ドット絵 色相調整について
参考画像を模写するとき、参考画像で使われている色を出せない、ということがあります。始めは大体近い色で OK ですが、希望の色に近づけたいとき、色相(色みの性質のこと。赤み、青み、など)の調整が必要な場合があります。
色相調整はどうすれば良いか分からなかったため、ネットで調べて、ある程度分かったことを記事にしたものです。浅い知識・経験ですので、不十分な内容のところもあると思います。ご容赦ください。
参考例をあげてデジタルな色相調整について説明いたします。
使用しているソフトは Aseprite です。
上図の茶色っぽい色を作る(近づける)ことを目標とします。
似た色がネットの色見本で見つかれば良いのですが、近い色が見つからない場合があるため、自分で目標の色を作ります。手間がかかりますが、自分で色を作れると便利ですし、面白さもあります。
上図は Aseprite のカラーピッカーです。明度(明るさ)彩度(鮮やかさ)は調整しやすいですが、色相を調整するには色相や混色(色を混ぜて作る)の知識がある程度必要ですので、そちらから説明いたします。
色相環の関係を覚えておくと、色を混ぜて作るとき(混色)
参考になります。
オレンジ色を作るのに。赤と黄を混ぜれば良いと知っていれば
赤と黃の2色からグラーデーションを作れば、オレンジっぽい色が作れます。
パレットにオレンジ色を用意しておけば、オレンジ色を作る必要はないですが、模写するとき、参考画像の色に近づけていくには、色相環や混色の知識が役立ちます。
そんなわけで混色についても少し知っておくと便利です。
例えば、茶色は混色でどうやって作るか分かりませんでした。
赤と黒を混ぜて作るのかと思いましたが、調べたら、赤1 黃1 黒0.5 の割合で作るそうです。また、オレンジと黒の混色からも作れるため
オレンジと黒のグラデーションから茶色を作れます。
混色については、記事の最後に参考にさせていただいたページを記載してあります。
さて、色相環と混色に少し触れましたので、上図の色を作っていくことにします。私は赤っぽい茶色に見えますが、とりあえず茶色と比べて見ましょう。
目標の色は茶色と違って見えます。茶色で代用可なら、目標の色を作る必要はないですが、目標の色を探っていきましょう。
1)目標の色の方が明るいので明度を上げる
2)茶色と白でグラデーションを作る
この2つを試してみます。
カラーピッカーで明度と彩度の調整の仕方は、下記記事をご覧ください。
目標の色からちょっと遠ざかりました。
茶と白のグラデーションを作って比べてみましたが、目標の色には近づきません。
今度は以下を試します。
3)茶色の明度を上げ、彩度を上げ下げする
4)茶色と赤でグラデーションを作る
目標の色に近づいた感じです。これと白でグラデーションを作ります。
かなり近づいたので、これでも OK な感じです。
色相を調整しなくても目標の色に近づいたら、色相を調整する必要はありません。
これを白とグラデーションしたらどうでしょうか。
グラデーション数を増やしてみましたが、目標色と少し違います。
ここまで振り返ると、3)茶色の明度と彩度を上げ、それを白とグラデーションする、が最も目標色に近かったです。
前振りが長かったですが、最後は色相を調整して目標色に近づけてみましょう。
目標色の方が明るいので、明度を上げ、彩度の上げ下げ、または白と茶のグラデーションで様子をみますが、それで目標に近づかない時は色相を調整します。
試しに、明度・彩度を調整した後に色相を調整してみましょう。
茶色の明度と彩度を上げることを何回か試した時点で、目標の色に近づきました。目標の方が少し赤っぽいでしょうか。
色相を大きく動かすと、目標色から遠ざかるため、色相は微調整になります。色相を左右どちらに動かせば良いかですが
カラーピッカーの色相バーで分かりづらければ色相環で、赤からどちらに動かせは良いか考えることもできますが(カラーピッカーの色相の現在地が赤系だったため)、分からないことが多いため、とりあえずどちらかに数値を少し動かし、ダメなら逆方向を試します。
色相は微調整にしたいため、HSV の H(色相)の数値を変更しましょう。
上図は H を 9 から 12 に変更したもので、目標の色に近づきました。
まだ、同じ色ではないですが、目標色に近づいたので良しとします。
追記( 2024年 3月 6日 )
色相を調整するのに色相環を覚えるとどの色相か見当がつきやすく
色相を調整しやすくなります。下記の記事が参考になります。
以上となります。
明度・彩度の調整、グラデーションで目標色に近づかない場合は
色相で微調整しましょう、という記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
追記( 2024年 3月 6日 )
色を明るくするのに白とグラデーションを作ると彩度が下がり、鈍い色になるため、黄色系の色とグラデーションを作ると良い場合があります。
色を暗くするのに黒とグラデーションを作ると明度は下がりますが鈍い色になるため彩度を上げたり、バイオレットや青系の色とグラデーションを作ると良い場合があります。その場合、補色(色相環で向かい合った2つの色)の関係が参考になります。例:オレンジを暗くしたい場合、補色の青とのグラデーションを作ってみる。あるいは、青の隣のブルーバイオレットや、ブルーグリーンとグラデーションを作って比べてみます。
色相・明度・彩度調整で目標色に近づかない場合、補色を混ぜると良い場合がありますので、補色関係を知っておくと便利です。
参考ページ
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