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COVID-19緊急プロジェクトShareについて

立ち上げの経緯

新型コロナウイルス(COVID-19)により休校が決定した3月はじめ、私たちは外国ルーツの高校生と保護者を対象に、アンケート調査を行いました。主にフィリピンとネパールのコミュニティを中心に65名から回答が集まり、その結果からある現状に気づきました。「新型コロナウイルス関連、もしくは緊急時に欲しい情報をどこから取得すればいいのかわからない」というものです。行政・自治体、支援団体で、多言語での情報発信に取り組むなど動きがある一方で、その時、彼/彼女らがアクセスしたのは行政・自治体ホームページの多言語情報ではなく、SNSや英語でのニュース報道のようでした。

「この多言語化された情報は、果たして必要な人に伝わっているのだろうか?」そのような疑問から見えてきたのは、外国人コミュニティと情報発信者側とをつなぐ必要性があるのではないかということです。支援者と支援者、当事者と支援者をつなぎ、必要な情報やニーズをお互いにシェアする仕組みが必要なのではないかと考えました。そのような思いから、私たちは緊急プロジェクト「Share」を立ち上げることにしました。

活動内容


当事者や支援者をつなぎ、必要な情報やニーズをお互いにシェアする仕組みづくりを目指します。主に東京に住む外国ルーツの子どもやその保護者に対して、必要な情報が届くように、当面、2つの活動を行なっていきます。

1:情報提供の仕組み「多文化市民パートナー」
行政や自治体、各団体のもつ情報や当事者のニーズをシェアするために、外国人コミュニティの当事者や、NPOなどの支援者に「多文化市民パートナー」となってもらいます。緊急時に必要な情報、また、外国籍・外国ルーツの住民のニーズをSNS投稿などでシェアしてもらう事で、当事者が必要な情報を的確に届けることを目指します。

2:課題共有の仕組み「Sharing Session」
新型コロナの影響は、経済や福祉、教育など多岐の分野にわたります。様々な課題が出てくる中、外国人の状況は、どうしても社会から見過ごされがちです。当事者や支援者が問題をシェアする場をつくり、現場での課題を発信する事で、解決の一助となることを目指します。


<これまでの実施>

2020年3月上旬 外国ルーツの高校生と保護者を対象にアンケートを実施
とどけるプロジェクト「外国籍等の方々へ、新型コロナウイルスの情報や必要なサポートを届けるために - 一般社団法人kuriya調査レポート」

2020年4月25日『Sharing Session:コロナ危機と外国ルーツの子ども達「誰もが取り残されない社会」へ』を実施

<プロジェクトにご協力頂いている皆さま>(順不同)

Harmony Preschool International CEO  Thapa Pradip様
国立民族学博物館 邱君妮様
東京大学大学院 Dinesh Joshi様 
NPO法人多言語センターFACIL理事長/名古屋外国語大学教授 吉富志津代様
NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部事業責任者 田中宝紀様
認定NPO法人PIECES /とどけるプロジェクト共同代表/児童精神科医 小澤いぶき様
株式会社閒代表取締役/とどけるプロジェクト共同代表/インターミディエイター® 鈴木悠平様
株式会社千正組 千正康裕様
株式会社電通 金聖源様
筑波大学人間系助教 徳永智子様
任意団体Vivaおかざき!! 代表 長尾晴香様
認定NPO法人 難民支援協会代表理事 石川えり様 NPO法人クロスフィールズ理事/London School of Economics and Political Science 松島由佳様


運営団体について

kuriyaは、外国ルーツの高校生が希望を持って将来を描ける社会を目指しています。外国ルーツの若者を「未来の可能性」と捉え、高校への多文化キャリア教育プログラムの提供や、中退予防を目的とした居場所づくりなどの活動をしています。東京を主な活動の場とし、これまで300名の外国ルーツの若者たちと接してきた経験をもとに、政府に対する政策提言も行い、その結果、日本ではじめて、外国籍等児童生徒の高校生支援が文科省の事業として実施されるなど、環境整備にも力を入れています。http://kuriya.co/