秋田のマリアさま物語10


シスターは絵をみながら

「まぁ。。。
 これをあなたが描かれたのですか。
 とても美しい女性ですね。」

といってくださりました。そして、

「教会内には置くことは出来ないのですが、
 やはりこのようなことはあなたにとっても、
 神様からのお導きかもしれませんね。。。
 では大切に修道院に飾らせていただきましょう。」


うわ~!! 
本当に受け取ってもらえるなんて。。。!!

びっくりしすぎて、
しどろもどろになりながらも

「あ、ありがとうございます!
 めっちゃ嬉しいです!
 わたしも神様からのお導きでこちらに
 来たように思いますし、
 そのようにいっていただけて光栄です。。。
 お忙しいところお引き留めしてしまい
 申し訳ありませんでした。
 ありがとうございます!」


と忙しい中、わたしの話をきいて
しかも受け取ってくださったシスターに
お礼をいいました。
お忙しいだろうとすぐに立ち去ろう
と考えるが早いかシスターが

「もし、よろしければお庭をご案内しましょうか。
 その前に、こちらにいらしてください。」


とおっしゃるではありませんか!

「え!あ、あぁ。。。ありがとうございます!
 では。。。」


驚きの連続の中、
シスターにまず案内されたのは
教会の物販エリアでした。
教会に纏わる本や、ポストカード、
ロザリオなどが並べられています。


シスターはさっと見回したあと、
その中から一冊の文庫本を
手にとられました。

そして

「どうぞ、この本をお受け取りください。
昔こちらにもご縁がおありの素晴らしい方が
書かれた本で、私も大好きなのです。」


「あ、あとそうね。。。
こちらのポストカードがいいかしら。。。
どうぞ、お好きなものをお選びください。
お代は私が。
これらは私から貴女に差し上げますので。」


なんと、シスターは自費で本とポストカードを
私にプレゼントしてくださるとおっしゃっるのです。


驚きすぎて

「い、いえいえシスター💦そんな。。。
この本もこちらのポストカードもわたし、
自分で購入させていただきます。
どうか、そのようなことまで
なさらないでください。」

と辞退したのですが、シスターは
にっこり微笑みながら、

「いえいえ。これは私の気持ちです。
 是非あなたに差し上げたいのです。
 どうぞ、お受け取りください。」

と。。。

「。。。
 シスター。。。
 本当にありがとうございます!
 では、こちらを。。。」

シスターのご厚意に戸惑いつつも、
申し訳ないという想いから
逆にシスターのお気持ちを
無下にしてはいけないなと思い直し、
有り難く受け取ることにしたわたしは
マリア様の1枚のポストカードを選びました。


シスター 
「そちらですね。わたしもそれが良い
 と思います。あ、あとこちらもいいわね。」

と、もう一枚黄金の十字架のポストカードを
手にとり、

「これはね、裏に聖書の言葉が記されているんです。
 きっと貴女にピッタリの言葉ですよ。」


そんなわけで、
優しいシスターにお話させていただき、
絵を無事渡すことができただけでなく


「八十路の春」という本、
マリア様と十字架のポストカード
というシスターのお気持ちをあらわした
思いがけないすてきなギフトを受け取ることに。。。