木材自給率41.8%まで回復も、理想の形では達成できず

October Friday 8. 2021
Verbalization Practice 261th day

Reference:木材自給率、昨年41.8%に上昇 48年ぶり水準 バイオマス需要増加 日経

Thoughts

木材自給率が41.8%まで回復し1972年以来の水準になった。2002年に18.8%まで落ち込んでいたことを考えると、驚くべき回復と言えるだろう。記事によると、この回復はバイオマス発電向けの燃料材の需要が伸びたことが原因のようだ。実際に2010年における木材の国内生産量は3114万9千立方メートルと前年比0.5%まで増加しているが、製材や合板向けの建築用材に限ると、10.3%減っているという。それに対し、バイオマス発電向けの燃料材生産量は前年比28.8%も増加している。

このようなカラクリで木材自給率が上昇したが、国が目指していたのは製材品の供給増による自給率upだ。ウッドショックによる流通の変化と、今月から一般建築物にも拡大される木材利用促進法が、製材品の生産量にどう影響を及ぼすかは注目のポイントだ。

だが、需要が増加したとしても生産体制が整っていなければ意味がない。ウッドショックを一時的と捉え、設備投資をしぶる製材所も多い。また、山から切り出した材を運ぶための道の整備が進んでいない。そもそも林業が慢性的な人手不足だ。ウッドショックで国産材への代替需要が発生したのにもかかわらず、製材用丸太の工場への入荷量はコロナ禍前の同時期に比べ7%下回っているという。

いったいどこから手を付ければ良いのか。そもそも、労働力を確保するところか?国産材のブランド力を創出するため、素材生産、製材過程の産業的努力を促進することろか?量を出すための林道や林業機械への投資か?事業量を確保するための集約化か?

色々悩んでしまうが、ひょっとすると木材生産だけで稼ぐ林業というのが時代遅れになりつつあるかもしれない。などと寝るときに思った。というのも、炭素クレジットや多様性クレジットが発行されるようになると、ある機能を追求した森林を作る技術が求められるようになる。その機能は必ずしも木材生産ではない。すなわち、木材生産以外の知識を林業家たちも習得しなければならない時代になっているように思う。もしそれが実現したら、今以上に山の仕事に誇りを持つことができるのではないだろうか?

English Translation

The self-sufficiency rate of lumber has recovered to 41.8%, the highest level since 1972, a remarkable recovery considering that it had fallen to 18.8% in 2002. According to the article, this recovery seems to be due to the growth in demand for fuel wood for biomass power generation. In fact, the domestic production of lumber in 2010 increased to 31.149 million cubic meters, up 0.5% from the previous year, but the production of building materials for lumber and plywood decreased by 10.3%. In contrast, the production volume of fuel wood for biomass power generation has increased by 28.8% over the previous year.



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