ファンダメンタルズ分析 〜ゲーム理論〜

ゲーム理論
「相手がある行動をとったら、自分はどう行動するのか」もしくは「自分がある行動をとったら、相手はどう行動するのか」といった相手の行動を合理的に予想しながら、互いの意思決定と行動を分析するもの

同時ゲーム
「意思決定が同時に行われる状況で行なわれる」

数量ゲーム
「2社が生産量などの数量についての意思決定を行う」

クールノー競争
「数量ゲーム」と「同時ゲーム」で特徴付けられる競争

ナッシュ均衡
「相手の行動を所与として、その行動の場合分けを行い、それを元に自社の最適な戦略を探し出した結果、最終的に定まる均衡」

支配戦略
「相手の戦略に関わらず、自社の選択が一つに定まる場合の戦略」

非協力ゲーム
「お互いが協力しないことを条件とする」

価格ゲーム
「2社が価格についての意思決定を行う」

ベルトラン競争
「価格ゲーム」と「同時ゲーム」で特徴づけられる競争

逐次ゲーム
「順番に意思決定が行われる」

リーダーとフォロワー
逐次ゲームの際、最初に意思決定する先手をリーダー、後手をフォロワーと呼ぶ

クールノー競争で合理的に判断した結果であるナッシュ均衡よりも、利益が出るシナリオが存在する、お互いが協力できないため、総利益(お互いの利益の合計)が少なくなってしまうところが均衡点になってしまうことがある。
価格設定の戦略であるベルトラン競争では、価格を下げることが合理的な状況になり(いわゆる価格競争に陥る)、お互いに利益を失うことが多い。
寡占状態であっても、ベルトラン競争を行うと、完全競争と同じような水準まで利益率が下がっていくことを「ベルトラン・パラドックス」と呼ぶ。
例えば、牛丼チェーンや宅配便の価格引き下げ競争などがそれに当たる。
クールノー競争でのナッシュ均衡の結果として、市場が供給過剰になり、ベルトラン競争に移っていくことが多い。半導体企業などはこの典型的なパターンを毎回繰り返している。
逐次ゲームでは先手の行動で後手の行動が制限される。これを現実の世界に置き換えるなら、強力な宣言(設備投資、増産などを発表し、大規模な借り入れや違約金などが発生する契約などを行う)をすること(「戦略的コミットメント」)で、自分の戦略を相手にアナウンスし、相手の戦略を縛ってしまうことで、自社に少しでも有利な状況を作ることができる。(相手も合理的であればだが、価格競争に入ってくる場合も考えられる)
ここまで考えて来たのは一回限りの競争になるので、何度も何度も繰り返す競争(「無限繰り返しゲーム」)の時はどうなるのか、その場合、お互いが合理的であれば、価格競争は発生しない。(「フォーク定理」)
寡占状態を崩そうと、価格競争を仕掛ける企業はあるが、全体として利益率が減るので、しばらくすると価格競争を止めるのが合理的と気付き、結果元の高収益の状態に戻る。

じゃあ、実際どうやって銘柄探しに使うのか?
寡占状態(元々高収益の業界)から価格競争に陥った業界、リーダーになるための宣言した企業などは、前者は業績は落ち込むことが予想されるが、そのうち元の状況に戻る可能性が高いので、底を探す。後者はライバルから一歩前進出来る可能性が高いので、宣言を精査して買いを入れる。

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