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わたしはラブホで救急車を呼びました。

この記事に書かれていることはすべてわたしにおこった事実です。女性の皆さんを怖がらせる気はありませんが、この事実を知ることでより身近な話として受け取っていただき、一人でも多くの女性の命が助かればと思って書きます。

*知識が深い訳ではない為、間違っている部分等あればコメントいただけますと幸いです。

「ヤバい死ぬ、まじで救急車呼んで」**

約6年前、わたしはラブホで救急車を呼びました。

その日は当時付き合っていた彼とお酒をのみ食事をしたあと普通にホテルにとまり、(正常位で)普通のセックスをしていました。

すると、ほどなくして下腹部に痛みが走りました。

その痛みが次第に大きくなってきたため一時中断。

すると、一瞬で脂汗がでるような痛みに変わり、そのままの言葉で表すならば、膣を引っこ抜かれているような痛みにのたうち回りました。

わたしはその時生まれて初めて救急車を呼びました(というか、彼にそう指示しました)

その後、服を着る余裕もなくホテルのガウンのまま病院に運ばれました。

運ばれる最中救急隊員に「何か道具つかった?」と聞かれましたが、控えめにいっても本当にフッツ―のセックスでしたし、道具はつかっていませんでした。

ほどなくして病院に付きましたがその日は日曜日の真夜中。

ラブホから運ばれたわたしをみることができる医師はそこにはいませんでしたし、その証拠に下腹部については一切ふれられませんでした。

謎のレントゲンをとられたくらいです。(この辺に関しては医者じゃない為なにが正しくて何が不適切かはわかりません)

そこで処方されたのはロキソニン。

薬をのんで2時間ほどたった時、痛みは嘘のように完全にひきました。

「一応明日、お昼先生がいる時健診にきて」といわれ、次の日の朝婦人科を受信しました。

あくる日病院へ

そこでいわれたのが「ちょっと気になるところがあるので精密検査しますね」でした。

そこで、子宮頚部の細胞をとられました。

その時は痛みは感じませんでした。

数日後、検査の結果を聞きに行きました。

結果は、子宮頚部高度異形成

細胞診で異常がみられた場合、細胞の変化をこのような表記であらわします。

LSIL、ASC-US、ASC-H、HSIL、SCC、AGC

わたしはHSIL、高度異形成という細胞がガン化する一歩手前の状態でした。

その結果を聞いた時、わたしは一人だったのですが、テレビみたいに「え・・・?」みたいな感じにはならず、「そうなんですか、じゃあどうすればいいでしょう?」という落ち着いた感じでした。

なんというか、そのことの重大さがわかっていなかったんだと思います。

とにかく、淡々と先生の話をききました。

そこで、わたしには2種類の選択肢がありました。

選択肢:切除orレーザーで焼く

当時わたしは27歳でした。

まだまだ妊娠や出産を希望していた為、子宮を温存するため切除よりも子宮頚部が残るレーザーを選択しました。

切除だと子宮の入り口を切るイメージ、レーザーは焼いて細胞を殺すイメージです。

どちらにもメリットデメリットがあります。

わたしが選択したレーザーは、将来子供を産む際早産のリスクが低くなりますが、再発の危険性が切除に比べると高い、というものでした。

しかしそうと決まったら展開はさらに早まります。

その2週間後、手術がきまり、わたしは日帰りで手術をうけることになりました。

手術といっても、部分麻酔で手術中は起きている状態のもので、1時間くらいで終わるし午後は麻酔が覚めたらその日の内に帰っていいよーくらいののりで説明されました。

正直、それをきいてすごく安心したのを覚えています。

「あ、そんな簡単な感じの病気なんだ」と。

しかし、実際の手術はわたしが思っていたより壮絶でした。

術中、麻酔がきれる

その日は母と父が大袈裟な感じで病院に付き添ってくれました。

なんだかこっぱずかしく、ガラス越しに手をふる両親を華麗に見えないふりをしたのを覚えています。

そして手術が始まり、わたしの目の前には目隠し用のカーテンが張られ、胸から下は何が行われているのか分からない状態になりました。

そして麻酔を打たれますが、ここでもさほど痛みはありませんでした。

レーザー手術は順調に進んでいるようにみえたのですが、ほどなくしてわたしは感覚が戻るのを感じました。

なにか、触れてるのがわかる・・・

そう思った矢先「痛い!」と声をあげて腰をグイっとよけている自分がいました。

術中に麻酔がきれかけたのです。

先生はその時びっくりした様子でしたが、「おもったより範囲がひろかったからちょこっとのこってるけど、これで様子みてもいいと思う」という何か歯切れの悪いいい方をされ、手術は終了しました。

そして、1カ月ごとの検診がはじまりました。

順調に回復しているかとおもったのですが、ほどなくして病変が残っているということでもう一度手術を受けることになりました。

2回目の手術

1回目で麻酔が途中できれたこともあり、2回目は眠った状態での麻酔になりました。(全身麻酔だったのかちょっとあいまいですが、挿管なしの意識がない状態で手術をしました)

わたしの病変は通常より範囲が広く、頸部のみならず膣にまで広範囲におよんでいたそうです。

1回目とは異なり手術は無事終え、先生からは「しっかり焼けた」というちょっと気持ちの悪い誉め言葉?をもらいました。

術後は運動や性行為、自転車も避けるようにとのことで、できるだけ刺激しないようにと一足一足ナメクジの様な生活をしていました。

手術から2週間ほどたった夜、わたしの人生で一番恐ろしかった事件がおきます。

膣から血がビョービョー出る

その日、2週間たったことだしと思い、パスタをつくって久しぶりのワインを一杯だけのみました。

すると、膣から血がもれたな、という感じがしたのでトイレに行きました。

当時わたしは生理中で、通常の生理でもこの突如多めの血が一気にでることはあるためいつものそれだと思っていました。

トイレに行ったついでに力んだ瞬間・・・

膣から血がビョー!という効果音付きででました。

これは生理じゃないと思い、もう一度力んでみるとまたビョー!とまるでおしっこの様に血がでてくるんです。

一気に血の気がひきました。

「死ぬ」

心の底からそう思いました。

夜用ナプキンにかえてもすぐにタプタプになってしまい、これはタクシーじゃ無理と判断したため人生二回目の救急車を呼びました。

救急車がくる間わたしがとった行動がうけるんですが、人って自分が死ぬかもしれないと思ったとき何すると思います?

大人のオモチャを全部ゴミ箱に捨てた

ちょっと笑っちゃいますが、家に隠していたオモチャ、そして日記をすべてゴミ袋にグルグルにして隠すという行動にでました。

これが当時のわたしの人生最大の恥部だったんだと思います。

死ぬかもってくらい危機を感じている時に、何やってんだって感じですけどね(笑)

実際、血が出るのは治る過程でよくあることで、それ原因で死ぬことはほとんどないと言われましたが、とはいえわたしには一大事でしたし、当時も今でも人生で一番恐ろしかった経験です。

麻酔無しであそこを縫われる

現に、病院に運び込まれた後、麻酔無しであそこを縫われました。

患部を見た先生は「ぴゅーぴゅー水道管が破裂したみたいに血が出てるー」と先生が言っていました。

いや、こわいって!と思いながらギャーギャーいいつつ、じっとして!とか言われながらムリ!!!!とか格闘しながら縫われました。

傍目は漫画みたいだったと思いますが、死ぬかと思いました。

その後は無事回復。

1カ月おきに健診が続き、5年以上がたった今は6カ月に1度検診に通っています。

細胞診でも異形成は検出されていません。

まとめ

わたしがこの病気に気づいたのは、たまたまセックス中に痛みがあったからです。

この痛みが異形成によるものなのか、性交痛なのかは今となっては分かりませんが、もしもそれがなかったら、わたしはこれに気づきませんでした。

気づいたのは運がよく、ガンの一歩手前の高度異形成。

レーザーを2回したため、結局は円錐切除並に入り口が削られたわけですが、今、こうして生きています。

婦人科なんてそう気軽にいかないという人が多いと思います。

ほとんどの人は、性病にでもならない限り行かないという人が多いのではないでしょうか。

またここで私が強く言っておきたいのは、わたしは今よく耳にするHPVにかかっていません。

HPVにかかってなくても子宮頚部の病気になる

HPVとはヒトパラピローマウイルスといって、100種類以上の型が見つかっているウイルスで、その内子宮頸がんに関連するものは15種類。

発がん性の高いHPVに感染した場合、がんになる可能性が高いというものです。(感染している人全員が発症するわけではありません)

よく、テレビや有名人などが啓発しているワクチンはこれらのウイルスが原因となるワクチンです。

しかし、わたしはこれのどのウイルスにもかかっていません。

おそらく、HPVの検査をしたことがない人や気になっているけど検査をうけないひとは心のどこかで

「わたしは大丈夫」

「HPVにかかってそうな人とセックスしてないし」

という気持ちがすこーしでもあるかと思います。

しかし、HPVは見た目とかもちろん関係ないどころか、それ自体にかかってなくても子宮頚部の病気にはかかります。

わたしがかかった高度異形成は、ほっとけばガン化する危険性が高いものだったと医者に言われました。

もちろん、ガン=死という時代は終わりましたし、それについてここで多くは語りませんが、子宮頚ガンで亡くなる人は年間約2,900人だと国立研究開発法人国立がん研究センターの調べに書いてありました。

この数を多いととるか、少ないととるかはあなた次第ですが、子宮頸ガンならびにその過程である異形成は誰にでも起こり得る病気です。

また、早期にはほとんど自覚症状がないそうです。

女性である限りリスクを完全に防ぐことはできない病気ですが、定期的な検診でほぼ確実に防げる病気でもあります。

子宮頚がんワクチンをうっているからといっても、すべての子宮頚がんを防げるわけではないです。

ですから、ワクチンを打っている方も高をくくらずに定期健診を受けてほしいなと思います。

料金はいっても数千円レベルです。

命と引き換えと思ったら安すぎる金額ではないでしょうか。

この記事を見て、不快に思った方がいたらごめんなさい。

この記事は、高度異形成で気づいたガンになっていないわたしの実録です。

病気になる過程ってあんまり公開されてないから、リアルに表現したいなと思って書いてみました。

この記事を通して、自分に似たような症状がある人は絶対に病院にいってみてね。

病気って、いざ自分がそうなるまではみんな他人事ですが、絶対にそんなことはないし女性は特に時事ネタレベルで常に意識したほうがいいです。

運が悪いヤリマンがなる病気じゃありません、まじで。

今すぐ行動してくれる人が1人でも増えることを祈っています。

27才のミキティへ33才のミキティより







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