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十一面観音菩薩に見惚れる 栃木県下野市 真言宗智山派生雲山龍興寺 私の百寺巡礼265

栃木県下野市薬師寺。地名がそのままお寺の名前だ。
そういう土地は全国に幾つもあるだろう。例えば、福岡県太宰府市の観世音寺もそうだ。

東戒壇の跡を見ようと下野薬師寺に行ったのだが、駅からの途上で突然目の前に現れた十一面観音菩薩に驚愕したのだった。


え?ここ、パソコンで事前に調べた時には出て来なかったんだけど。
聞いてないよーー。


机上の空論、現場百回と誰かが言ってました。(上川隆也さん風に)

しっかりとGoogleマップにあるのだが、現場に来るまでわからないのだ。
龍興寺さんが管理されているのだが、少し離れている。


寺伝では奈良時代の天平宝字5年(761年)、鑑真が唐の龍興寺の舎那殿壇の法を移し「生雲山龍興寺」として開基したという。
かつて存在した薬師寺地蔵院の流れをひくといわれる寺院で、近世には佐竹氏から寺領20石を寄進されている。また、薬師寺の跡に建てられ薬師寺不動院の流れをひくという安国寺との間で、天和元年(1681年)から享保4年(1719年)にかけて薬師寺の正統を争う訴訟を起こしている。議論の末、天保9年(1838年)、に「安国寺は戒壇、龍興寺は鑑真墓所を守護するという合意に達し現在に至っている。
境内には道鏡の墓と伝わる円墳や鑑真和尚碑のほか、自治医科大学附属病院聖霊殿の納骨堂がある。


ここで、自分の先入観と思い込みを反省してしまうのだった。
同じ真言宗智山派の流れの寺であるが、薬師寺さんが元々の東戒壇院。龍興寺さんは檀家さんの為のお寺と思い込んでいたのだ。
実際、薬師寺さんは御朱印も何種類かあり、観光客対応に優れている。こちらの龍興寺さんは「御朱印はありません」とハッキリと言われた。
広い敷地は檀家さんの車で埋まっていた。


下野薬師寺との論争を想うと悲しくもなるのだが、お寺の規模や文化財、旧い遺跡と言ったら、龍興寺山の方が素晴らしい。

ただ、個人的には駅から汗だくになりながら30分近く歩き、突然現れた二月堂の十一面観音菩薩に猫パンチを喰らったな、という気がしてならない。
もうあの観音様だけで満足じゃけん。

汗拭い 観音菩薩 見上げしや

真言宗智山派生雲山龍興寺
栃木県下野市薬師寺1416
自治医大駅より徒歩35分

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