ダンスとキャバ嬢と彼岸花3

仕事は個人的には特に問題なく進んでいたのだけど、直の社員達とラーメン王社長とのいざこざがエスカレートしてきて、私は極力人を避けて立ち回って巨乳事務員とのみ絡むような感じで。
巨乳事務員もことあるごとにラーメンに行こうだ飲みに行こうだと理由をつけて誘ってくるのだけど、後腐れなくはないんだろうなという直感で逃げ回っていた。
この仕事はいつまでだろうかとそんなことばかり考えてしまってた。

唐突に金髪嬢からメールが来た。
いつ遊ぶ?何して遊ぶ?と。
日曜日が暇だというからその日お店休みじゃないかと思いつつ彼女の見たい映画に行くことにした。

明るいところで金髪嬢を見ると思ったより童顔でかわいらしかった。今で言うと最上もがに少し似ていた。
キャップで短パンでロックっぽいTシャツとサングラスが似合っていて、お店のドレスのイメージと違ってて心臓を掴まれたような衝撃があった。
何ぼーっとしてるのとからかわれ、店と違うからわからなかった?と聞かれ、可愛い子がいたから別人かと思ってと答えるとそうだぞ光栄でしょと笑っていた。
多分武蔵村山のイオンだったと思うけどもしかしたら違うところだったかもしれない。
そんな郊外の映画館で、マッチョの男達が戦う映画を見た。
なんでも主演俳優のファンだそうで、身体も鍛えてるのもあって役作りでトレーニングをしたとかそう言う話をしながら上演時間を待った。
適当にポップコーンとコーラと、彼女は何か無糖の飲み物を買って、そんなに混んでない席の中心に座り映画を見た。

映画はなかなかの迫力で、肉体美が凄かった。ストーリーは史実だと思うからどこかで聞いたような感じだったけど、彼女は熱中して見入っていた。
途中もが嬢の方を見ると、満面の笑みで口を動かした。すごいねと言ってるのだと思った。

映画が終わりとりあえずカフェでコーヒーを飲みながら映画の感想を話して、この後どうするか聞こうと思った。
彼女はあのシーンが良かったとかあの身体はすごいとか興奮して話していて、私はああそうだね、すごいねくらいしか声を発していなかった。
八重歯が1本あるなとか目がキラキラしてるなとか鼻がすっとしてるなとか、じっと観察してしまっていて、見惚れるとはこういうことかと冷静に感じていた。
私は女の子は誰でもそういうところがあって、それぞれのそういうところが好きな男が寄っていくのだと思う。

トレーニングの話から、腹筋が割れてるという話になり触ってみと言うので、こりゃラッキーと触るとガチガチでひいた。
ダンスは日々のトレーニングが必要らしい。というか、やらないと不安なんだと。
おじさんとなった今なら、お尻も固いのかなゲヘヘと言えるんだけど、当時はそうか、TRFの後ろの人もムキムキだもんなと返してた。
TRFの後ろの2人って今見てもかっこいいけど当時は怖さも少しあって、友人達とボーカルは抱けるけど後ろは無理みたいな下世話な話の中、全部抱けるしなんなら後ろの方が良いと主張していた。
今でも後ろは抱ける。

そろそろ移動しようかとなり、その辺を少しぶらぶらして買い物をした。
彼女は何か服を、私はワイシャツを買うことにして2人で店を回った。
金髪というだけでも目立つのに、可愛いということで少し注目されていて気分が良かった。
全くお似合いのカップルではないけど、もが嬢のボディーガードくらいは出来るだろう。
彼女はレッスン着を買い、私のワイシャツを選んでくれた。
白が多いというと、たまには違うのもいいかもよと素材が違うものと、ストライプのものを当ててこれじゃないかなと笑った。
なんだこれは幸せな時間過ぎて帰りに死ぬのかなと思った。

帰りがけに下着屋の前を通った時に、ここで待ってる?一緒に入る?と意地悪そうに笑うので、そのまま店に入った。
薄いグリーンのブラと鮮やかな赤いブラを持ってきて、どっちだと思うと聞くから迷わず赤の方を指差すと、わかってないなあと笑いながら両方とも上下で買っていた。

続きます

シェアハウスを建てて破産しましたが、キャバクラは給料から払ってますのでご安心ください。