「つながり」の進化生物学 第二章 p79-105

-ティンバーゲンと4つの質問

例)小鳥が歌う理由を考えよう

メカニズム:体や脳のどんな仕組みで囀るんだろう?
発達:どんな順番で歌が歌えるように成長するんだろう?
機能:なんのために歌うんだろう?(個体のための利益)
進化:世代を超えて、囀り方はどんなふうに進化してきたんだろうか。

メカニズムと発達は至近要因:HOW

機能と進化は究極要因:WHY

東洋大学で無料講義が公開されていましたので載せてみます。ちょっと眠たいかしら。動物行動学は悲しいことについ最近まで先細りしていたそうです。なぜならこの4つの質問はそれぞれ専門が違うから。専門化しすぎた学問の問題って時々聞こえてきますけれど、こんなところでも問題になっていたのですね。最近は境界を跨いだ研究が進められ、また注目が集まってきているのだそうです。


-チンパンジー

・人間とチンパンジーの世界観

動画が非公開になっているのは残念ですが、チンパンジーと人間の認識の違いについて書いてあり面白いです。顔のない猿の絵を渡した時、人間はそこに目鼻口を書き込みますが、チンパンジーは輪郭をなぞるだけです。いまここ、を見るチンパンジーと未来を見る人間(想像力)の差が出ているのでしょうか。

画像2

・死を悼む

こちらも京都大学のホームページから。ミイラになるまで我が子を抱き続けた母親チンパンジーの写真などが載せられています。

-ネアンデルタール人

著者は言葉が、ネアンデルタール人とクロマニョン人の運命を分けたのではないか。ネアンデルタール人には言葉はなかったのでは?との説を紹介していましたが、私は懐疑的です。ネアンデルタール人って、クロマニョン人より脳の容量が大きく、体も大きかったのですよね。さらに、言葉に関係しそうな遺伝子も見つかっています。

群れであることがネアンデルタール人とクロマニョン人の成否を分けたのではないかというお話を載せておきます。私も確かNHKで同じような説を聞いたことがあります。そのお話によると、ネアンデルタール人は少人数で狩りをしながら移動生活をしていたが、クロマニョン人は村のようなものを作り比較的大きなグループだったし、クロマニョン村同士の交流があった。結果として飢饉や気候変動が起きても、他の村が無事なら助けてもらうことができた。しかし、ネアンデルタール人は助けてもらえる相手がいなかったので滅んだのではないか。

この説が正しいとすると、人類は、まさにコミュニケーションを発達させたことで生き残ってきたということになるでしょうか。興味深いですよね。

ネアンデルタール人の笛

本書でも紹介されていたネアンデルタール人の笛の演奏を見つけてしまいましたので紹介します。この笛と思われるものは、ネアンデルタール人のいた時代の地層、洞窟の奥で発見されました。

ネアンデルタール人は、こんな音色を楽しんでいたのかと思うと、ワクワクしてしまいますね。…ロマン! 


https://amp.classicfm.com/discover-music/instruments/flute/worlds-oldest-instrument-neanderthal-flute/

とっても素敵な音色ですね。

-アメリカカケス

なんと論文の和訳を見つけてしまったので紹介しておきます。詳しく知りたい方は覗いてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?