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ボレロを観ました。

サムネは、2017年の日本公演動画のキャプチャーです。

初めてのボレロ

モリスベジャールバレエ団の10日の公演を観てきました。披露された演目は3つで、以下のようになります。

「人はいつでも夢想する」
「ブレルとバルバラ」

「ボレロ」

振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

皆様の目当ては「ボレロ」のようで、私の隣で鑑賞された方はボレロの前まではずっと眠ってましたね(笑)。あ、もちろん娘も一緒でしたよ。
文化庁が子供招待無料キャンペーンをしているので、娘は無料で観賞できました。文化庁様、ありがとうございます。

今まで音楽は何度も聞いておりましたし、バレエのクリップも何度も観た事あったのですが、「生」「全部」みるのは初めてでした。今回は、舞台周りのリズムたち全員も、モリスベジャールの方々でした。(完璧な形!❤️)

観てすぐの感想は、皆様の体がとても美しい。
舞台中央の祭壇の上、メロディーは女性ダンサーさん(エリザベット・ロス)で、周りのリズムは全員男性ダンサーさんでした。音楽の発展とともに祭壇を囲んで配置された椅子から順次起き上がって踊り始める男性ダンサーさんたちが…とてもとても美しいのです。全身の筋肉が、照明で凸凹が際立って見え、もう古代ギリシャの神々が現身しているのではないかと思えるくらい…(言葉にできない…)

そして、舞台も観客も、劇場全体がある種のトランス状態に入る気がしました。これ…ロックフェスとかコンサートでよく体験するものですよね。もちろん、ロックフェスとかと比べたらやや軽いトランス状態ですが、音と踊りがリンクして発展していくのを観ている自分も同調していくのです。(初演の時に、イヤらしいと酷評を浴びさせられたと聞きましたが…なんとなくわかる気がします。)

目も耳も肌(会場の雰囲気)も脳(トランス状態…)も、全てが満足できる異様な舞台でした。(また観る?と聞かれたら、YESです。)

ジワジワと後から湧いてくる不安

しかし、このボレロ。舞台の興奮が覚めると、違和感がジワジワ湧いてきます。祭壇はどうして「赤」だったのかな。どうして、最後にリズムたちは舞台に乗ってしまったのかな。この舞台は何を言っているのかな。考えないようにしても、あまりにも強いイメージだったため、仕事中にもコーヒーブレイク中にも頭に浮かんできます。(あ…困っちゃった。)

祭壇の中央で踊るメロディーさん。そして、祭壇の周りで踊りながらメロディーを注視するリズムたち。一対多数のこの構造で、既に緊張感が爆発寸前まで高まったのに、舞台の色まで真っ赤。何かが起きるのではないかとドキドキ。心臓バクバクです。

この緊張、不安、違和感は、この舞台がカーニバルに似ているからだと思いました。祭壇の上は、生贄。一番美しく、純粋で神が喜ぶ存在です。そして、メロディーと呼ばれている。メロディーはCivilizedされた存在ですね。文明、教養、礼儀、優雅。そういうのかも知れません。笑。

リズムは?野蛮ですね。音楽のことを考えても、最初は打楽器しかありませんでしたもんね。Originだったり、Savageだったり、Instinctだったり。

舞台は、神に捧げる儀式、そのものですね。それで、人間の文明が育てた一番良いものが祭壇の上で踊ります。それを神様に献上する。儀式が終わると…終わると…Carnivalの始まります。血祭り…だから、舞台が赤いんじゃ?

最後にリズムたちが舞台にドスッと登るのは、その後の暗示ですよね。
恐ろしい、ゾッとする、でも何かFascinating。(ホラー映画を見る感覚??)

今は絶対経験することの無い、古代の祭りを本の一部だけど、肌で感じれる舞台でした。(また観ますよ。絶対!)
え…これは私の勝手な感想ですよ〜。個人的な意見にすぎません!

感想おわり!

あ、娘は「人はいつでも夢想する」が一番よかったんだそうです。動きが綺麗だったとか。

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