あとがき

#知多郎 インスタ @sls_chitarou twitter @chitarou7 が #中帰連 の存在を知ったのは、下記の番組を観たときである。
1989年8月15日放映 NHKスペシャル
 「“戦犯”たちの告白」 ―撫順・太原戦犯管理所1062人の手記―

https://www.dailymotion.com/video/x4hdirb

 社会科教師になる前にこの番組を観ていた経験が、その後の反歴史修正主義の起点になったといえる。戦後生まれの私にとっては、貴重な戦場の疑似体験であり、戦争が善良な市民を鬼にすることに激しい怒りを覚えた。
 その一方で、まさか、中国帰還者連絡会の方々が、「洗脳・アカ」と批判され苦しんできたとは!?それを知ったのはずっと後であり、彼らの証言を直接援護する活動をしてこなかったことを大いに反省している。
 奇しくも同年の小林よしのり著の悪魔の書『戦争論』にて、中帰連は中国共産党に洗脳されてデマを供述していると描かれていることは知っていたが、まさか、そんな愚論が拡散されるとは思っていなかったのである。( 小林よしのり氏「戦争論」の妄想 )
 しかし、現実は、中帰連が広めたかった加害の歴史は、日本会議のデマ情報に消し去られ、今は歴史修正主義が跋扈している。アナザーワールドのネット空間では、キモイ馬鹿なネトウヨがうじゃうじゃいる。
 この状況を打破するには、中帰連の活動について、若い世代にも語り継がねばと、この小説でも大きく取り上げた次第である。
 NHKは、歴史修正主義を払拭する貴重な資料として、前述の番組を再放送し、無料でネットに公開すべきである。中帰連洗脳説が愚論であると、誰の目にも明らかになるだろう。
 登場人物の中には、帰国後何ら証言活動をしていない老人二人もいた。自らが収容所で書いた蛮行の告白文を提示されて、書かれている通りですと悲しそうに答えた。事実であり、だから証言活動もせず、家族にも話していなかったからである。
 この番組とは関係ないが、同収容所から帰還した父をもつ元衆議院議員伊藤秀子氏著『父の遺言 戦争は人間を狂気にする』によれば、父は、「戦争はしてはいけない」とは伝えたが、中国で日本軍が行ったことについては、決して家族に語らなかったようである。
 また、歴史研究家の保坂正康氏によれば、戦友会は妻や子供に話すことができない戦場の思い出を話し合う心のケアのための場だという。PTSDにならないための癒しといったところか。
 そんな中で、あえて加害の歴史を語った中帰連の方々の自白は貴重である。戦犯を生きて帰した撫順の奇蹟が、日本の愚かな歴史修正主義に歯止めをかけ、平和を守る役割を果たしている。この決断をした周恩来は、日本への留学経験ももつ。そんな、人と人との交流が、このような決断をさせた一つの要因だったのかもしれない。
周恩来は「戦犯といえども人間だ。人間だから必ず変わる。良心を取り戻して平和と日中友好のために貢献する人になる」と説いたそうだ。
 善良だった市民が、国の命令とはいえ中国で蛮行を行う鬼となり、収容所で人間の心を取り戻して反省しただけに過ぎない。それのどこが「洗脳」なのやら?
 そのような愚論を信じる前に、当事者の本を読むべきだ。
 中帰連の会長を務めていたことがある富永正三氏著の『あるB・C級戦犯の戦後史 ほんとうの戦争責任とは何か』は、最良の書だと思う。
 反論したいネトウヨこそ、これらの本を読むべきだ。ろくに本も読まず、google検索の情報を鵜呑みにしている情報弱者など、出る幕ではない。

 日本国民が加害の歴史を修正せず、真摯に向き合うことが、次の戦争を阻止するために、最も大切なことである。
 日本人は選民思想に染まり、奢り高ぶって先の大戦を招いてしまった。
 しかし、不幸中の幸いなのか、戦後は、対米隷従の属国として、軽武装・重商主義で約75年もの平和を享受できている。
 しかし、戦争の歴史が風化し、先の大戦を美化する歴史修正主義者と、日本国憲法の改悪を望む米国によって、日本は再び戦争を行い、亡国の道を歩むことになるだろう。
 なぜなら、米国は巨額の赤字を抱え、日本を捨て石にしてでも、アメリカの国益にするしかないのである。副島隆彦氏はトランプ大統領の2期目が終わる2024年に米国のデフォルトを予言している。

 また、下記の本も恐ろしいことばかりが書かれている。

 ベンジャミン・フルフォード著
 『ファイナル・ウォー アメリカが目論む最後の「日本収奪計画」』

 2014年の本だが、アメリカがどれだけの悪事を働いてきたかが、わかる戦慄の本だ。日本のTVや新聞では決して暴かれないが、これを読めば、対米隷従がいかに亡国の道なのかがわかる。私のこの小説よりも1000倍価値がある。(なお、東日本大震災の人工地震説については、私も信じてはいませんが、他の内容は事実ですし悪魔的です。ちなみに、私は、子宮頸がんワクチンの女子中学生への広報活動に対して、副作用がひどいと中学校の職員会議でただ一人猛烈に反対した情報強者の愛国社会科教師です。)

 このところの金価格の高騰は、動乱の時代の訪れを予告しているのだろう。
   
 私が最も危惧している憲法改悪がなされなくても、日本を陥れるための罠はしかけられるだろう。しかし、日本が先制攻撃しない限り、他国が日本を攻撃するはずはない、と考える。
 歴史修正主義者は、中国の海洋進出を警戒するが、だからといって、中国が沖縄や日本を侵略するはずなどない、と筆者は思う。日本が大事な市場だからだ。世界の工場である中国にとっては、市場である日本を敵に回すなど、自殺行為である。少なくとも損である。
 北朝鮮は何をするかわからない。が、下手に刺激しない方が得策だ。自衛隊を憲法に明記しただけで、核ミサイルを撃ってくるかもしれない。日本中の原発にミサイル攻撃をするかもしれない。窮鼠猫を噛むという。日本が猫役を買って出るのは危険である。(なお、もし、同じ民族である北朝鮮と韓国が手を組めば、韓国が核ミサイルを手に入れることになる。韓国への弱い者いじめをしている日本が標的になる可能性も0ではない。韓国を敵にするのは愚かである。)
 対立からは何も生まれない。日本はアジア諸国との友好の道を歩むべきなのである。中東の複雑な歴史に比べれば、アジア諸国との友好は簡単だ。日本が愚かな歴史修正主義を改めればよいだけだ。アジアと仲良くできるハト派の首相を選べばよいだけだ。決して、極東をパレスチナ化してはいけない。
 昔、飛鳥・奈良がシルクロード文化の最東端であったように、中国の一帯一路の最東端を担うべきだと私は思う。確かに、中国はアメリカ以上にわがままである。しかし、日本が歴史修正主義さえ改めれば、ビジネスパートナーとして協力することは可能である。今までそうしてきたし、実際に日本の製造業は、中国企業の下請けになりつつある。

 日本の現体制を支配しているのは日米同盟(日米安保条約)であるが、これがどのように締結されたものであるかを国民が知っておくことは大事である。各国の代表の見守る中、サンフランシスコ講和条約を結んだ後、吉田首相ひとりだけがサンフランシスコの第6軍司令部プレシディオ(将校集会所)に連れていかれて署名したのである。
 その程度の条約なので、日本の全てを捧げるべきものではない。屈辱的な地位協定など、植民地支配そのものである。(がしかし、これを破棄しようなどとしたら、アメリカに攻撃されて日本は滅びる。そっとしておいて、徐々にアメリカべったりから離れることが大事である。)
 ドル基軸通貨体制の現在までは、アメリカのパートナーとして歩む道が最善であった。しかし、ドルが永遠に基軸通貨でありうることはないだろう。ドルが基軸通貨でなくなった未来のために、日本のあり方もアジアへシフトしていかねばならない。
 米国が中国を敵視するのは当然である。しかし、日本が同様に中国を敵視すべきではない。次の重要なパートナーとすべきなのである。

 ドルが基軸通貨でなくなる未来へのシナリオ
 https://diamond.jp/articles/-/83596

 因みに、2020年のコロナウィルスの蔓延により、リーマンショックと同等の不景気になった。中国からの観光客が激減し、多くの会社が倒産した。今や、日中の経済は切っても切れない関係なのである。であるのなら、いがみ合わず、仲良くするべきなのだ。それは、韓国との間にもあてはまる。
 愚かな #嫌中・ #嫌韓 思想に染まってはいけない。愚かな #ネトウヨ のままであってはいけない。
 副島隆彦氏が主張する「同じアジア人同士争わず」こそ、日本が目指すべき道なのである。

 既に、東日本大震災から9年目になる。日本は地震大国であり、東南海トラフ大地震がいつおこってもおかしくなはない。その被害想定は、恐るべきことに東日本大震災よりもはるかに大きく、日本経済に痛烈な打撃を与えるだろう。(しかし、それでも、戦争をするよりはましである。)
 巨大な赤字を抱える我が国は、他国と戦争したり、中国と軍拡競争したりする余裕など全くない。死の商人を儲けさせる必要もない。米国の戦争に加担などしてはいけない。自衛隊は、これからも、他国の国民を誰一人殺さず、災害時の救援活動で国民を助けるヒーローであって欲しい。そのためにも、日航ジャンボ誤爆の過ちを認め、決して軍隊にはならないことを国民に誓ってはいかがだろうか?中の人の英断(カミングアウト)を期待します。

 以上、初めての小説で、駄文も誤字脱字も多く読みにくかったことと思います。読んでいただきありがとうございました。本小説中のリンクは今後も充実させていきます。図や写真も追加予定です。もし、よければ、私と一緒に、歴史修正主義者に対して、レジスタンス活動をしてください。さようなら。

 最後に、一緒にこの小説を書いてくれた護憲君に感謝して、筆を置きます。(なお、負担ゼロ、印税有りなら書籍化も歓迎します。)

 いずれ、この小説(ロードオブ対米自立三部作)の続編として、下記も執筆予定です。
 第二部作品、(仮題)「米国の捨て犬。それは日本」
 第三部作品、(仮題)「いつ植民地を止めるんだ?今でしょ?」
 にご期待ください。

 この小説を知り合いにも教えてください。

(2020/3/12)