秋田のマリアさま物語11

「さぁ、では参りましょうか。雨もすっかり
 あがりましたしね。」


シスターに促され、聖体奉仕会の広い広いお庭を
案内していただくことに。
すると、何やら外国人の団体がお庭にぞろぞろやってきました。

シスター
「まぁ。皆さまも散歩なさってるわね。
 あの方々は海外から巡礼にいらしてますのよ。
 ここはやはり海外から巡礼にみえること
 が多いんです。
 せっかくだからあの方々も一緒にご案内させて
 いただきたいわね。
 あなた、英語は話されますか??」

わたし
「え!えと、すみません。。。
 わたし、アイ キャント スピーク 
 イングリッシュ レベルなんです💦」

シスターに突然振られ、
え、英語!む、ムリムリ~💦
とあわあわ(;´゚д゚)ゞ。。。
なんだかよくわからない返答に(笑)


シスター
「あら、そうでしたか。。。
 あ、でも確か今日の神父様は日本語と英語
 両方話される方でしたから
 お願いしてみましょうか。」


わぁお、アメージング!!
よ、良かった💦



というわけで、シスターは神父様にお話され、
神父様一行もシスターの申し出を喜んでうけいれて
くださいました。



こうして、海外から巡礼に来られた方々とともに
お庭をシスターに案内していただくという、
また思いがけない展開に。。。


巡礼にきた方々は両日はの年齢くらいの方々でした。
みなおしゃれでとっても陽気!
たくさん英語で話しかけてきてくれました。
(神父様以外は日本語は話せなかった模様。。。💦)

わからないなりにも
わかる単語で会話&たまに日本語だったけど、
面白かったし、なんとか通じたので、ホッ(笑) 


そして、その日は秋田にはやはりこれを。。。

と思い、昔、なぜか突如プレゼントされた
アンティークのメダイのペンダントを
身につけていっていました。

そうしたら、外国人の方々に

「あら、あなた、素敵なメダイをしているわね。
 クリスチャンなの??」
 みたいなことを聞かれたので、

「ありがとう!クリスチャンではないのだけど、
 これは、昔友人からプレゼントして
 もらったんです。」
 と話したり、一緒に写真撮ったり。。。


こんな風にお庭をまわりながら、
シスターはところどころ立ち止まり、
いろいろとそこにまつわる話をしたり、
説明をしたりしてくださいました。

教会の裏山も案内してくださったのですが、

そこからみえる山には戦前、
石油タンクがいくつかあったそうです。

もう日本は敗戦が決まっていたにもかかわらず、
アメリカ軍はその山に爆撃をし、
そこで働いていた沢山の方々が亡くなったことも
その中でしりました。



その裏山は緑がとても美しく、
お話を伺わなければ、想像もできないくらい静かで、
ここだけ時が止まっているようでした。



人知れず、悲しい過去があったことを知り、
ご縁からこの地に私はこうして来ることが
できた。。。

皆の輪から少し離れて、
ここでもそっと私は祈りを捧げました。

祈っていると集中していたからか、
大地から一層自然の力強いエネルギーが
つたわってくるように感じ、
ふと見上げた木々で切れぎれにみえる空からは
白い光が沢山射し込んで
まるで祝福の光のようでした。



あぁこの地にきて良かった。。。


そのとき一筋の風が
さぁっと頭上を吹き抜けていきました。


風が運ぶ雨上がりの木々の潤いにみちた匂いと
さわさわと歌うように揺れる葉音に
そこにいる誰もが、やさしく包まれていました。