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第8話 知りたくない

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 坂本が、A先生の話を続ける。

「俺は訳あって、A先生と同じ意見だけど、反感を抱いていた生徒もいた。
 子供にとっては、決して、知りたいことじゃないからね。ほとんどの日本人が知らないことだし、戦争にならない限り、知る必要はなかったのかもしれない。
 日本会議の存在なんて、なんだそれ?だよ。
 特に、日本軍の蛮行なんて、暗い話題じゃん?聞きたくないじゃん?
 俺も読んで、知って、胃が痛くなったよ。うつになるよ。
 そんなの見て見ぬふりして、真面目な子は教科書に書いてあることだけ勉強したいし、ネットでゲームをしたり、アマゾンのビデオを観ている方が楽しいからね。 大人なら、酒でも飲んで、歌って生きられたら、それに越したことはない。
 中には、ネットのデマ情報の方を信じている者もいたようだよ。
【ここで、あえて「知りたくない」話の氷山の一角の例を、「NPO・中帰連平和祈念館」の記事を引用することでご紹介させていただきます。「自虐的」ですか?どこが?紛れもない「事実」でしょ?これが戦場でしょう?
 これを洗脳だと断定しケチをつけることで、なかったことにしようとする卑怯者達(歴史修正主義者)とは違って、日本軍が中国で蛮行を行わなかったなんて空論を信じるほど #知多郎 は馬鹿じゃないのです。
 そこらのネトウヨとは情報処理能力が違うんです。この小説を書く参考に、新たに関連する本を7冊読み始めたところです。
 釈放された1000人の証言が全部嘘だとでも言うんですか?一部の虚言で全証言を否定するんですか?馬鹿で、卑怯ですね?
 アカだと批判し、いじめて楽しいんですか?
 なお、すぐにこれは洗脳だと情報弱者の #ネトウヨ が喚くのは分かり切っているので、先に反論「中帰連洗脳説という愚論」をリンクしておきます。=リンク先の原文にリンクがあります。また、関連するマインドマップも作成中】

(引用開始)
中帰連の「戦争体験」

 「中帰連」の多くの皆さんは山東省の59師団と、山西省の39師団の他、37117師団、独立混成第3旅団の人たちです。彼らの多くは「奪い尽くし、焼き尽くし、殺し尽くし」の所謂「三光作戦」(中国側の表現)のみならず、強制連行、生体解剖、拷問、強姦・・・・・など多くの加害・虐殺体験をしてきました。

 しかし、これは「中帰連」の人たちが特別ではく、同じ地域や部隊の人たちはほぼ同じような体験をされている筈です。彼らの多くの人が初年兵教育の中で、中国人を杭に縛り付け「的」の代わりに突き殺させた『実的刺突』の体験をしたり、させたりを証言しています。

 憲兵だった山形の土屋良雄さんは軍隊生活15年の間に1917人を検挙、拷問、投獄し、直接間接に328人を殺害したと証言(「ある憲兵の記録」他)し、多くの人は「黙っているだけ」と言っています。
 また、山西省の潞安陸軍病院の軍医だった東京の湯浅謙さんは、自ら10人の中国人生体解剖に携わったことを証言し、生体解剖731部隊だけではなく中国各地で中国人を動物のように扱っていたと証言しています。

#知多郎 注:関連する本としては、私が中1で読んで衝撃を受けた、遠藤周作著『海と毒薬』が有名です。)

 また、2000年に東京で開かれた所謂従軍慰安婦問題を裁いた『女性国際戦犯法廷』で強姦の証言(当時の安倍晋三・官房副長官の圧力でNHKがカットし放送)をした金子安次さんは、強姦させないと怒った上官の命令で上官と一緒に婦人の足を持ち井戸に投げ込み、その後、苦しまないように手榴弾を投げ込んだ証言をしています。その直後に婦人の幼子は母を追って自ら井戸に飛び込んだことを証言しています。(「金子さんの戦争」他)http://www.hermuseum.go.kr/jpn/cop/bbs/selectBoardList.do?bbsId=moviejpn_jpn#LINK

#知多郎 注:似た話が、小林よしのり氏著『ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1』にて、紹介されている。こちらは、赤ちゃんを崖に落とされて、軍隊の戦利品として連行されていた裸女の母親が後を追って飛び降りる話です。ぜひ、お読みください。この話については、田村泰次郎裸女のいる隊列」として、知る人ぞ知る話です。このような日本軍の蛮行を忘れ去れば、いずれ、中国との全面戦争さえ招くかもしれないと私は思います。今度は、愛する日本の女性たちが、同じ辱めを受け、殺されるかもしれません。そんな地獄だけは避けねばなりません。戦争の加害者が忘れても、戦争の被害者は決して忘れません。日本では隠蔽に成功しても、被害国では語り継がれているのです。
(備考:NHKの討論番組で沖縄の女性が語っていた言葉です。「沖縄のことを本土の人は分かっているというけれど、全然わかっていない。本土の人は沖縄県民の足を踏みつけながら語っているだけ。同じことを語っているのに、痛みには全然気づいてない。」と)


加害の歴史の隠蔽は、戦争の火種になると、 #知多郎 は思います。戦争が大嫌いな女性が反戦の輪を広げていただきたいと思います。愚かな戦争をやめさせるために、女性がレジスタンスをして停戦させる「女の平和」という古代アテネの喜劇もあります。情報弱者のネトウヨやすぐに戦争を始める男達に政治をまかせていてはいけません。
 平和学の権威であるヨハン・ガルトゥング氏の母国ノルウェーでは、女性議員の比率が約40%なので、絶対に戦争をしないでしょう。平和を享受し続けるでしょう。
 しかし、日本は違います。「子ども達も、国を護るために命を投げ出して...」の高市早苗氏や 生長の家原理主義者の稲田朋美氏なんかが元防衛大臣だからです。戦争に向けて一直線です。それぞれのできる範囲で、反戦レジスタンス活動をしましょう。このインスタ小説もその一環です。)

 また、東京の小山一郎さんは強制連行に参加したのみならず、命乞いをする老婆を殺害し、部落に火を着けて回ったと証言しています。(「鬼から人間へ」他)

 (知多郎補足:支那派遣軍は200以上の師団や旅団で構成されており、蛮行を行った部隊とあまり行わなかった部隊があります。同じ戦場でも、状況は違います。蛮行を行った戦友会は嘘をつき、蛮行をあまり行わなかった部隊は、蛮行はデマだと主張しているのです。)

 これらはほんの一部であり、多くの皆さんが戦争で戦ったのみならず、多くの市民や婦女子を虐殺した体験をもっています。中国は戦闘でではなく多くの民間人を虐殺したことを指摘しています。
 しかし、周恩来は敗戦後の日本の負担が大変だと「賠償請求権」を放棄したのみならず、1956年の「当別軍事法廷」では判決文を4回も書き直させ、「復讐や制裁では憎しみの連鎖は切れない」と、一人の死刑も無期も認めず、殆どの戦犯が「起訴免除」とされ帰国を許されました。1069名の戦犯のうち起訴されたのは政府、軍高官の45名だけで、しかも刑期にシベリアの5年と管理所の6年を刑期に参入され殆どが刑期満了前に帰国を許されました。

 記念館にはこの戦犯たちの自費出版を含めた本や、当時、管理所で書いた直筆の「手記」原本を保管し、記録映像資料も視聴することも出来ます。

 日本はこれら「加害・虐殺」の歴史と事実を隠し否定しようとしていますが、過去の歴史を知り教訓とする必要があると思います。それは自虐史ではなく「事実」なのです。中国には『前之事忘 後之事師』という諺があります。つまり『過去を忘れず、後の教訓とする』という事です。

 私たちは相互理解と平和のために運動を続けています。


(引用終了)
 このように日中の友好と反戦平和のための活動を続けている人々がいる一方で、これを洗脳だと決めつけることで、日中の相互理解を阻み、平和を壊そうとする歴史修正主義者たちが跋扈している。戦争は着実に作られている。