非日常の中にある日常を訪ねて【蓮ノ空舞台巡礼】
○はじめに
石川県庁×蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 第2弾『加賀友禅こらぼ』が絶賛開催中です。
すでに多くの皆さんがnoteやSNSを通じて有益な情報を発信されています。蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんの末席に名を連ねる者として、せっかくですから私も昨年の金沢旅行の写真のアーカイブを作りました。あいにく私は特別有益な情報は持ち合わせてないので、そもそもなぜ舞台を巡礼するのか、その個人的な理由についてでもお話しできればと思います。ご覧いただければ幸いです。
○1日目(8月27日)
2023年8月27日〜28日、1泊2日の行程で金沢へ出かけました。時期としては夏めきペインが初披露された103期8月度Fes×LIVEの直前です。当時実施されていた石川県×蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブコラボの第1弾に背中を押されて巡礼の途に就きました。
金沢駅〜蓮ノ空ゲーマーズ
1日目はバスに乗り、スタンプラリーに沿って主要な観光地を巡りました。
石川県立図書館〜兼六園〜金沢城公園
堅町商店街〜尾山神社〜グリルオーツカ
金沢の主要な名所を巡りながら存分に非日常の世界を満喫できました。日常を離れて非日常を味わうのは旅の醍醐味です。
一方で、我々旅行者にとっての非日常はそこに住む人にとっての日常でもあります。県立図書館では、壁際に並んだ本棚と本棚の隙間に閲覧や勉強のための座席が設けてありました。そこには地元の学生が本やノートを広げて熱心に勉強する姿が。夏休みの宿題の追い込みでしょうか。こんなに美しい本の森の中で勉強できる環境というのは私からすれば羨ましいことです。しかしそれも彼らにとっては日常の1ページ。吟子…君も中学の頃はここで勉学に励んでたりしたのかい…?
作品の舞台は時に、非日常の中で生きる人々の日常を我々に語りかけてきます。その声に耳を傾けるひと時は、舞台巡礼ならではの楽しみ方と言えるのではないでしょうか。
○2日目(8月28日)
2日目は「まちのり」という金沢市公共シェアサイクルを使って移動。一日乗り放題プランを利用しました。
卯辰山公園見晴らし台〜ひがし茶屋街〜主計茶屋街〜泉鏡花記念館
言うまでもなく蓮ノ空を象徴する聖地です。しかし道のりはなかなか難儀。私は自転車で行きましたが、坂が長く相応に疲れました。バスは本数が少なく、レンタカーやタクシーはお財布と要相談。どの交通手段も一長一短です。自家用車以外で向かうなら事前に計画を練った方が良いかと思います。
志摩に限らずひがし茶屋街の建物のほとんどは明治初期までに建てられた伝統的建造物なのだそうです。正直ほとんどは近代に復元された建物ばかりだと思っていました。建物があまりにも観光客向けにリノベーションされ過ぎていたからです。道は綺麗に舗装され、茶屋の内部は洒落た土産屋やカフェに改装されています。伝統ある建物をここまで大幅にリノベーションしてしまうことに反発や葛藤は無かったのでしょうか。
地元の方へのインタビュー記事を読むと、ひがし茶屋街もかつてはここまで観光地として整備されていたわけではないようです。茶屋が次々に廃業していく中で、街に再び活気を取り戻すためにひがし茶屋街は生まれ変わった。インタビューの中にこんな話がありました。
変わらないものと、変わっていくものの間で、想いを次の世代につないでいく。蓮ノ空のスクールアイドル達と同じように、金沢の街もテセウスの船が投げかける問いの答えを模索しています。
ラブライブという作品を追っていると、声優であるキャストと彼女たちが演じるキャラクターがシンクロするように重なる瞬間があります。聖地と作品も同じような関係なのかもしれません。Reflection in the mirrorを聴くと茶屋街の景色を思い出します。伝統と変化を両輪に未来へ進む温故知新の街。金沢が蓮ノ空の舞台になったのは素敵な巡り合わせだと感じました。
近江町市場〜犀川〜健民スポレクプラザ〜金沢駅
スポレクプラザではわざわざ職員の方がスケートリンクを案内してくださり、丁度行われていた氷を張る作業について説明までしてくださいました。地道に水を撒いては凹凸を削っての繰り返しだそうです。リンクの氷面にはまだ凸凹が沢山残っていました。正直氷張りなんてなんかこう専用のマシンがマルッとやってくれるものだと思っていました。こんなアナログで根気が要る作業だったとは…思いがけず貴重なお話を聞くことができました。
それにしてもこんなどこの馬の骨とも分からない余所者にこれほど丁寧な対応してくださるなんて。スケートリンクの中は真夏とは思えないくらい冷えていましたが、職員の方の心遣いは金沢おでんのように温かい。作業中のお忙しいところ本当にありがとうございました。金沢、良い街です。
○おわりに
言うまでもなく金沢は日本有数の観光地です。例え蓮ノ空の舞台でなかったとしても、何かの機会に訪れていたかもしれません。
しかしその世界線では果たして、苦労して卯辰山の見晴らし台まで登ったでしょうか。図書館で金沢に暮らす学生の日常に目を向けたでしょうか。茶屋街で受け継がれる伝統に思いを馳せたでしょうか。オフシーズンのスケートリンクで地元の方の温かさに感動したでしょうか。
ラブライブをきっかけにして出会った人、場所、景色、文化、経験。スクールアイドルはたくさんの魅力的な存在と我々をつないでくれます。
今、先程終演した104期 OPENING!Fes×LIVEの余韻に浸りながらこの文を書いています。ほんの数週間前まではこれっぽっちも知らなかった104期のキャラクターとキャストの皆さん。ですがもう既にだいぶ好きです。彼女たちとの出会いもまた、スクールアイドルがつないでくれた縁のひとつ。次の金沢巡礼では104期生たちの日常も探してみたいものです。その日を楽しみにしつつ、この記事を締め括りたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。それでは、皆さまも良き舞台巡礼の旅を。
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