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ストラクがイベントで販売されたので【六霊使い】について書く

東京ドームイベント「決闘者伝説 QUARTER CENTURY」にて霊使いストラクが再販され、イラスト違いも全て発表され、ますます盛り上がりを見せる「霊使い」。
そんな中、タイムラインにある一つのポストが流れてきました。

伸ばします。

少しだけ自己紹介をすると、普段はカジュアル・創作デッキ界隈で【霊使い】をメインデッキとして使いつつパワーが足りないので色んなデッキに手を伸ばしたりして遊んでいます。
スタンスとして、自分は「オフ会で勝ち越せる(=勝ちすぎない)」くらいの想定で組み、実際に近年のオフ会で【霊使い】で負け越した覚えはありません。
これはシンプルに好きなカードを負けの言い訳にしたくないとか好きなテーマを使うからこそ勝たせてあげたいという思いから来ているので、その辺の考え方の違いで採用しているカードに違和感を感じたりするかもしれません。Maxx "C" is God.
長年チューンナップを繰り返し使い続けてきたこともあり、一定の知見はあり言語化も出来ている自負がありますのでこの記事で共有していきます。

なお、所謂「6霊使い」の話しかしません。
憑依装着は扱いません。メタビしましょう。



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前提として

パワーラインとしては、普通にカジュアルで遊ぶ程度を想定していますが、そもそも霊使いというカード群が構造的に強くなれない(後述)ので過度な期待はしないでください。

まず、霊使いというカテゴリを総括すると間違いなく「弱い」に分類されます。これはサポートが貧弱とかそういう「カテゴリとしてカードが足りない」という話ではありません。
霊使いというテーマを運用する上で(リンク体を出すにしても)どこかで下級霊使いを使用するわけですが、下級霊使いが「属性が一致している必要があり」「且つ自身が場を離れたらコントロールが戻る」脆弱なコントロール奪取であること、そしてその効果がある程度「デッキとしての着地」となるのがカテゴリとしての限界に繋がっています。
(下級霊使いを使わずリンク体中心で運用するのはアリですが、多分皆さんそのデッキを【霊使い】と呼ばないですよね)
展開さえすれば何でもできる現代遊戯王において、展開系の効果を持っているわけでもなく、制圧力があるわけでもない、盤面を返す力も無い、それが霊使いというデッキの現状です。

ではデッキとして完全に弱い、面白くないのかと言われるとそういうわけでもなく、「相手が出してきたモンスター」が常に立ち回りの中心にある、アドリブを要求されるエキサイティングなデッキです。墓地肥やしデッキが落ち方のランダム性でゲームの色を変えていくとしたら、【霊使い】は相手の展開してきたモンスターやその属性によってランダム性が生まれます。

奪ったモンスターをターンを跨いで活用したり、逆にお返ししたりと細かいテクも存在し、「相手が何を出しているか」「対応する属性の霊使いはいるか」により常に考えることが変化します。
展開ルートを決めて制圧するというよりは、不確定要素の強いハイランダーやメタビ等プレイングが求められるデッキが好きな人向けのテーマと言えるでしょう。
というか多分オフ会でもちゃんと勝とうとすると構築もしっかり練らないといけないとは思うので、プレイングと構築力の両方を併せ持つ人向けですね。ちなみに僕は両立してます。

とは言え、何から何まで弱いのかと言われるとそういうわけでもなく、サポートカードは最低限のラインナップは揃っています。
現代遊戯王ではあるあるの「テーマ内で条件(憑依解放で言えば被破壊)も満たせる」は無いのですが、2枚サーチ・リクルート・蘇生と「霊使い」に必要そうなカードは一通り揃っています。
覚醒は普段の僕は採用していないですが、これはセルフブレイクとの兼ね合いが悪いのと魔法罠ゾーンの圧迫の二点が理由なので、デッキの構築次第では問題無く採用していいと思います。リンク霊使いで条件を満たせるし、強制効果なので憑依解放でダメステに特殊召喚しても問題なくドローできます。カードデザインの美しさを感じる一枚です。

採用カードの考え方

さて、サンプルレシピ及び普段使っているデッキレシピは後で載せますが、【霊使い】を考えるにあたって必要そうな要素をいくつか書き出し、それについての所見を述べていきます。
「霊使い」のリバース効果を運用するにあたって必要な要素は以下の通りです。

  • 霊使いを裏向きで出力させる方法

  • 霊使いをリバースさせる方法

  • 奪ったモンスターをどのように処理するか

  • 属性を変化させるカード

「霊使い」はリバース効果なので、裏向きで出力し起こすアクションが求められます。加えて、「霊使いが場を離れるとコントロールが戻る」という効果のせいで、奪ったモンスターを呑気に置きっぱなしもできません。スリリングですね。
では、それぞれの要素についての所見を述べていきます。

霊使いを裏向きで出力させる方法

なんでもいいです。憑依連携+トランザクション・ロールバック辺りでいいのではないでしょうか。僕は普段「魔装戦士 ドラゴノックス」を使っていますが、これは単純にループしやすいというだけなのでデッキのギミックに合ったものを使えばいいでしょう。憑依連携は霊使いのサポートをしつつおまけで破壊がついてくるのでめちゃくちゃに強いです。

リバースさせるカード

「聖遺物の傀儡」やゴーストリック、ヴァレルガード・ドラゴン等様々なカードが候補に上がります。
なお、ヴァレルガードならともかく、リバース札は必須ではないというのが僕の考えです。

費用対効果の話ですが、「霊使い(属性一致)をセットするカード」「リバースさせるカード」の二枚を使って相手モンスターを条件付き奪取は、現代遊戯王では費用対効果が低いと言わざるを得ません。条件付きの分効果だけを見ればエネコンより弱いです。
なんなら「霊使いが場を離れるとコントロールが戻る」という効果のせいで、相手ターンに効果を起動するなら霊使いを守るか奪ったモンスターを利用するカードも考える必要があります。つまり、3枚使ってやっと一枚除去です。属性変更札まで採用するなら4枚です。明らかに労力に見合っていません。
一例として、オフリススタートでダーリングコブラ→簡易融合サーチ→ゴーストリック・アルカード&堕天使→ゴーストリック・パニックサーチ、簡易からHAMで任意の霊使いセット、堕天使とHAMでリトルナイト――でリトルナイト+霊使いと同じ属性のモンスターをフリーチェーンで奪取の盤面ができますが、相手ターンに奪取したところで霊使いが殴られたらそのまま帰っていきます。
(霊使いにおける太陽の魔術師エダの評価を僕はかなり低く見ていますがそういう理由です)

相手ターンに霊使いをリバースさせても強くない

とはいえ、だから弱い、どうしたら強くできるか、ではなく、だったら費用の方を少なくしよう、というのが「リバースさせるカードは必須ではない」という考え方です。

そもそも公式に提供されている「憑依連携」がその考え方を体現しています。

「相手ターンに蘇生して、自分ターンで反転召喚させる」。これなら1枚消費・1枚奪取です。詳細に言えば自分は連携を消費(マイナス1)・霊使いを蘇生(プラス1)・相手モンスターを奪取(プラス1)でプラス1、相手はモンスターを奪取されマイナス1なのでここで2枚差がつきます。このレベルであればギリギリで現代遊戯王に振り落とされます。

回してみて「リバースさせるカードへのアクセスが上手く行かない」と思ったら、一回抜くのもアリです。
霊使いは展開して打点積んでライフ一気に取れるようなテーマじゃないので、いっそ汎用札でお互いのリソース盤面ゴチャらせてゆっくりゲームメイクをするのも一つの考えです。というかテーマとして捲り性能が無いので、積極的にゴチャらせましょう(経験則です)
カジュアルでは「相手の妨害ばかりしてデッキのやりたいことが遂行出来なければ失敗」という空気がありますが、そもそも霊使いは動きを通しても強くないしコンセプトとして通しにくい(奪って強いモンスターはそのままこちらの妨害になることが多い)のでどうしても別の部分で補強する必要があります。

奪ったカードを活用するカード

反転召喚で奪った場合はそのままリンクが一番簡単です。というよりリンク実装前は霊使いで奪ったモンスターをどう処分するかが別の課題として存在したので現在は霊使いにとってかなり良環境と言えるでしょう。昔はタイラントネプチューンとかシャッフルリボーン(墓地効果)とか使ってました。
相手ターンに処理する場合、確実に処理したいので、基本的にはコストで墓地へ送ったりするカードが良いです。僕は禁じられた一滴とシラユキを使っています。

  • 禁じられた一滴

奪ったモンスターをコストに妨害を打てる便利カードです。霊使いの優れた点として「ターンを跨いでコントロールを奪える」という点があるので、一滴で霊使いの効果を通しつつ、妨害系の効果を返しのターンで使えるという点で奪う前・奪った後どちらとも相性が良いです。
反面、霊使いが手札や盤面を大きく増やすわけではなく、相手モンスターをコストにしない場面でコストが捻出できるかという問題もあるので、霊使い以外の部分でその辺と噛み合うかを考えて採用枚数決めましょう。1:2で効果止めてもリソース差で普通に不利になります。
また、展開途中で止めたい場合は(手札にもよりますが)展開の終着点手前くらいを狙いましょう。カジュアルはデッキでやりたいことを詰め込んだ結果エクストラがピン差し多めの構築が多く、展開用のエクストラのカードを半分でも使わせたら同じ動きをされないことが多いです。

  • 妖精伝姫ーシラユキ

奪ったモンスターをコストに妨害を打てる便利カード。コストは除外されるので、相手のデッキのキーカードを奪いつつ除外してしまいましょう。攻撃力1850の魔法使い族なので「憑依覚醒」のサポートを受けられるのも美味しいです。

なお、相手ターンにリバースさせる or 相手ターンまで奪ったモンスターを生存させることが前提となりますので、その択を取らない場合は処理手段として枠を使う必要はありません。

おまけ:属性を変化させるカード

霊使いを絞る場合は欲しくなります。
今なら「千六百七十七万工房」「いろはもみじ」「シャドウ・ディストピア」辺りでしょうか。上記の理由(そこまでして霊使いの効果を通しても強くない)で採用していないんで正直よくわかりません。
霊使いというカテゴリが現代遊戯王で見るとかなりパワー低めで、デッキとして純霊使いに寄せれば寄せるほど/霊使いの効果を安定して通せるようにするほど逆にデッキパワーが低くなるので、「霊使いの効果を通すことだけ」を意識したデッキは考えない方がいい、というのが僕の考えです。

サンプルレシピ

サンプル①:割とシンプルなやつ

雑に10分くらいで作りました

召喚権はカグヤや植物周りに使いつつ、引いた憑依魔法罠で霊使いにアクセスしていきましょう。このデッキでは相手ターンにリバースさせるプランを採用しているので、禁じられた一滴やシラユキを入れてあります。
植物はオフリスダーリンから簡易、ハムで霊使いにアクセスしつつアルカード→駄天使でパニック、駄天使ハムでリトルナイト辺りを想定しています。
先攻で相手のデッキ(属性)がわからない時用に禁忌の壺みたいな強めのリバースモンスターを一枚差しておいてもいいかもしれません。

あとは単純な話、周りに合わせて汎用札のパワーを上げたり手札誘発を入れたりすればいいと思います。
カテゴリとして捲り性能は無いし展開するテーマでもないので、相手に展開させない or 汎用的な捲り札は自分の遊びたい環境に合わせてチョイスしてください。

サンプル②:普段使ってるやつ

普段使ってるやつ
細かい説明めんどくさいんでこれで

今はこんな感じです。オフ会はパワーラインがまちまちですが、それなりのパワーの人ともやり合えるしパワー低めの人は普通にローテンポで殴り合うみたいな感じになり、割とどんな相手でもいい感じにキャッチボールが成立するので初対面の相手には大体これ投げてます。
なお、特に決まったルートは無いです。ヴァレガやジーランティスを出すギミックも搭載していないので、都度アドリブでなんとかしてます。
質問あればTwitterの方にどうぞ。

https://twitter.com/Shakeboy877

以上2デッキ紹介しましたが、【霊使い】をシンプルに使うならこんな感じになると思います。
何度も言っているように「霊使い」を途中で使う構造上どうしてもパワーが上げにくいので、回してみてパワーが足りない、でも汎用札多めはオリジナリティに欠ける……みたいな印象を抱いたらそれは多分あなたの遊んでいる(遊びたい)環境と霊使いのパワーが合っていないだけの話なので、環境を変えるかぶっちゃけ無理に使うのをやめるのが良いと思います。
人気テーマながらオフ会環境ですら使用者がかなり少ない(というか自分以外見たことないです)のでオフ会での対戦相手のウケはかなり良いのですが、「ウケがいいから使う」にしてはピーキーすぎるテーマの気もします。
創作界隈から「霊使い憑依装着使い魔その他諸々全部乗せ」みたいなデッキはたまに流れてきますが、この記事を読むような方はそういうデッキを求めていないでしょう。

おまけ:小技

霊使いの優れた点として、相手にモンスターを「返せる」という点があります。
相手の横置き低打点を奪取、攻撃表示に変更して霊使いを場から離すことで攻撃表示にして殴ることができます。
盤面を完全に処理しなくても勝てるので、頭の片隅に置いておくとたまに使う場面が来ます。なおジーランティスでいいです。

ルール関連については昔解説したので上記記事よりどうぞ。

おしまい

ということで霊使いのざっくり解説(?)でした。
霊使いは人気テーマの割に使用者が少なく全然開拓されていない感があるので、この記事をきっかけに使用者が増えてくれると嬉しいです。
この記事が良かったら下記Youtubeチャンネルの動画再生チャンネル登録高評価、イラスト違い霊使いのプレゼントお待ちしております。イラストが見えやすいスーレアの方が好きです。

何か質問あればTwitterの方にどうぞ。またね。


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