鳶色の強がり

思うほどの 大人にはならなくて
気がつけば、ばかり積み重ね
髪を撫でる かさついた掌に
甘えるフリして 素気なく

微睡みに 頭寄せ合うヤマアラシは
互いの温もりも知らないわ
頼って 縋って、
それって 「愛、みたい」
なんて笑うだけ

身も心も 馴れ初めも成り行きも
愛だけじゃ 愛せやしないわ
「やり直そう?」 探るような予防線
安いドラマにもならない

このままじゃ。 知っていて、踏み出さないまま
幼い夢に溺れてしまう
掬って 巣食って
救って―― 何もかも
委ねられたら

貴方が 差し出した手
「拒んでも 構わない」と
どちらにせよ 逃げ延びれば
掴めない 掴まないの

貴方の目が 惑って
笑った 構わない

戻れないのなら 最後まで

踊って 払って
笑った 私だけ 嘘吐きのまま

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