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縋れよ。できるもんなら。

18禁ですヨ(公的に問題があることは書いてないですが若人にはまだ早い内容や描写を含むため)


ずっと、私の人生を通り過がって、縋って、しがみ付く“フリ”だけが随分と上手な男たちを、斜に構えた態度で、冷笑とも言える微笑で、諦観の目線で、観ていた。どうせ3ヶ月持つか持たないかわからない使い捨ての浄水器のフィルターぐらいの、1ヶ月まともに持てば上出来な湿気取りの炭ぐらいの、UberEatsの追加カトラリーの使い捨てフォークぐらいの、そういう存在、だったのかもしれない。そう思い込むことにしているのか、本当に彼らがそういうとるに足らない私の人生の一瞬にすれ違っただけの人間だったのかは、知らない。

彼らの「私を愛している」などという軽率で定型的な言葉や、語彙の選定などにただの一瞬も気を使わないような稚拙さ、下手くそに上唇が食い込む粘膜接触に私は飽き飽きとしながら、繰り返されるイメージビデオの焼き直しのようなお決まりの前戯と、恐らく、これまで単調に喘いで男性に迎合してきた過去の女性履歴によって支えられてきた全くもって的を射ていないモーションに、億劫と怠惰を感じながら、それでも耳元で私は彼らへルーティンワークのように囁いた

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