ウツ会議の分析

遭遇設計さんのウツ会議というゲームの分析です。

全体感想、攻略観点、分析観点、学び観点
で分解してみます。(ここを混ぜるとぼやけて伝わるかと思うので、それぞれで観ていくと良い気がします)

◆全体感想:
良いゲーム。研修ゲームなので、愉しさだけの基準で評価すると高得点には辿りつかないのですが、研修という観点で観ると相当高い評価。
ゲーム前後、特にゲーム後に一定の解説をいれたほうが学びという観点では良いゲームになると思いますが、ゲーム単体でも一定の効能が見込めるので相当優秀なゲームだと思います。

ルールは少なくないがわかりやすい
ワーディングが事実に裏付けされているので強力
アクションという身体性を用いるものなので、左脳だけでどうにかならないのも良い

全ての情報は出ているのですが、どのように受け取るのかが問われている

◆攻略観点:
①全体がどういう状況か(経時変化含め)を把握する
①-1状況が悪化するリスクは何か
①-2好転する選択できる手段は何か
①-3対処するに際して得意・不得意の特性の偏りはどうなっているのか(含む全員が苦手なものは何か)
※事態→得意な役割 という方向性で整理
①―4 全体視点での役割の情報整理
※各自の得意な役割は何か?

② ①-3,4に基づいて、リソースの最適化、または最適化する必要性・最適化出来ていない現状への危機感の度合いの把握、必要ならアクション

◆分析観点:
・鬱原因を6個に分類したこと
→この分類が正しいかはわからないけど、分類したのがエライ
・分類に基づくと、助けになる人がどういう人なのか。または逆に普段から助けになる人がどんな人かを基に、その人はどの分類に対して大きく貢献しているのかを整理した
・鬱をタワーで表現、物理で取り除くを表現、崩れるをエゴ崩壊で表現
・読み上げをいれることで、「そういうもんだよね」とスルーさせずに、体験させているのがエライ
・ゲームを体験すると良い影響だけではなく、悪化する場合もあり得るゲームだが、それに対しての事前対応・線引きをしているのがエライ(ここは統計に頼っているようにも見えて改善の必要があるかは不明。多分沢山事故を経験しているんだろうなぁという感じ)

◆学び観点:
・ペルソナ毎に、どういう人を、どういう視点・選択肢を持ってもらいたい。という意志があるように思える。そして、それを自分のペースで学べる、と言える
・一定レベルの対応としては十分学べるが、それ以上には跳ねない(ゲームというものの限界。与えられている状況設定以上の課題感は学びとるのが難しい)

という感じです。
◆最後に、設計者の観点で追記すると
・フレームとして使える
・課題感だけでなく、事実・事例が揃うと、納得感があがる(が足りないと納得感が薄れる。ゲームは虚構なので納得感が落ちると急激に評価は下がる)
・個人でできることを上手く制限することで理想的な協力関係ができるようになっている
・奉行問題は不可避(そこはプレイヤースキル依存になっている。そこをどうにかできるとゲームとしてはもう一段解跳ねれるかもしれない(がそういうプレイヤーはそこまで多くないから外れ値、例外対応で済ませる現判断は有り)


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