和を持つことを目論んで、私達は今日も若者たちに家事を教えるのです。 

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